「メールの送信ボタンを押す直前、手が止まってしまった……」 「上司への返信、ご教示でいいの? それともご教授?」
そんな経験はありませんか? パソコンやスマホで変換すると両方出てくるこの2つの言葉。一見似ていますが、実は意味も使う相手もまったく違うんです。
もし間違って使ってしまうと、「この人は言葉を知らないな」と思われたり、場合によっては「大げさすぎて失礼」と受け取られたりすることも……。
でも、安心してください! この記事を読めば、もう迷うことはありません。
- 1秒で違いがわかる「比較表」
- そのままコピペして使える「メール例文」
- スマートな「言い換え表現」
これらを、コトバノモリ編集部がわかりやすく解説します。 今日から自信を持って、「送信」ボタンを押せるようになりましょう!
1分で解決!「ご教示」と「ご教授」の決定的な違い【比較表あり】
まずは結論からお伝えします。 この2つの言葉、漢字の意味を分解すると違いがハッキリ見えてきます。
一目でわかる!使い分け早見表
忙しい方のために、違いをパッと比較できる表を作りました。
| 項目 | ご教示(ごきょうじ) | ご教授(ごきょうじゅ) |
|---|---|---|
| 意味 | 方法・手段・予定を教えること | 専門的な学問・知識・芸事を教えること |
| イメージ | **「How to(やり方)」**を聞く | **「Study(学問)」**を授かる |
| 期間 | その場限り、短期間 | 長期間、継続的 |
| ビジネス頻度 | ★非常によく使う(9割これ) | ★めったに使わない(特別な時だけ) |
| 使い方の例 | 「書類の書き方をご教示ください」 | 「長年の研究成果をご教授ください」 |



ビジネスメールで迷ったら、まずは「ご教示」を選べば90%以上の確率で正解です。「ご教授」を使うシチュエーションは、実はかなり限られているんですよ。
ズバリ結論!迷ったら「ご教示」を使えば9割正解
ビジネスシーンで私たちが誰かに何かを聞きたい時って、どんな時でしょうか?
- 「会議の日程を知りたい」
- 「資料の作成手順を教えてほしい」
- 「ツールの使い方がわからない」
このように、「業務上の具体的な情報・手段・スケジュール」を聞くケースがほとんどですよね。 こうした「知ればすぐに解決すること(InformationやHow to)」を聞く場合は、すべて「ご教示」を使います。
上司、先輩、取引先など、相手が誰であっても、日常業務のやり取りなら「ご教示」を使っておけば間違いありません。
「ご教授」は「弟子入り」のイメージ?
一方の「ご教授」は、「教授(Professor)」という言葉が入っている通り、もっと重みがあります。
- 大学の先生に、専門分野の講義をお願いする
- 師匠に、芸術や武道の奥義を教わる
- その道のプロに、長年のノウハウをすべて伝授してもらう
イメージとしては「弟子入りして、時間をかけて深く学ぶ」ような感覚です。 そのため、単に「会議室の場所を教えてほしい」という時に「ご教授ください」と言うと、相手は「えっ、場所を教えるのにそんな大層な……?」と恐縮したり、違和感を覚えたりしてしまいます。
ビジネスの鉄板!「ご教示」の意味と正しい使い方
ここからは、ビジネスで最も出番の多い「ご教示」について、さらに詳しく見ていきましょう。
「ご教示」=「方法・手段・スケジュール」を知りたい時
「教示(きょうじ)」という言葉には、「知識や方法を教え示す」という意味があります。 もっと噛み砕いて言うと、「やり方や段取りを、さっと教えてね」というニュアンスです。
具体的には、以下のような「答えが明確なもの」を聞く時に使います。
- 手順・方法(申請書の書き方、ソフトの操作方法)
- 日程・スケジュール(会議の候補日、締め切り日)
- 場所・宛先(送付先の住所、会場の場所)
- 状況・可否(在庫の有無、参加できるかどうか)
これらはすべて、相手がパッと答えてくれれば解決することばかりですよね。こういう時は迷わず「ご教示」です。
【コピペOK】そのまま使える「ご教示」のメール例文集
それでは、実際にメールでそのまま使えるフレーズをご紹介します。状況に合わせて使い分けてみてください。
パターン1:上司にスケジュールを確認したい時
次回の定例会議につきまして、〇〇課長のご都合の良い日時をご教示いただけますでしょうか。
パターン2:取引先に不明点を確認したい時
お送りいただいた見積書の項目について、詳細をご教示願えますでしょうか。
パターン3:操作方法を聞きたい時
新しい管理システムの登録手順について、ご教示いただけますと幸いです。
パターン4:より丁寧に頼みたい時(依頼)
お忙しいところ恐縮ですが、申請の流れについてご教示賜りますようお願い申し上げます。
編集部アドバイス:話し言葉では使わないので注意!
ここで一つ、大切な注意点があります。 「ご教示」は、基本的に「書き言葉(メールや手紙)」で使う言葉です。
口頭での会話で「部長、この件についてご教示ください!」と言うと、少し堅苦しすぎて、相手によっては「マニュアル人間っぽいな」と感じさせてしまうことも。
会話の中では、以下のように言い換えるのがスマートです。
- × 口頭で:「ご教示いただけますか?」
- 〇 口頭で:「教えていただけますか?」「ご指導いただけますか?」



編集部からの失敗談 新人の頃、電話口でつい「詳細をご教示ください!」と言ってしまい、先輩から「電話なら『教えてください』でいいんだよ、ロボットみたいだよ(笑)」と突っ込まれたことがあります。 「メールならご教示、電話・対面なら教えて」と覚えておきましょう!
ここぞという時に!「ご教授」の意味と正しい使い方
普段はあまり使わない「ご教授」ですが、ここぞという時には絶大な効果を発揮します。正しく使えば、「あなたを尊敬して学びたいのです」という熱意を伝えることができますよ。
「ご教授」=「専門知識・学問」を深く学びたい時
「教授(きょうじゅ)」は、「学問や芸事を教え授けること」という意味です。 ポイントは、「時間をかけて継続的に学ぶ」というニュアンスが含まれることです。
- 専門家や研究者に教えを乞うとき
- 芸術や技術の指導をお願いするとき
- 人生の師と仰ぐ人に教わるとき
こういった、相手への深いリスペクトを込めて「教えを授かりたい」という場面で使います。
【コピペOK】熱意が伝わる「ご教授」のメール例文集
パターン1:専門家への講演依頼
先生の〇〇分野における長年の知見を、ぜひ弊社社員にもご教授いただきたく存じます。
パターン2:技術指導のお願い
本プロジェクトにおいて、〇〇様の高度な技術をご教授いただけないでしょうか。
パターン3:大先輩への相談
今後のキャリアについて、〇〇先輩のお考えをご教授いただけますと幸いです。
要注意!こんな時に「ご教授」を使うと大げさです
× 「会議室の場所をご教授ください」 → 場所は学問ではありません。「ご教示」を使いましょう。
× 「見積もりの出し方をご教授ください」 → 業務手順なので、これも「ご教示」が適切です。
どっちを使う?シチュエーション別・使い分けクイズ
ここまで読んでも「まだ不安……」という方のために、よくある場面でのクイズを用意しました。 直感で答えてみてください!
ケース1:上司に「資料の作り方」を聞きたい時
Q. 「課長、この報告書のフォーマットを( )ください。」
- 正解:ご教示
- 解説: 資料の作り方は「業務の手順(How to)」なので、ご教示を使います。
ケース2:大学教授に「研究データの分析手法」を聞きたい時
Q. 「先生の論文で用いられている分析手法について、( )いただきたく存じます。」
- 正解:ご教授
- 解説: 専門的な学問知識を聞く場面であり、相手が「教授」でもあるため、ここでは敬意を込めて「ご教授」を使うのがベストです。ただし、単なるデータ入力の手順を聞くだけなら「ご教示」でも構いません。
ケース3:取引先に「担当者の連絡先」を聞きたい時
Q. 「後任のご担当者様の連絡先を( )いただけますか。」
- 正解:ご教示
- 解説: 連絡先は「情報」です。もっと柔らかく「お知らせいただけますか」と言い換えるのも良いでしょう。
ケース4:異動する上司に「今後もよろしくお願いします」と言う時
Q. 「新しい部署でも、変わらぬ( )をお願い申し上げます。」
- 正解:ご指導ご鞭撻(べんたつ)
- 解説: ここは少し変化球! 挨拶の定型句として「ご指導」がよく使われます。「教え導いてください」という意味ですね。
「ご指導」「ご指南」…似ている言葉との使い分けと「言い換え」
「ご教示」「ご教授」以外にも、似たような言葉がたくさんありますよね。 これらも使い分けられると、表現の幅がグッと広がります。
「ご指導」は「育成」や「長期的なアドバイス」
「指導」は、目指すべき方向へ教え導くこと。 上司や恩師に対して、「自分を成長させてください」というニュアンスで使います。
- よく使うフレーズ: 「今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。」
- ※「ご鞭撻」は「努力するように励ます」という意味です。セットで使うのがビジネスの定番です。
「ご指南」は「武道・芸事」の教え
「指南(しなん)」は、剣道やお茶、お花などの「芸事」を教える時に使います。 ビジネスで「営業のコツをご指南ください」と言うと、少し古風でドラマチックな響きになります。親しい間柄なら冗談めかして使えますが、公式な場では避けたほうが無難です。
もっと柔らかく伝えたい時の「言い換え」表現
「ご教示」はとても便利な言葉ですが、少し堅い印象を与えることもあります。 相手との関係性によっては、もっと柔らかい言葉に言い換えてみましょう。
- お教えいただけますか(一番自然で使いやすい)
- ご一報ください(知らせてほしい時)
- ご案内いただけますか(場所や手順を聞く時)
- お知らせください(情報を知りたい時)
失礼にならない?「ご教示ください」の注意点とマナー
最後に、実際にメールを送る際のマナーを確認しておきましょう。
「ください」は命令形?目上の人への正しい語尾
「ご教示ください」は決して間違いではありませんが、「ください」は文法的に「命令形」の丁寧語にあたります。 相手によっては「指示された」と感じる場合もあるため、目上の人には「依頼形」や「クッション言葉」を使うのがベターです。
- 基本: ご教示ください。
- 丁寧: ご教示願えますでしょうか。
- 丁寧: ご教示いただけますと幸いです。
- 最上級: ご教示賜りますようお願い申し上げます。
二重敬語に注意!「ご教示になられる」はNG
丁寧に言おうとして、敬語を重ねすぎてしまうのはよくあるミスです。
- × ご教示になられる
- 「ご~になる(尊敬語)」+「れる(尊敬語)」で二重敬語です。
- × ご教示していただく
- 「ご教示」自体に相手への敬意が含まれているため、シンプルに「ご教示いただく」でOKですが、「ご教示くださる」の方がより自然です。
よくある質問(FAQ)
Q. 「ご教示」と「ご教授」、読み方は?
A. 「ご教示」は「ごきょうじ」、「ご教授」は「ごきょうじゅ」です。
Q. 「ご教示」と「ご指導」を併記してもいいですか?
A. はい、大丈夫です。「ご指導ご教示」と並べると、「心構え(指導)も、具体的なやり方(教示)も両方教えてください」という非常に丁寧な依頼になります。
Q. 英語で表現するとどうなりますか?
A. 「ご教示(具体的なこと)」は “tell me” や “let me know”、「ご教授(専門的なこと)」は “educate” や “lecture” が近いです。ただ、英語のビジネスメールでは “Could you please let me know…?”(教えていただけますか?)でどちらもカバーできることが多いです。
まとめ
いかがでしたか? 最後に、この記事のポイントを3つでおさらいしましょう。
- 仕事のやり方やスケジュールを聞くなら「ご教示」(9割はコレ!)。
- 専門的な学問や知識を深く乞うなら「ご教授」。
- 会話では使わず、メールや文章の中で使う。
言葉の使い分けは、単なるマナーテストではありません。「相手の立場や時間を尊重する思いやり」の表れです。
「手順だけサクッと知りたいから、ご教示」 「先生の知識を深く尊敬しているから、ご教授」
そんなふうに、相手への気持ちを言葉に乗せてみてください。 きっと、あなたの誠実さは相手に伝わるはずです。
さあ、自信を持ってメールを送りましょう!

