年末のご挨拶、のしの書き方で迷っていませんか。表書きは御歳暮?名入れは名字だけ?内のしと外のしはどっち?本記事は、のし紙の基本からケース別テンプレ、失敗しない手順までを一気に解説します。今日すぐ書ける実用ガイドとしてご活用ください。
- お歳暮ののし紙の基本(表書き・水引・内外の判断)
- 名入れの書き方(個人・家族・夫婦・連名・法人)
- 時期を外したときの表記や喪中の配慮、NG集
結論|お歳暮の「のし」はここだけ押さえればOK
- 表書きは上段に「御歳暮」を統一
- 水引は紅白蝶結び(祝い事で何度あってもよい意)
- 名入れは水引下段中央。個人はフルネームが基本
- 連名は右から目上→左へ。3名まで。それ以上は代表名+他一同
- 配送は内のし、手渡しは外のしが目安
最短5分の基本セット(表書き・名入れ・水引)
のし紙は紅白蝶結びを選び、上段中央に「御歳暮」、下段中央に贈り主名を書きます。筆ペンや濃墨の毛筆が見栄えよく、縦書きが無難。名入れは個人ならフルネーム、家族宛でも差出人を明確に。会社からなら代表者名を主に、社名・部署は小さく添えましょう。まずはこの基本を押さえれば、ほとんどのシーンで失礼がありません。
コトクマ迷ったら「御歳暮+紅白蝶結び+名入れ中央」。これが王道です。
のし紙の基本|意味・水引・サイズ・内のし/外のし
のしと水引の意味(紅白蝶結びを選ぶ理由)
「のし」は祝意を添える飾り、「水引」は気持ちを結ぶ紐のこと。お歳暮はお祝いごとに準じる贈り物のため、何度あってもよい蝶結びを用います。結び切りは婚礼や快気祝いなど一度きりの意味になるため避けましょう。のしの有無は地域差もありますが、一般的にはありで問題ありません。
内のし/外のしの違いと使い分け(手渡し・配送の目安)
外のしはのし紙が外側に見える掛け方で、気持ちが伝わりやすい反面、配送で擦れや破損の恐れがあります。内のしは包装紙の内側にのし紙を掛ける方法。控えめで上品、かつ配送向きです。目安は「手渡し=外のし」「配送=内のし」。相手に意図を見せたい社交の場では外のし、実務的なやりとりや宅配では内のしが安心です。
のし紙サイズの目安(箱サイズとの合わせ方)
のし紙は贈り物の大きさに対して、上下左右に1〜2センチ程度の余白が出るサイズが見栄え良好。小箱には小判、中〜大箱には中判・大判が目安です。店頭やECのラッピング指定では品物に合わせて選んでもらえますが、自分で用意するなら「箱の天地に余白」が基準と覚えましょう。



配送が増えた今は「基本内のし」。手渡し予定のときだけ外のしに切り替えればOKです。
表書きの書き方|「御歳暮」と時期で変わる表記
基本は上段「御歳暮」か「お歳暮」どちらでも可(統一推奨)
表書きは上段中央に「御歳暮」(ひらがな「お歳暮」でも可)。表記は統一が大切です。フォントや旧字・俗字を混ぜず、楷書でくっきりと。ボールペンより筆ペンや濃いサインペンが安心。縦書きが定番ですが、横書き指定ののし紙もあるため、用紙に合わせて整えます。
時期を外したときの表書き(御年賀/寒中御見舞/余寒御見舞)と期間早見表
お歳暮の時期を逃したら、松の内の間は「御年賀」、松の内を過ぎて立春前までは「寒中御見舞」、立春後は「余寒御見舞」を用いるのが一般的。関東は12月初旬〜12月31日、関西は12月中旬〜1月初旬が目安です。遅れた理由は文面で丁寧に添えると印象が和らぎます。



期日を過ぎたら無理に「御歳暮」にせず、素直に季節の表書きへ切り替えましょう。
名入れ(差出人)の書き方|個人・家族・夫婦・連名・法人
個人:フルネームが基本/家族は姓のみも可(世帯主名も可)
下段中央に差出人名を入れます。個人はフルネームが基本。家族からの贈り物なら「姓のみ」でも通じますが、誰からかを明確にしたい場合は世帯主名や代表者名を。未成年の子の名は添え名として小さく右寄せに入れると整います。
夫婦連名:右に夫・左に妻/別姓は各フルネーム
夫婦連名は右側に夫、左側に妻を並べます。妻が世帯主の場合でも、一般的には目上順の右→左。別姓の場合はそれぞれのフルネームを同じ文字サイズで並列に。敬称は基本不要です(宛名側で付けます)。
連名:原則3名まで、右→左に目上順/4名以上は代表名+「他一同」+別紙
連名は見やすさ重視で3名まで。右から目上、左に向かって目下の順に配置します。4名以上の場合は「代表者名(中央)」の右下に小さく「他一同」とし、別紙や挨拶状に全員の氏名を記載します。部署単位なら「営業部一同」のようにまとめても整います。
法人:代表肩書+代表名、名前の右上に社名・部署を小さく
会社として贈るときは、代表者の肩書と氏名をメインに記し、社名や部署名は小さく添えます。例)下段中央「代表取締役 社長 山田太郎」、その右上に小さく「株式会社〇〇 営業部」。社判は不要ですが、封入する挨拶状に社名・所在地を明記すると親切です。



迷ったら「読みやすさ」と「誰からかが即わかること」を優先しましょう。
宛名と渡し方|配送伝票・手渡しのマナー
宛名の基本(会社宛・部署宛・代表宛の使い分け)
会社へ贈る場合、日頃やり取りのある部署宛、または代表者宛で問題ありません。個人に確実に渡したい場合は「会社名+部署名+個人名様」で明記。敬称は「様」、役職名は敬称の前に付けます。部署のみ宛の場合は「御中」を用いましょう。
内のし推奨の場面(配送時の破損防止)と外のし推奨の場面(手渡しで意図を見せる)
配送では外装の擦れや水濡れでのし紙が汚れる恐れがあるため、内のしが無難。手渡しの場では外のしにして、贈り物の趣旨を視覚的に伝えるとスマートです。百貨店やECのギフト設定では、用途に応じて「内のし/外のし」を選択できます。



宛名は先方の受け取り方を最優先に。迷ったら電話やメールで確認しても失礼には当たりません。
喪中の場合ののし|短冊・奉書紙で控えめに
のし・水引は用いず白無地短冊(上「御歳暮」下名入れ)
先方が喪中でも、生前同様のご厚誼へのお礼としてお歳暮を贈ること自体は失礼ではありません。ただし、のし飾りや華やかな水引は避け、白無地の短冊や奉書紙で控えめに。表書きは「御歳暮」を用い、下段に名入れをします。弔事と重なった場合は時期や品を慎重に選びましょう。
弔事と重なったときの表記の注意
四十九日までの期間は配慮して時期をずらす、または「寒中御見舞」へ変更も検討します。華美な包装や赤系の熨斗は避け、落ち着いた色合いで。メッセージカードにはお悔やみの言葉を添え、相手の負担にならない日持ちのする品を選ぶと丁寧です。



迷ったら華美を避け、言葉と時期の配慮を最優先にしましょう。
ケース別テンプレ|そのまま書ける実寸イメージ
個人宛(上司・恩師)/家族宛/取引先宛(法人)
- 上司宛:上段「御歳暮」/下段「山田 太郎」
- 恩師宛:上段「御歳暮」/下段「佐藤 花子」
- 家族宛:上段「御歳暮」/下段「田中」
- 取引先宛(法人):上段「御歳暮」/下段「代表取締役 社長 山田太郎」右上小さく「株式会社〇〇 営業部」
夫婦連名/3名までの連名/代表+他一同
- 夫婦連名:上段「御歳暮」/下段「山田 太郎 山田 花子」
- 3名連名:上段「御歳暮」/下段「田中 一郎 鈴木 二郎 佐藤 三郎」
- 代表+他一同:上段「御歳暮」/下段中央「山田 太郎」右下小さく「他一同」
時期を外した場合(御年賀・寒中・余寒)
- 御年賀(松の内):上段「御年賀」/下段「山田 太郎」
- 寒中御見舞(立春前):上段「寒中御見舞」/下段「山田 太郎」
- 余寒御見舞(立春後):上段「余寒御見舞」/下段「山田 太郎」
喪中用短冊
- 上段「御歳暮」/下段「山田 太郎」※無地短冊・水引なし
手順とNG集|5ステップで迷わない
手順1〜5(のし選定→表書き→名入れ→内外の判断→梱包)
- のし紙を用意(紅白蝶結び・サイズは箱に余白が出るもの)
- 上段中央に「御歳暮」と楷書で記入
- 下段中央に差出人名(個人はフルネーム、連名は右から)
- 用途で内のし/外のしを決定(配送=内、手渡し=外が目安)
- きれいに掛け、シワやずれを確認して梱包・発送
やりがちNG(避けたい書き方・選び方)
- ボールペンの細字で読みにくい
- 俗字・異体字を混用する(旧字は統一)
- 4名以上を無理に並べる(代表+他一同に)
- 会社名を名入れより大きく書く
- 配送なのに外のしで汚損



清潔感は「読みやすさ」と「配置バランス」に宿ります。最後に必ず全体を俯瞰しましょう。
よくある質問(FAQ)
お歳暮の表書きは「御歳暮」と「お歳暮」どちらが正しい?
どちらも一般的に用いられます。本文中の表記は統一しましょう。迷ったら「御歳暮」。
連名が5人以上になったらどう書けばいい?
代表者名を中央に書き、右下に小さく「他一同」。別紙や挨拶状で全員の氏名を記します。
夫婦別姓・事実婚のときの名入れは?
それぞれのフルネームを同じサイズで並列に。順序は右→左の目上順を目安に。
手渡しと配送、のしは内と外どちら?
配送は内のし、手渡しは外のしが目安。汚損防止と意図の伝わりやすさで使い分けます。
喪中の相手にお歳暮は失礼?
失礼には当たりませんが、のし飾りや華やかな水引は避け、無地短冊や奉書紙で控えめに。
時期を過ぎたら「御年賀」「寒中御見舞」「余寒御見舞」のどれ?
松の内までなら「御年賀」、立春前は「寒中御見舞」、立春後は「余寒御見舞」が目安です。
まとめ|今日のチェックリスト(保存版)
チェック項目10
- 表書きは「御歳暮」に統一した
- 水引は紅白蝶結びを選んだ
- 名入れは下段中央にフルネームで
- 連名は3名までに収めた
- 4名以上は代表+他一同に切り替え
- 配送は内のし、手渡しは外のし
- 宛名の敬称を誤っていない
- 会社名や部署の入れ方が整っている
- 時期を外したときは表記を切り替えた
- 最後に曲がり・汚れをチェックした
ミニ用語集
- 熨斗:祝意のしるしの飾り
- 水引:のし紙に掛ける紙紐
- 蝶結び:何度あっても良い意の結び方
- 松の内:門松を飾る期間の目安(地域差あり)



このチェックリストを保存しておけば、来年からは迷いません。実務は「手順化」がコツです。

