「取引先の担当者が入院されたと聞いたけれど、どんなメールを送ればいい?」 「友人が自然災害に遭ってしまった。LINEで声をかけたいけれど、失礼にならないかな…」
急な知らせを聞いて、相手を心配する気持ちはあるのに、どんな言葉をかければいいのか迷ってしまうことはありませんか? 特に、病気や災害といったデリケートな場面では、「マナー違反をして相手を傷つけたくない」と不安になりますよね。
でも、大丈夫です。お見舞いで一番大切なのは、「あなたのことを心配しています」という温かい心を伝えること。形式にとらわれすぎて連絡をためらうよりも、相手の状況に合わせた言葉を選んで、そっと寄り添うことが何よりの励ましになります。
この記事では、編集者として言葉に向き合ってきた私が、以下のポイントを分かりやすく解説します。
- そのまま使える! 相手別・シーン別の「お見舞い文例」(メール・LINE・手紙)
- これだけは避けて! 知らないと怖い「忌み言葉(NGワード)」
- 相手の負担にならない 「返信不要」の気遣いテクニック
言葉の力を借りて、大切な相手へ思いやりのバトンを渡しましょう。
まずは基本を確認!「お見舞い申し上げます」の意味とマナー
具体的な文例を見る前に、まずは「お見舞い」の基本をサクッとおさらいしましょう。ここを知っておくだけで、相手に与える安心感がぐっと変わりますよ。
「お見舞い申し上げます」が使えるシーンとは?
「お見舞い」と聞くと、病気や怪我で入院している人にかける言葉、というイメージが強いかもしれません。でも実は、もっと広い意味で使える便利な言葉なんです。
- 病気・怪我(入院、自宅療養、手術など)
- 自然災害(地震、台風、大雨、浸水など)
- 事故・火災
つまり、「予期せぬトラブルや災難に遭った相手に対して、慰めや励ましの気持ちを伝える挨拶」全般に使えます。 「大変でしたね」「心配しています」という気持ちを、大人のマナーとして丁寧に表現したのが「お見舞い申し上げます」なんですね。
絶対に避けたい!お見舞いの「忌み言葉(NGワード)」一覧
お見舞いのメッセージを送る時、もっとも気をつけたいのが「忌み言葉(いみことば)」です。 これらは、無意識に使ってしまいがちですが、相手に「不幸が続くこと」や「悪い予感」を連想させてしまうため、マナー違反とされています。
チェックリストを見て、うっかり使っていないか確認しましょう!
| 種類 | 具体的なNGワード | なぜダメなの?(理由) |
|---|---|---|
| 不幸を連想させる言葉 | 死ぬ、苦しむ、終わる、落ちる、消える、四(死)、九(苦) | ネガティブなイメージを直接連想させてしまうため。 |
| 重ね言葉 | 重ね重ね、たびたび、次々、またまた、くれぐれも、再び | 「言葉が重なる=悪いことが繰り返される」と連想させるため。 |
| 長期化を連想させる言葉 | 長引く、長い、根付く(寝付く) | 病気や災難がいつまでも続くような印象を与えるため。 |
| プレッシャーになる言葉 | 頑張ってください | 「これ以上どう頑張ればいいの?」と相手を追い詰めてしまう可能性があります。 |
【編集部からのワンポイント】 特に注意したいのが「頑張ってください」です。元気な時に言われると嬉しい言葉ですが、心身が弱っている時には「早く治さないといけない」というプレッシャーになることも。 代わりに、「どうぞお大事になさってください」「心より回復をお祈りしております」「ゆっくり休んでくださいね」といった、相手を労わる(いたわる)言葉を選びましょう。
送る手段の選び方(メール・LINE・手紙・電報)
「メールだと失礼かな? やっぱり手紙?」と迷うこともあるでしょう。 最近では、相手の負担を減らすためにも、まずはメールやLINEなどの連絡ツールで伝えるのが一般的になっています。
- メール / チャットツール(Slackなど):
- おすすめ! ビジネスや友人関係など幅広くOK。相手が自分のタイミングで読めるため、負担が少ないのがメリットです。
- LINE:
- 親しい友人や家族、仲の良い同僚向け。スタンプを添えるなど、温かみを出しやすいツールです。
- 手紙・ハガキ:
- 目上の方や、少し改まった関係の場合。または、メールを送った後、回復期に入ってから改めて送ると非常に丁寧です。
- 電話:
- 基本的には避けたほうが無難です。 相手が療養中や片付けに追われている場合、電話に出ること自体が負担になるからです。緊急時以外は控えましょう。
【ビジネス編】上司・取引先へ送るお見舞いメール文例
ビジネスシーンでは、マナーを守りつつも、「仕事のことは気にしないでください」という安心感を与えることが最大の目的です。 そのまま使える文例を用意しましたので、状況に合わせてアレンジしてみてください。
社外・取引先へ送る場合
取引先の方が入院されたり、災害に遭われたりした場合、まずは「驚き」と「心配」を伝えつつ、業務上の配慮を示します。
文例:取引先担当者へ(病気・怪我)
件名:【お見舞い】〇〇株式会社 △△(自分の氏名)より
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。 株式会社〇〇の△△でございます。
このたび、〇〇様がご入院されたと伺い、大変驚いております。 その後、お加減はいかがでしょうか。
日頃、精力的にお仕事をされていた〇〇様ですから、ご心労も多いこととお察しいたします。
現在進行中のプロジェクトにつきましては、弊社側でも可能な限り調整いたします。 どうかお仕事のことはご放念(ほうねん)いただき、今は治療に専念なさってください。
本来であればすぐにもお見舞いに伺いたいところではございますが、今はご迷惑になってはいけませんので、メールにて失礼いたします。
一日も早いご回復を、心よりお祈り申し上げます。
(署名)
ここがポイント!
- 「ご放念ください」: 「気にしないでください・忘れてください」の丁寧語。仕事の心配を取り除く魔法の言葉です。
- 「メールにて失礼いたします」: 本来はお見舞いに行くべきところを、略儀(メール)で済ませるお詫びを一言添えるとスマートです。
上司・先輩へ送る場合
直属の上司や先輩へのメールは、敬意を払いながらも、留守中の現場は大丈夫だと伝えることが大切です。
文例:上司へ(入院・療養)
件名:お見舞い申し上げます(氏名)
〇〇部長
お疲れ様です、〇〇(自分の名字)です。
このたびは急なご入院とのことで、心よりお見舞い申し上げます。 その後のお加減はいかがでしょうか。
部署内の業務につきましては、メンバー一同で協力して進めております。 何か緊急の案件があれば、〇〇課長代理と相談して対応いたしますので、どうぞご安心ください。
部長の元気なお姿を拝見できる日を楽しみにしておりますが、まずは焦らず、十分にご養生なさってください。
なお、ご返信には及びませんので、どうかお気遣いなさいませんようお願いいたします。
(署名)
ここがポイント!
- 「ご自愛」より「ご養生」: 「ご自愛ください」は「病気にならないように気をつけて」という意味が含まれるため、すでに病気の人には「ご養生なさってください(治療に専念して体を休めてください)」を使うのがベターです。
同僚・部下へ送る場合
普段顔を合わせている同僚や部下には、あまり堅苦しくなりすぎず、温かい言葉で励ましましょう。
文例:同僚へ
件名:お大事にしてね!
〇〇さん
お疲れ様です。〇〇です。 体調を崩されたと聞いて心配しています。具合はどうかな?
〇〇さんの担当分は、チームのみんなでカバーしているから全く心配しないでね。
今は仕事のことは忘れて、とにかくゆっくり休んでください。 〇〇さんが元気に戻ってくるのを待ってるよ!
返信は不要だから、スマホも置いてゆっくり寝てね。 お大事に。
(署名)
【編集部からのワンポイント:返信不要の気遣い】 どんな相手であっても、文末には「なお、ご返信は無用です」「返信はお気遣いなく」と一言添えましょう。 相手は体調が悪い中、「返信しなきゃ…」とスマホを見るのも辛いかもしれません。この一言があるだけで、相手の精神的な負担を大きく減らすことができますよ。
【プライベート編】友人・親戚へ送るLINE・手紙の文例
親しい間柄であっても、「親しき仲にも礼儀あり」です。特にLINEやメールで送る場合は、スタンプなどを活用しつつも、相手を思いやる「一言」を添えるのがポイントです。
親しい友人へ(LINE・メール)
LINEの場合、長文を送ると読むのが負担になることがあります。短めのメッセージと、いたわりのスタンプ1つくらいがベストバランスです。
文例:LINEで送る場合
〇〇ちゃん、入院したって聞いてビックリしたよ! 具合はどうかな?辛い時は無理しないでね。
落ち着いたらまたご飯行こう! 返信はしなくて大丈夫だから、とにかくゆっくり休んでね🍀
ここがポイント!
- 「既読スルーでOK」の空気を作る: 「返信不要」と書くだけでなく、「既読がついただけでも安心するからね」と伝えると、相手は気が楽になります。
親戚・知人へ(手紙・メール)
少し距離感のある親戚や知人には、自分だけでなく「家族も心配している」と伝えることで、より温かみが増します。
文例:親戚のおじさん・おばさんへ
〇〇おじ様
寒暖差の激しい折、いかがお過ごしでしょうか。 母から、おじ様が体調を崩されたと聞き、大変驚いております。
その後、お加減はいかがですか。 普段からお忙しいおじ様ですから、この機会に十分にご養生なさってください。
一日も早くお元気になられるよう、家族一同心よりお祈り申し上げます。 (署名)
【ケース別】コロナ・インフルエンザ・メンタル不調
現代ならではの状況に応じた、相手に寄り添う一言を紹介します。
コロナ・インフルエンザなど(自宅療養)の場合
感染症での自宅療養は、買い出しに行けず困っている場合があります。
「体調はどう?もし買い物に行けなくて困ってたら、スポーツドリンクやゼリーを買ってドアノブにかけておくから、遠慮なく言ってね!」
メンタル不調(休職など)の場合
「原因を聞かない」「励まさない」のが鉄則です。
「最近忙しかったと思うから、今はゆっくり心と体を休める期間にしてね。 また〇〇さんとお話しできるのを待ってるから、焦らなくて大丈夫だよ。」
【災害・事故編】台風・地震・火災のお見舞い文例
予期せぬ災害や事故は、相手もパニック状態にあることが多いです。まずは「安否確認」を最優先し、返信を求めない配慮が必要です。
自然災害(台風・地震・水害)のお見舞い
被害の規模がわからない段階では、相手の無事を祈る言葉を中心にします。
文例:友人・知人へ
地震のニュースを見て連絡しました。 〇〇さんの地域がかなり揺れたと聞いて心配しています。 怪我などはありませんか?
まだ余震が続くかもしれないので、身の安全を第一にしてください。 返信は落ち着いてからで大丈夫です。 ご無事を祈っています。
文例:取引先へ
件名:地震による被害のお見舞い申し上げます(株式会社〇〇 氏名)
株式会社〇〇 〇〇様
いつも大変お世話になっております。 このたびの地震におきまして、貴社の地域で大きな被害が出ていると報じられており、大変案じております。
皆様ご無事であればよいのですが、被害が軽微であることを心よりお祈り申し上げます。
弊社でお役に立てることがございましたら、遠慮なくお申し付けください。 まずはメールにて、心よりお見舞い申し上げます。
火災・事故のお見舞い
火事や交通事故などは、相手のショックが大きいため、かける言葉が見つからないこともあります。そんな時は正直に「言葉が見つからない」と伝えるのも一つの誠意です。
文例:事故に遭った知人へ
突然の事故の知らせを聞き、言葉を失っております。 〇〇様のお怪我の具合はいかがでしょうか。
一日も早いご回復をお祈りするばかりです。 何か私にできることがあれば、いつでもご連絡ください。
お見舞いの品や封筒のマナー(Q&A形式)
「言葉だけでなく、何か送りたい」と思った時、さらに迷うのがお見舞いの品とお金のルールです。
Q1. お見舞金(現金)は渡してもいいの?
A. 目上の人には避けましょう。 現金を渡す行為は「これで生活の足しにしてください」という意味にも取れるため、目上の人に対しては失礼にあたるとされています。 目上の人には、現金ではなく「お見舞いの品(タオルや日持ちするお菓子、カタログギフトなど)」を渡すのが無難です。 ※親戚間や、会社の慶弔規定で決まっている場合は問題ありません。
Q2. のし袋(金封)の書き方と選び方は?
お見舞いは「二度と繰り返したくないこと」なので、「紅白の結び切り」の水引(みずひき)を選びます。
- 水引: 紅白の結び切り(蝶結びは「何度あっても良い」意味になるのでNG!)
- のし飾り: 右上の「のし(あわび)」はついていないものを選びます(のしは慶事用のため)。
- 表書き: 「御見舞」または「祈 御全快」
Q3. 送るタイミングはいつがベスト?
A. 入院・災害の直後は避けましょう。 直後は手続きや片付けでバタバタしています。また、手術の前なども相手の気が立っている可能性があります。 「少し落ち着いた頃(入院・被災から数日〜1週間後)」、または「回復期に入ってから」送るのがベストです。
よくある質問(FAQ)
Q. お見舞いメールをもらったら、返信はどうすればいい?
A. 体調が落ち着いてからでOKです。 基本的には3日以内が目安ですが、辛い時は無理をする必要はありません。遅れてしまった場合は、「返信が遅くなり申し訳ありません」と一言添えれば大丈夫です。
Q. 英語で「お見舞い」を伝えるフレーズは?
A. “Get well soon.” が定番です。
- I hope you get well soon.(早く良くなりますように)
- Please take care of yourself.(お大事にしてください) といった表現が一般的です。
Q. 久しぶりの相手に送る場合の書き出しは?
A. ご無沙汰のお詫び+お見舞いの言葉のセットで。 「ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいますか?」と書きたくなりますが、相手は元気ではない状態です。 「ご無沙汰しております。このたびはご入院されたと伺い、大変驚きました」と繋げるのが自然です。
まとめ:言葉は「心の栄養」になります
お見舞いのメッセージは、形式やマナーも大切ですが、何よりも「あなたのことを想っています」という気持ちが一番の特効薬です。
- 忌み言葉(NGワード)は避ける
- 相手の負担にならないよう「返信不要」と添える
- 相手の状況(入院・自宅・災害)に合わせて言葉を選ぶ
この3つさえ押さえておけば、あなたの言葉はきっと相手の心に届き、回復への大きな力になるはずです。 大切な方が一日も早く笑顔に戻れるよう、温かいメッセージを送ってみてくださいね。

