おせちは一般に元日から食べ始めますが、北海道・青森の公的な文化資料には、大晦日から食べる習慣も紹介されています。家庭の習慣と家族が集まれる日時を相談して、今年の食事の予定を決めましょう。
「食べ始める日」と「みんなで食べる日」は、分けて考えることもできます。この記事では地域の例を確かめたうえで、二つの質問からご家庭の予定案を整理できます。料理の保存方法や期限は、日程とは別に確認してください。
おせちは元日からが一般的。大晦日に食べる習慣もある
青森市の文化解説では、全国的には元旦に食べ始めるのが一般的だと説明しています。一方で、大晦日から食べる家庭の例も紹介されています。
農林水産省は、おせちを歳神様(年神様)への供え物に由来する料理と説明しています。歳神様と食事をともにする意味があり、料理には家族の健康や幸せへの祈りが込められている、と紹介されています。
なお、重箱に詰められる料理一つひとつの詳しい意味や願いについては、おせちの意味や料理に込められた願いでも詳しく解説しています。
元日と大晦日の違いを、ご家庭の習慣を聞くきっかけにしてみてください。
北海道・青森では大晦日の例も。地域と家庭で違う
ここでは、北海道と青森の公的な文化資料で確認できる例を紹介します。同じ地域でも、食べ始める日を一律には決められません。
北海道のトシトリ膳と、元日に食べる例
北海道では、大晦日におせち料理を食べる家が多いと、北海道農政事務所は紹介しています。
同事務所は、大晦日のトシトリ膳(年取り膳)を、一年の始まりにごちそうをいただく伝統的な習わしとして紹介しています。
ただし、同じ資料のなかでは「現代ではおせち料理は年もあらたまった元旦に食べる地域もみられます」とも書かれています。北海道に住んでいるからといって全員が大晦日に食べるわけではなく、元日に食べる地域や家庭もあることがわかります。
青森の文化資料にみる大晦日の食べ始め
青森市立図書館の「あおもり歴史トリビア」No.437では、文化財課の担当者が、自身の家庭では大晦日におせちを食べ始めると紹介しています。これは担当者の家庭を交えた文化解説で、現在の全県の家庭を調べた統計ではありません。
資料からみる食べる日の違い
公的資料で確認できる地域ごとの傾向と、自宅で確認したいポイントを整理しました。
| 地域・区分 | 資料で確認できること | 自宅で確認したいこと |
|---|---|---|
| 一般的な説明 | 青森市の文化解説では全国的には元日が一般的と説明 | 家族が元日にそろって食卓を囲めるか |
| 北海道 | 大晦日に食べる家庭が多いとされる一方、元日に食べる地域もある | 家族や実家が大晦日に食べる習慣を持っているか |
| 青森 | 大晦日から食べ始める家庭の習慣が文化解説で紹介されている | 年末からの予定に合わせて無理なく用意できるか |
出身地だけで自動的に決めてしまうのではなく、「ご実家ではどうしていたか」「今年はいつ集まるか」をご家族で話し合ってみることが大切です。
わが家のおせち予定を2つの質問で整理する
地域の習慣を知ったら、ご家庭の予定に当てはめてみましょう。食べ始めたい日と家族が集まる日が違うときは、両方の日を残して相談する案が出ます。礼法上の正解や、食品を食べられる期限を判定する機能ではありません。
家族が集まる日と、食べ始めたい習慣を選んでみましょう。二つの日を分けると、相談することが整理できます。
予定は次の順で整理できます。
- 家族が集まる日と食事の時間を決める。
- 元日・大晦日など、家庭で食べ始める習慣を確認する。
- 日が違うときは、それぞれの日に何を出すかを相談する。
- 料理の期限・保存方法・解凍後や開封後の案内を確認する。
家庭で食べる日は、集まる日時・習慣・準備の3つで決める
おせちをいつ食べるかは、伝統の形を尊重しつつも、集まるご家族の都合に合わせて決めるのが自然です。具体的には「集まる日時」「これまでの習慣」「お料理の準備」の3つの要素から考えてみましょう。
家族が集まれる食事の時間を決める
まずは、おせちを一緒に食べたい家族がいつ集まれるかを確認します。
たとえば、次のようなパターンのなかから、無理のない時間帯を選んでみてください。
- 大晦日の夕食:家族が年末からゆっくり過ごせる場合や、年越しそばと一緒に楽しむ場合
- 元日の朝や昼:新しい年の始まりとして、新年の挨拶を交わしながらいただく場合
- 1月2日の集まり:仕事や帰省の都合で、年が明けてから親族が集まる場合
必ずしも「元日の朝一番」にこだわらなくても大丈夫です。家族がそろって笑顔で食卓を囲める時間を選ぶことが、一番のお祝いになります。
実家と習慣が違うときは先に相談する
結婚したり同居を始めたりして、実家同士の習慣が違うことに驚くこともあります。一方が「大晦日から食べるのが当たり前」と思っていて、もう一方が「元日以外は考えられない」と思っているケースです。
このような場合は、どちらが正しいかを競うのではなく、お互いの育ってきた地域の習慣として受け止め、事前に「今年はいつ食べ始めようか」と相談しておくことをおすすめします。事前に話しておくだけで、当日のすれ違いを防ぐことができます。
食べる時刻から準備を逆算する
食べる日時を決めたら、お料理の準備がその時間に間に合うかを確認します。
特に通販でおせちを購入する場合や、冷凍で届くおせちを利用する場合は、解凍や保存に必要な条件を事前にチェックしておく必要があります。
- 食べる日時:大晦日の夜か、元日の昼か、2日以降か
- 家族の習慣:実家の慣習や、家族が落ち着いて食べられる時間
- お料理の受け取り・保存・解凍の条件:届く日や、商品に記載された解凍・保存方法
なお、ご家庭の人数や都合に合ったおせちを通販で検討したい場合は、おせち通販おすすめの比較記事で人数や配送状態(冷蔵・冷凍)ごとの選び方を詳しく紹介していますので、必要に応じて参考にしてみてください。
いつまで食べられる?三が日と保存期限は別に考える
三が日とは、1月1日から3日までのことです。おせちをその期間に食べることと、料理を3日間保存できることは別に考えましょう。1月3日まではそのまま食べられる、と日付だけでは判断できません。
消費者庁の情報によると、食品に表示されている消費期限や賞味期限は、「未開封で、表示された方法どおりに保存した場合」を前提としています。また、一度開封した食品については、表示されている期限に関わらず早めに食べきることが大切だと呼びかけられています。
購入品は、表示された保存方法と期限に加え、解凍後・開封後の案内も確認してください。食べる予定を先に決めても、料理の条件がその日程に合わなければ、用意する料理や予定を見直す必要があります。消費期限を過ぎたものは食べないようにしましょう。
手作りのおせちにも、「三が日だから3日間は食べられる」という判断は当てはまりません。この記事や予定案から、料理別の保存日数を決めないでください。
おせちを食べる日のよくある質問
おせちを食べる日について、迷いやすい質問をまとめました。
元日の朝ではなく、昼や夜に食べてもいい?
はい、ご家族が集まる時間に合わせて、昼や夜に食べても問題ありません。
元日という節目を大切にしつつ、家族が集まれる食事の時間を相談してみてください。料理の保存方法や期限も、その予定に合わせて確認しましょう。
1月2日に家族が集まるなら、その日に出せる?
家族が集まるのが1月2日であれば、その日に合わせておせちを出すのもひとつの方法です。
購入品なら、保存方法と表示された期限、商品指定の解凍後・開封後の条件をすべて確認して計画を立てましょう。表示された期限は、未開封で指定の方法で保存した場合のものです。開封後は表示期限だけで判断せず、早めに食べきる必要があります。
大晦日に開封した同じ料理を1月2日に出せるかどうかは、日付だけでは判断できません。解凍日を合わせたことだけで、食べられると決めないでください。
まとめ
今年のおせちは、食べ始めたい日と家族が集まる日を整理してから、料理の条件を確認して準備しましょう。元日・大晦日の違いを、ご家族と話し合うきっかけにしてみてください。


