「せっかく依頼してくれたのに、断ったら嫌われるかも……」 「失礼にならない断り方のメールって、どう書けばいいの?」
仕事をしていると、スケジュールの都合や条件が合わず、どうしても「No」と言わなければならない場面がありますよね。パソコンの前で「うーん」と悩んでしまい、返信が遅れてしまうこと、ありませんか?



実は、正しい「型」と「言葉選び」さえ知っていれば、断ることは決して怖いことではありません。 むしろ、誠実に対応することで、「しっかりした人だ」と信頼が高まることさえあるのです。
この記事では、編集者としての経験をもとに、誰でもすぐに使えて角が立たない「断りメール」の極意をご紹介します。
この記事でわかること
- 【即戦力】状況・相手別にそのまま使える丁寧なメール例文33選
- 【マナー】相手を不快にさせない魔法の「クッション言葉」リスト
- 【安心】二度と誘われなくならないための「フォロー」テクニック
相手を不快にさせない「断りメール」3つの鉄則
「見送ります」と最初に伝える
「恐れ入りますが」で包む
「〇〇なら可能です」と繋ぐ
結論は早く、理由は簡潔に
日本人はつい「言いにくいこと」を先延ばしにしがちですが、ビジネスメールでは結論(今回は見送るということ)を最初に伝えるのがマナーです。
曖昧な返事は、相手に「まだ可能性があるかも?」と期待させ、結果的に再調整の手間をかけさせてしまいます。「検討します」と返信して1週間待たせるより、すぐに「今回は難しいです」と伝えるほうが誠実です。
理由は長々と書く必要はありません。「スケジュールの都合」「社内方針」など、一文でシンプルに伝えましょう。
魔法の「クッション言葉」を活用しよう
「できません」「無理です」とストレートに伝えると、どうしても冷たい印象を与えてしまいます。そこで活躍するのが、衝撃を和らげる「クッション言葉」です。
本題に入る前に、この一言を添えるだけで、文章全体の印象がグッと柔らかくなりますよ。
| 場面 | おすすめのクッション言葉 |
|---|---|
| 申し訳なさを伝える | 恐れ入りますが、あいにくですが、大変心苦しいのですが、誠に残念ながら |
| 感謝を伝える | せっかくのご提案ですが、ありがたいお話ですが、身に余る光栄ですが |
| 事情を察してもらう | 誠に勝手ながら、諸事情により、今回はご希望に添えず |



クッション言葉は、いわば言葉の「緩衝材(プチプチ)」です。相手への感謝や敬意をこの言葉に乗せて、大切にお届けしましょう。
「No」だけで終わらせない!「代替案」の提示
ただ断るだけでは、そこでコミュニケーションが途絶えてしまいます。「今回はダメだけど、あなたとの関係は続けたい」という意思があるなら、必ず代替案をセットにしましょう。
- 「今週は無理ですが、来週の火曜日なら可能です」
- 「すべての対応は難しいですが、この部分だけならお引き受けできます」
このように「条件付きのYes」を提案することで、前向きな姿勢が伝わります。
【トーン別】今すぐ使える!断りのメール例文・無難フレーズ33選
「見送らせていただきます」
「対応が難しいです」
「手が回らずごめんね」
ここからは、コピペして使えるフレーズ集です。相手との関係性に合わせて、「丁寧」「標準」「カジュアル」を使い分けてください。
【丁寧】取引先・目上の人へ(間違いのない鉄則表現)
失敗できない重要な取引先や、まだ関係が浅い目上の方に対して使う、格式高い表現です。
- 恐れ入りますが、今回は見送らせていただけますと幸いです。
- 大変心苦しいのですが、社内調整の結果、辞退の運びとなりました。
- せっかくのご提案ながら、事情によりお受けいたしかねます。
- 誠に恐縮ですが、現状の体制では対応が難しい状況です。
- 光栄なお話ではありますが、別件との調整がつかず辞退いたします。
- ご期待に添えず申し訳ございませんが、今回は見合わせます。
- ありがたいお申し出ですが、要件と合致せず辞退いたします。
- 勝手を申しますが、期日の都合により対応が叶いません。
- 今回は関係各所と協議のうえ、見送る判断となりました。
- ご検討いただいたところ恐れ入りますが、参画は難しい見込みです。
- 誠に残念ではございますが、要望にお応えできかねます。
【標準】社内・既存のパートナーへ(失礼なく簡潔に)
日常的にやり取りがある社内の他部署や、付き合いの長いパートナー企業に向けた、バランスの良い表現です。
- せっかくですが、今回は見送ります。
- 条件が合わず、申し訳ありませんが辞退します。
- 期日が重なっており、対応が難しいです。
- ありがたいご依頼ですが、今回はお受けできません。
- 現在のリソースでは対応が困難です。
- 社内の方針により、今回は見合わせます。
- 目的との適合が難しく、辞退いたします。
- スケジュール調整がつかず、参加できません。
- ご提案は魅力的ですが、優先順位の都合で見送ります。
- 継続案件のため、リードタイムが確保できません。
【カジュアル】親しい先輩・同僚へ(柔らかく伝える)
直属の上司や仲の良い同僚、チャットツールでの連絡など、少し砕けた表現が許される場面で使えます。
- ごめんなさい、今回はパスさせてください。
- うれしいお話ですが、今は手が回らず見送ります。
- タイミングが合わず、参加できなさそうです。
- ありがたいのですが、別案件で手いっぱいです。
- 条件が合わないので、今回は遠慮します。
- せっかく声をかけていただいたのに、力になれずすみません。
- スケジュールが埋まっており難しいです。
- 内容的に今の方向性と合わず、見送ります。
- また機会があれば、ぜひお願いします。
- すてきな企画ですが、今回は見送りでお願いします。
- 今回は見合わせますが、情報共有は継続させてください。
- 興味はありますが、優先度の関係で別の機会にお願いします。



カジュアルな表現でも、「ありがとう」と「ごめんね」の気持ちを忘れずに。絵文字をひとつ添えるだけでも、冷たさが和らぎますよ。
- 理由は簡潔に。
- 代替案があれば一言添える。
- 関係継続の意思を結びで示す。
【状況別】こんな時どうする?具体的シチュエーション5選
-
📅 日程が合わない「○日なら可能です」と
代替日を出す -
⚖️ 条件が合わない「この範囲なら可能です」と
部分受託を提案 -
🏢 社内方針で無理「ルール変更により」と
仕組みのせいにする -
🛑 優先順位的に無理「既存案件の品質のため」と
誠実さを見せる
フレーズだけでは文章が作れない!という方のために、件名から結びまでセットになったテンプレートをご用意しました。自分の状況に一番近いものを選んで調整してください。
1) 期日が合わない(候補提示あり)
ただ断るのではなく、「いつなら空いているか」を具体的に提示するのがポイントです。
- 件名:日程のご提案(◯◯の件)
- 本文:
いつもお世話になっております。◯◯の件ですが、当該期間は別件と重なっており参加が難しい状況です。
もし可能でしたら、○/○(火) 午前/○/○(木) 16時以降であれば対応検討できます。 - 結び:ご期待に添えず恐縮ですが、ご検討のほどお願い申し上げます。
2) 条件が合わない(代替範囲提示)
全部を断るのではなく、「できる範囲」を示すことで、次につながる可能性があります。
- 件名:ご提案の件(対応範囲について)
- 本文:
ご提案ありがとうございます。拝見したところ、現行体制ではご提示のボリューム全体への対応が難しい見込みです。
代替として、要件Aのみであれば前向きに検討できます。 - 結び:無理のない形でご一緒できれば幸いです。
3) 社内方針により難しい(理由簡潔)
「個人の意思としてはやりたいが、ルール上できない」という形にすると、角が立ちません。最強の断り文句です。
- 件名:ご依頼の件/辞退のご連絡
- 本文:
平素よりお世話になっております。本件は社内方針の見直しにより、外部案件の新規受入を停止しております。
大変心苦しいのですが、今回は辞退いたします。 - 結び:貴重なお声がけに感謝申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。
4) 既存案件の優先(関係継続を明示)
「忙しい」とだけ言うと雑に聞こえるので、「今ある仕事をしっかりやりたいから」という誠実さをアピールしましょう。
- 件名:◯◯の件/対応可否について
- 本文:
ご連絡ありがとうございます。現在、既存案件の納期対応を優先しており、新規の着手が難しい状況です。 - 結び:落ち着き次第、改めて状況共有いたしますので、引き続き情報交換させてください。
5) 内容が適合しない(紹介・再提案の余地)
無理に引き受けても双方が不幸になるだけです。「お役に立てない」と正直に伝えましょう。
- 件名:ご提案拝受の御礼/見送りのご連絡
- 本文:
このたびのご提案、誠にありがとうございます。誠に残念ながら、当方の領域と主旨が合致しないため、今回は見送らせてください。
もし◯◯分野向けの案件がございましたら、改めてお声がけいただけますと幸いです。 - 結び:今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
相手別・メールを送る際の一言ポイント
同じ内容でも、相手によって「響くポイント」は異なります。送信ボタンを押す前に、ここをチェック!
取引先へ送る場合
関係を切りたくない場合は、結びの言葉が重要です。「今回はダメでしたが、次回はぜひ」というニュアンスを込めましょう。
- 「またの機会がございましたら、ぜひお声がけください」
- 「引き続き、貴社のお役に立てるよう精進いたします」
上司へ送る場合
上司は判断材料を求めています。「やりたくない」という感情ではなく、「リソース」「優先順位」を根拠に断りましょう。
- 「現在A案件が佳境のため、B案件を入れると納期遅延のリスクがあります」
- 「クオリティ担保のため、今回は見送らせてください」
同僚・部下へ送る場合
変にへりくだる必要はありませんが、突き放すのもNGです。「協力姿勢」を見せるとチームワークが保てます。
- 「全部は無理だけど、ここのチェックだけならやるよ!」
- 「今回は手伝えないけど、応援してる!」
うっかり送ってない?NGメールの改善ビフォーアフター
自分では普通だと思っていても、受け取った相手が「冷たい…」と感じるメールがあります。よくあるNG例を改善してみましょう。
| NG文 | 改善ポイント | OK文 |
|---|---|---|
| 取り急ぎお断りします。 | 唐突・高圧 → クッション語+簡潔理由 | 恐れ入りますが、事情により今回は見送らせていただきます。 |
| 時間ないので無理です。 | 断定・素っ気ない → 期日都合+代替提案 | 期日が重なっており難しいため、○/○なら検討可能です。 |
| 興味ありません。 | 否定表現 → 適合性で説明 | 方向性が合わず、今回は見送りますが、別テーマがあれば検討します。 |
よくある質問(FAQ)
最後に、断りメールに関するよくある疑問にお答えします。
Q1. 断る理由はどこまで詳しく書くべきですか?
A. 基本的には「一文」で十分です。 「スケジュールの都合」「社内リソースの問題」など、汎用的な理由で構いません。相手から「どうしてですか?」「いつなら空きますか?」と詳しく聞かれた場合のみ、詳細を答えればOKです。言い訳がましく長文を書くのは避けましょう。
Q2. 断った後、気まずくならないコツはありますか?
A. 「クッション言葉」+「簡潔な理由」+「未来への一言」の3点セットを守ることです。 特に大切なのが最後の「未来への一言」。「今後ともよろしくお願いいたします」「また誘ってください」と添えるだけで、関係継続の意思が伝わり、気まずさが解消されます。
Q3. 件名はどのように書くのがベストですか?
A. 開封する前に中身がわかるようにしましょう。 「◯◯の件/対応可否について」「◯◯のご依頼の件(辞退のご連絡)」など、結論を件名に含めるのが親切です。お詫びの言葉は本文の中に書きましょう。
Q4. メールを無視(スルー)して断るのはアリですか?
A. ビジネスではNGです。 返信がないと、相手は「メールが届いていないのか?」「承諾してくれたのか?」「検討中なのか?」と迷ってしまいます。はっきりと断ることも、相手への思いやりの一つですよ。
まとめ:上手な「お断り」は、信頼関係を守るためのスキル
断ることは、決して悪いことではありません。無理をして引き受けて納期に遅れたり、質が下がったりするほうが、結果として相手に迷惑をかけてしまいます。
「今回は期待に応えられないけれど、あなたのことは大切に思っています」
そんな気持ちを込めて、今回ご紹介したフレーズを使ってみてください。型通りに入力して、最後の一文だけあなたの言葉を添える。それだけで、きっと温かいメールになるはずです。



まずは、一番使いそうな「丁寧バージョン」のフレーズをひとつ、辞書登録してみることから始めてみませんか?

