相手に失礼なく「急いでほしい」を伝えるには、言い換えと言い回しの精度がカギ。この記事は、新人でもそのままコピペできる件名と本文の置換テンプレを用意。初回→2回目→最終の段階設計や、社外/社内での言葉の強さの調整もひと目で分かります。
まず「催促」をやわらかく言い換える(強度マップ+件名OK/NG)
「催促」は直球だと角が立ちます。まずは強さを段階化し、「ご確認のお願い」「進捗の共有依頼」などやわらかい置換を軸に。社外/社内での距離感、件名のNG/OKまで早見表で整理します。
はじめに強度マップで語彙の幅を把握。つぎに社外と社内・上司でニュアンスを切り替え、最後に件名の安全策を確認しましょう。以下はすべてコピペOKです。
強度別・言い換えマップ(やわらかい→強め)
段階 | 件名の型 | 本文のキーフレーズ(先頭に置くと丁寧) |
---|---|---|
やわらかい | ご確認のお願い/進捗の共有のお願い | お手すきの際に/念のためのご連絡です/行き違いでしたらご容赦ください |
標準 | 期日再確認のお願い/対応ご相談 | 本日時点の状況をご教示ください/可能な目安をお知らせ頂けますと幸いです |
やや強め | ご対応のお願い(◯/◯締切) | 期日が近いため恐縮ですが/優先度をご調整いただけますでしょうか |
最終手前 | 最終のご案内(◯/◯まで) | 本メールをもちまして最終のご連絡です/難しい場合は理由をご共有ください |
チェック
- 直接「催促」「至急」は原則本文内でやわらかく表現
- 期日は件名に数字で入れると誤解が減る
- 1文は短く、依頼→期限→お願いの順で
社外向けの言い換え(取引先/顧客)※コピペ用
- 件名:
ご確認のお願い({案件名}/{期日:MM/DD})
- 本文:
{会社名} {部署名}の{氏名}です。
先日お送りした{資料/見積}について、念のためご確認のお願いです。
{期日:MM/DD}までにご対応可否をご共有いただけますと幸いです。
行き違いでしたらご容赦ください。
- 件名:
期日再確認のお願い({案件名})
- 本文:
お忙しいところ恐縮ですが、{項目}のご対応予定を本日時点でご教示ください。
可能な目安({期日候補})を頂ければ、社内調整いたします。
社内・上司向けの言い換え(同僚/上長)※コピペ用
- 件名:
{案件名} 進捗共有のお願い({期日:MM/DD})
- 本文:
失礼します。{案件名}の進捗を共有いただけますか。
{MM/DD}の社外共有に向け、必要であればこちらで下書きします。
目安のみでも助かります。
- 件名:
{タスク名} ご対応可否のご相談
- 本文:
本日中の完了が難しい場合、差し戻しや代替案をご指示ください。
可能なリスケ案({日時候補})を提示いただけると調整しやすいです。
件名NG/OK早見表(置換ガイド)
NG例 | 理由 | OK例(置換) |
---|---|---|
リマインド | カタカナ直球で強く感じる場合がある | ご確認のお願い/進捗の共有のお願い |
催促 | 受け手によって圧が強い | 期日再確認のお願い/ご対応のお願い |
至急 | 緊急度の根拠が不明 | (◯/◯まで)ご対応のお願い/本日中のご連絡のお願い |
重要 | 具体性がない | {要件}+({期日}) |
ミニメモ
- 件名は要件+期日、本文は配慮+依頼+期限+代替案を1〜3行で。
- 最後に**「行き違いでしたらご容赦ください」**を添えると衝突を避けやすい。
そのまま使える—初回→2回目→最終のコピペテンプレ
初回は“行き違い前提”でやわらかく、2回目で期日と要件を明確化、最終は次の手段を示して意思表示。以下は件名と本文が揃ったコピペ用テンプレ。{ }を差し替えればすぐ使えます。
まずは初回→2回目→最終の順で強めます。各段で件名に期日を入れると効果的。相手別・用途別の差し替え例も続けます。
初回テンプレ(行き違い前提・やんわり)
- 件名:
ご確認のお願い({案件名}/{期日:MM/DD})
- 本文:
{会社名}の{氏名}です。
先日お送りした{資料/見積/ご提案}について、念のためご確認のお願いです。
{期日:MM/DD}までにご対応可否をご共有いただけますと幸いです。
行き違いでしたらご容赦ください。
2回目テンプレ(期日明記・再送)
- 件名:
期日再確認のお願い({案件名}/{期日:MM/DD})
- 本文:
お忙しいところ恐れ入ります。{MM/DD}送付の件、再送いたします。
調整の都合上、{期日:MM/DD HH:mm}までに現状のみでもご共有願えますか。
難しい場合は目安時期({候補})をご教示ください。
最終テンプレ(期日+次の一手を明示)
- 件名:
最終のご案内({案件名}/{期日:MM/DD}まで)
- 本文:
本メールをもちまして最終のご連絡です。
{期日:MM/DD HH:mm}までにご返信が難しい場合、確認のため{翌営業日}にお電話差し上げます。
進め方にご希望があれば、本日中にお知らせください。
用途別:納期/見積/資料/日程調整(差し替え例)
納期
{製品/成果物}の納期目安を{MM/DD}までにご共有いただけますか。
部分納品や代替案があれば前向きに検討します。
見積
{品目/範囲}のお見積書の送付時期について、{MM/DD}目安で問題ありませんか。
急ぎの場合の概算でも助かります。
資料
{会議名}で使用するため、{資料名}の最新版の共有をお願いします。
受領後、こちらで体裁調整します。
日程調整
{打合せ名}の候補を{MM/DD〜MM/DD}で2–3点いただけますか。
オンライン/対面いずれも対応可能です。
用途別:未入金・請求(注意文言つき・丁寧)
初回(確認ベース)
{請求書番号}({金額:¥#,###}/支払期日:{MM/DD})の件、念のためご確認のお願いです。
すでにお手続き済みでしたら本連絡は行き違いとしてご放念ください。
2回目(期日と方法を明記)
上記請求につき、{期日:MM/DD}までのご入金またはお振込予定のご共有をお願いできますか。
振込先:{銀行名/口座}。ご都合が悪い場合は分割等のご相談も可能です。
最終(次の一手を静かに明示)
誠に恐縮ですが、{期日:MM/DD}までにご連絡がない場合、契約に基づき社内規程に沿って対応を進めます。
まずはお電話で状況を確認させてください。
送る前チェック(ミニ)
- 件名=要件+期日/本文=配慮→依頼→期限→代替案
- 固有名詞・金額・日時の誤記なし
- 「行き違いでしたらご容赦ください」を添えて角を丸く
「リマインド」「督促」との違い・失礼にならない線引き
「リマインド」は注意喚起、「催促」は行動の依頼、「督促」は履行を強く求める語。相手と状況で強さを選び、件名と本文を言い換えて角を立てない。境界線とNG表現、最終連絡の型まで示します。
混同するとトーンミスが起きます。まずは用語の意味と強度を整理。次に社外/社内の使い分け、避けたい言い回し、法務・コンプラ上の注意をチェックリスト化します。
用語の違い(意味・ニュアンス・場面)
用語 | 目的 | 典型場面 | 件名の型 | 本文の核 |
---|---|---|---|---|
リマインド | 思い出してもらう | 期日前の注意喚起 | ご確認のお願い | 「念のためのご連絡です」 |
催促 | 行動を依頼する | 期日が近い/過ぎた | 期日再確認のお願い | 「本日時点の状況をご教示ください」 |
督促 | 履行を強く求める | 未入金/契約履行 | 最終のご案内(◯/◯まで) | 「規程に沿って対応します」 |
強さの段階と使い分け(社外/社内)
- 社外:リマインド→催促→(必要時のみ)督促。各段で期日と理由を必ず明記。
- 社内:催促語を和らげ、「共有」「ご相談」を多用。上長には代替案を添える。
- 強めるトリガー:①合意した期日の超過 ②業務影響が顕在化 ③再送後も無反応 ④契約・SLA根拠あり。
避けたい表現と代替フレーズ(置換早見)
NG | 代替 |
---|---|
「催促です」 | 「ご確認のお願いです」 |
「至急対応してください」 | 「◯/◯までのご対応をお願いできますか」 |
「今すぐお願いします」 | 「本日中に可否のみでもご共有いただけますか」 |
「何度も送っています」 | 「重ねてのご連絡で恐縮ですが」 |
「責任をもって対応を」 | 「優先度のご調整をご相談させてください」 |
「放置されています」 | 「行き違いでしたらご容赦ください」 |
法務・コンプラ観点(記録・表現の限界)
- 威圧/脅迫に読める文言(「法的措置」等)の安易な示唆は避ける。判断は社内規程に従う。
- 記録:件名統一、送受信日時、再送履歴、電話メモを残す。
- 最終の型(丁寧)
本メールをもちまして最終のご案内です。
◯/◯までにご連絡が難しい場合、契約/規程に基づき所定の手続きに移ります。
ご事情があれば本日中にご相談ください。
判断チェック
- 要件に期日と理由があるか/代替案・連絡手段を示せているか/感情語を避けているか。
返信がない時の次の一手(電話/チャット/SMSの切替基準)
待つだけは非効率。何営業日待つ→何をするを明確にします。社外/社内で待機目安を変え、再送・電話・チャットの順で強める。短い電話スクリプトと記録のコツ、エスカレーション手順まで“箱化”しました。
行動の遅れは“見落とし/優先度不足/判断停滞”が原因。段階ごとに期日と選択肢を示し、チャネルを切り替えましょう。以下はコピペ可の実務テンプレです。
待機目安と切替基準(○営業日の指針)
社外
- 初回送信 → 2営業日待ち → 未返信なら「再送(期日明記)」
- 2回目送信 → 1営業日待ち → 期限前日午前に短文再送
- 期限超過 or 最終送信 → 翌営業日午前に電話 → つながらなければチャット/SMSで要点
社内 - 初回 → 1営業日待ち → チャットで要点共有
- 2回目 → 半日待ち → 内線/電話で可否確認
短文再送(件名そのまま)
リマインド失礼します。{期日}までに可否のみでもご共有いただけますか。
電話スクリプト・話し出しテンプレ
(名乗り){会社/部署/氏名}です。
(要件){案件名}の{資料/見積/日程}について、メールを2通お送りしています。
(期日){MM/DD HH:mm}が目安のため、状況を短く伺えますか。
(選択肢)可能時期/代替案(部分対応/リスケ)いずれが現実的でしょうか。
(フォロー)決まった内容は私から要点をメールで共有します。
ワンポイント:相手の事情→選択肢提示→合意の順。結論だけ復唱して切る。
記録・再送の手順とエスカレーション
- 記録:送受信日時/件名/要点/決定事項を1行メモで残す
- 再送:同スレッドで「再送」「最終のご案内」を先頭1行に明記
- 切替:電話→つながらない→チャット/SMSで要点+折返し依頼
- エスカレーション:
- 最終メール送付
- 翌営業日午前に電話
- 社内共有(上長/関係者)
- 影響範囲と代替案を文面で可視化
よくある質問(FAQ)
新人がつまずく定番疑問に即答します。件名「リマインド」は失礼?「至急」は言い換える?何日待つ?CC/BCCや送信時間のマナー、英語の自然な表現まで、そのまま使える短文テンプレで解決します。
回答は最短の結論→理由→コピペ例の順。迷ったら例文を貼って即送れる設計です。
件名に「リマインド」は失礼?
- 結論:避けるのが無難。日本語で用件+期日が安全。
- OK例(置換):
ご確認のお願い({案件名}/{MM/DD})
期日再確認のお願い({案件名})
- 理由:カタカナ直球は強く響くことがあるため。
「至急」のやわらかい言い換えは?
- 置換候補:
本日中のご対応のお願い
{MM/DD HH:mm}までにご返信いただけますか
急ぎのご相談です(理由:{納期前日 等})
- コツ:期限+理由を明示すれば圧が下がる。
返信がない時は何日待つ?
- 目安:
- 社外:初回後2営業日→再送/再送後1営業日→短文再送/最終後翌営業日→電話
- 社内:初回1営業日→チャット/再送後半日→電話
- 短文再送:
重ねてのご連絡失礼します。{期日}までに可否のみでもご共有いただけますか。
BCC/CCの適切な使い分けは?
- To=主担当、CC=情報共有、BCC=一斉配信/外部向け。
- 注意:社内での隠しBCCは避ける。誤送信防止に宛先は最後に入力。
土日・夜間の送信はマナー違反?
- 原則:就業時間内が基本。やむを得ない場合は予約送信。
- 緊急時:
件名:至急のご相談(理由:{障害/納期 等})
本文:深夜のご連絡失礼します。{理由}のため、本日中に可否のみご共有願えますか。
英文メールでの自然な表現は?
- 件名:
Follow-up on {topic} (due {MM/DD})
Gentle reminder: {topic}
- 本文1行テンプレ:
Could you share a quick update by {MM/DD HH:mm}? If difficult, a rough timeline is fine.
英文メールの言い換え(gentle reminder / follow up)
英語でも角を立てない催促は gentle reminder / follow-up を軸に。件名は用件+期日、本文は前置き→要件→期限→代替案→礼の型で整えます。すぐ貼れる1〜3行テンプレをシーン別に用意しました。
直訳は強く響きがち。丁寧+具体で締め切りを示し、相手が返しやすい選択肢を添えます。以下はそのままコピペOKです。
件名の型(安全運転)
Follow-up on {topic} (due {MM/DD})
Quick check on {topic}
Action requested by {MM/DD}
Re: {original subject}
(同スレ継続時)
本文の型(前置き/要件/期限/締め)
Hi {Name},
Just a quick follow-up on {topic}.
Could you share a brief update by {MM/DD HH:mm}?
If difficult, a rough timeline is fine. Thank you!
(If my message has crossed with yours, please disregard.)
シーン別短文:納期/資料/日程/未入金
- 納期 / Deliverable
Could you let me know the expected delivery for {item} by {MM/DD}?
Partial delivery is also acceptable.
- 資料 / Attachment
Could you share the latest {document} today?
I can adjust the format on my side.
- 日程 / Scheduling
Would {Thu 10–11 or Fri 15–16 JST} work?
Online or in-person—either works for us.
- 未入金 / Payment(やわらかめ→やや強め)
According to our records, invoice #{id} (due {MM/DD}) seems outstanding.
Could you advise the payment schedule?
This will be our final reminder.
If we don’t hear back by {MM/DD HH:mm}, we will proceed per our policy.
Please let us know if any issues.
NG直訳と自然な代替
NG直訳 | 自然な代替 |
---|---|
I urge you to reply. | Could you share a quick update? |
ASAP please. | by {MM/DD HH:mm}, if possible |
I’m reminding you. | Just a gentle reminder on {topic} |
You must respond. | We’d appreciate your response by {time}. |
Why haven’t you replied? | If easier, a rough estimate is fine. |
クッション手札
- When you have a moment/At your convenience/Apologies for the short notice
- If already handled, please disregard./Thanks in advance for your help.
使い回せる置換パーツ集(前置き/本文/締め)
一文ごとに差し替えられる前置き/本文核/締めの定型をまとめました。強弱や社内外の距離感に合わせてコピペで入れ替えるだけ。最後にミニ辞書と送信前チェックも付け、迷わず時短で整えます。
ここからは“パーツ化”。文章を丸ごと作るのではなく、前置き→要件→期日→代替案→締めの各所に差し込むだけで、丁寧かつ具体のトーンに仕上がります。
前置きの置換(クッション言葉)※先頭1行で効く
- 「お手すきの際に、ご確認のお願いです。」
- 「念のためのご連絡です。先日の{件名}について—」
- 「重ねてのご連絡で恐縮ですが、」
- 「差し支えなければ、{項目}の件につき、」
- 「お忙しいところ恐れ入りますが、」
本文核の置換(依頼/進捗/再送)
- 依頼:
- 「{期日}までにご対応可否をご共有いただけますか。」
- 「優先度のご調整をご相談させてください。」
- 進捗照会:
- 「本日時点の状況をご教示いただけますと幸いです。」
- 「目安だけでも問題ありません。」
- 再送:
- 「{送付日}にお送りした内容を再送いたします。」
- 「行き違いでしたら本連絡はご放念ください。」
締めの置換(お礼/猶予/フォロー)
- お礼:「ご多用のところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。」
- 猶予:「難しい場合は、可能な時期をご提示いただければ調整します。」
- フォロー:「決まり次第、要点を私から共有いたします。」
- 配慮:「行き違いでしたらご容赦ください。」
件名・一行差し替えキット(安全運転)
- 件名:
ご確認のお願い({案件名}/{MM/DD})
/期日再確認のお願い({案件名})
- 一行追記:
— {MM/DD HH:mm}までに可否のみでもご共有いただけますか。
そのまま差し替え用ミニ辞書(強→やわらか)
置き換え前 | 置き換え後 |
---|---|
催促 | ご確認のお願い/期日再確認のお願い |
至急 | {期日}までのご対応のお願い |
対応してください | ご対応可否をご共有いただけますか |
早く返信を | 本日中に可否のみでもご共有いただけますか |
できませんか? | 難しい場合は目安のみでも問題ありません |
失念されています | 行き違いでしたらご容赦ください |
送信前チェック(□=OKならチェック)
- 要件は1行目で明確/□ 期日と理由がある
- 代替案(目安/部分対応/リスケ)を示した
- 固有名詞・金額・日時に誤りなし
- 件名は要件+期日/本文末に配慮表現あり
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