受験本番の日が近づくにつれて、お子さん以上にドキドキしてしまっていませんか?
「忘れ物をしたらどうしよう」 「電車が遅れたら…」 「朝、どんな声をかけて送り出せばいいの?」
そんな不安を感じるのは、あなたがこれまでお子さんと一緒に頑張ってきた証拠です。でも、大丈夫。当日の親御さんの役割は、たった一つだけ。
それは、「最強のサポーター(黒子)」に徹することです。
主役はあくまでお子さん。親御さんは、マネージャーのように淡々と、そして温かく環境を整えることに集中しましょう。この記事では、数多くの受験生を見守ってきた編集部が、当日の親の動きの「正解」を時系列でガイドします。
この記事でわかること
- 前日準備の抜け漏れゼロ! 親子の持ち物&服装チェックリスト
- 当日の声かけ正解集! プレッシャーを与えない「魔法の言葉」
- トラブル対応! 電車遅延や忘れ物をした時のパニック回避術
これを読めば、当日の朝から帰宅するまでのシミュレーションは完璧です。さあ、最高の状態で送り出す準備を始めましょう!
【前日まで】不安を消す「3つの最終チェック」
受験当日の成功は、実は「前日の準備」で8割決まると言っても過言ではありません。当日の朝にバタバタしないよう、前日のうちに物理的・心理的な準備を完璧に整えておきましょう。
ここでは、意外と見落としがちな「服装」「持ち物」「交通手段」の3点に絞って解説します。
1. 服装は「温度調節」と「ノイズレス」が正解
お子さんの服装はもちろん、付き添いや送迎をする親御さんの服装にも、ちょっとした気遣いが必要です。キーワードは「快適さ」と「音」です。
お子さんの服装:重ね着が鉄則!
試験会場の室温は予測不可能です。「暖房が効きすぎて暑い席」や「窓際で隙間風が入る寒い席」など、どんな環境にも対応できるよう、脱ぎ着しやすい重ね着(レイヤード)スタイルを基本にしましょう。
- おすすめ: カーディガン、フリース、前開きのパーカーなど(英字プリントが多いものは避けるのが無難です)
- 注意: ヒートテックなどの発熱インナーは、暑くても試験中に脱げないので、気温が高い予報の日は慎重に。
親御さんの服装:「音」と「匂い」に注意
面接がある場合はスーツやオフィスカジュアルが基本ですが、筆記試験のみの送迎や待機であれば、清潔感のある普段着で問題ありません。ただし、以下の点には細心の注意を払いましょう。
- カツカツ鳴るヒール靴: 廊下を歩く音が試験室に響くことがあります。スニーカーや音が鳴らない靴を選びましょう。
- シャカシャカ音がするアウター: ナイロン素材の衣類が擦れる音は、静寂な会場では意外と耳障りです。ウールやコットン素材が安心です。
- 香水・柔軟剤: 緊張しているお子さんは感覚が過敏になっています。いつもより控えめにするか、無香料を心がけましょう。



親子面接がない場合、「周りの親御さんがみんな紺色のスーツだったらどうしよう…」と心配してスーツを着ていく方がいますが、実は待機時間はかなり長く、寒さとの戦いになることも多いです。 送迎だけなら、見栄えよりも「防寒」と「疲れにくさ」を優先してOK! 膝掛けやカイロを持参して、ご自身の体調管理も万全にしてくださいね。
2. 持ち物リスト(親用・子供用)
「受験票持った?」と当日朝に聞くのはNG。前日の夜に、お子さんと一緒に指差し確認を行いましょう。
お子さん用:必須アイテム+α
- 受験票(クリアファイルに入れて折れ防止)
- 筆記用具(鉛筆は多めに。消しゴムは2個!)
- 時計(会場に時計がない場合があります。計算機能がないシンプルなものを)
- 現金(ICカードだけでなく、千円札と小銭も用意)
- お弁当・飲み物(消化に良いものを)
- 上履き・靴袋(必要な場合)
- ハンカチ・ティッシュ
- 常備薬(頭痛薬、下痢止めなど)
- 防寒具(カイロ、カーディガン)
親御さん用:万が一の備えセット
親御さんのカバンには、お子さんがパニックになった時のための「予備」を忍ばせておくと安心です。
- お子さんの受験票のコピー(写真に撮っておくのも◎)
- 募集要項のコピー(緊急連絡先や集合時間が書いてあるページ)
- 予備の筆記用具・消しゴム
- 予備の現金・ICカード
- モバイルバッテリー(調べ物でスマホを使うため必須!)
- 暇つぶしグッズ(本や雑誌。待機時間は長いです)
- 防寒グッズ(ストール、カイロ)
3. 交通ルートは「プランB」まで用意する
「いつも使っている路線だから大丈夫」という油断は禁物です。雪や事故による遅延は、受験シーズンによくあるトラブルです。
- プランA(正規ルート): 最短時間で到着するルート。乗り換え位置も確認。
- プランB(迂回ルート): メインの路線が止まった場合に使える別ルート。
- タクシー配車アプリの登録: いざという時、電話は繋がりにくくなります。「GO」や「S.RIDE」などのアプリをインストールし、クレジットカード登録まで済ませておきましょう。
また、最寄り駅から会場までの道のりも重要です。「徒歩10分」とあっても、当日は受験生の列で混雑し、倍以上の時間がかかることがあります。時間には十分な余裕を持ってスケジュールを組みましょう。



親子で会場に向かう際、ICカードの残高不足で改札で引っかかると、地味に焦りますし、後ろの人にも迷惑をかけてしまいます。 前日までに必ず、往復運賃+α(1,000円以上)をチャージしておくこと! これだけで当日のスムーズさが違いますよ。
【当日朝〜出発】最高のスタートを切るために
いよいよ当日。ここからは、親御さんの「冷静さ」がカギになります。朝起きてから家を出るまでのポイントを確認しましょう。
1. 朝食は「いつものメニュー」が鉄則
「勝負に勝つ!」とカツ丼を出したり、気合を入れて普段食べない高級なフルーツを出したりするのは避けましょう。緊張でお腹が緩くなりやすい朝に、油っこいものや食べ慣れないものはリスクが高いです。
- メニュー: 消化の良い炭水化物(ごはん、うどん、お餅など)を中心に、温かいスープやお味噌汁を添えるのがベスト。
- タイミング: 脳が覚醒するには時間がかかります。試験開始の3時間前には食べ終わるようにしましょう。
2. 出発前の「声かけ」変換表
玄関を出る瞬間、何と声をかけますか? 良かれと思ってかけた言葉が、プレッシャーになってしまうことも。ここでは「NGワード」を「OKワード」に変換してみましょう。
| 状況 | NGワード(プレッシャー) | OKワード(安心感) |
|---|---|---|
| 励ます時 | 「絶対合格してね!」「頑張れ!」 | 「いつも通りで大丈夫だよ」「深呼吸していこう」 |
| 期待を伝える時 | 「あなたならできる!」「期待してるよ」 | 「ここまでよく頑張ったね」「落ち着いてね」 |
| 送り出す時 | 「ミスしないようにね!」 | 「いってらっしゃい!」「気をつけて」 |
一番大切なのは、「普段通りの笑顔で送り出すこと」です。親の不安げな顔は子供に伝染します。女優になったつもりで、どっしりと構えていてください。
3. 駅・移動中の「沈黙」を恐れない
会場に向かう電車の中や、車の中。お子さんが無言で参考書を見ていたり、音楽を聴いていたりする場合、無理に話しかける必要はありません。
親としては「緊張してるのかな? 何か話してほぐしてあげなきゃ」と思いがちですが、お子さんは集中モードに入っています。 「沈黙=悪いこと」ではありません。 親御さんもスマホを見たり、景色を見たりして、隣でただ「存在しているだけ」の空気感を大切にしてください。
【会場到着〜待機】親の「待ち時間」サバイバル術
会場に着いたら、いよいよお子さんとはしばしのお別れです。ここでの振る舞いも重要です。
1. 別れ際は「笑顔で短く」
校門や入口での別れ際は、あっさりと済ませましょう。
- NG: 「鉛筆持った?」「受験票ある?」「トイレ行った?」と質問攻めにする。
- OK: 「終わったら、〇〇(目印)で待ってるね」と合流場所だけ明確にして、「いってらっしゃい」と背中を見送る。
もし、普段からやっている「背中を叩く」「握手をする」などのルーティンがあれば、ここで実行してスイッチを入れてあげましょう。
2. 長丁場の「待機時間」はどう過ごす?
お子さんが試験を受けている間、親御さんは数時間の「待機時間」を過ごすことになります。学校内に控室が用意されている場合もありますが、以下の点に注意が必要です。
- 学校の控室: 体育館や講堂が多いため、とにかく寒いことが多いです。また、パイプ椅子で長時間座るのは腰に来ます。
- 近隣のカフェ: 人気の学校だと、近くのカフェは朝から満席で「カフェ難民」になることも。
【おすすめの過ごし方】 事前にGoogleマップで、会場から少し離れた(一駅隣など)カフェを探しておくのが賢明です。 また、SNS(Xなど)で「〇〇中 受験」などと検索しすぎると、「今年の国語は難化傾向らしい…」といった不確かな情報に一喜一憂して疲れてしまいます。待機中はスマホを置いて、読書や映画鑑賞など、ご自身の心を整える時間に使いましょう。
【試験終了〜帰宅】家に帰るまでが受験です
試験終了後、お子さんと合流した瞬間の「第一声」が、翌日のモチベーションを左右します。
1. 合流時の第一声は「お疲れ様」一択
顔を見た瞬間に、つい聞きたくなる言葉がありますよね。 「どうだった?」「できた?」 これは、絶対にNGです。
もし手応えが悪かった場合、この質問は子供を追い詰めます。逆に手応えが良くても、詳細を話すと疲れが増します。 正解は「お疲れ様!」「寒かったね、温かいもの飲もうか」の労いだけ。 試験の内容については、お子さんが自分から話し出すまで待ちましょう。話してきたら「うんうん」と聞き役に徹し、評価や分析(「それはミスだね」など)はしないことが鉄則です。
2. もし「失敗した…」と落ち込んでいたら
万が一、お子さんが「全然できなかった…」と落ち込んでいても、親御さんだけは動揺を見せてはいけません。
- 共感する: 「そっか、難しかったんだね」と気持ちを受け止める。
- 切り替える: 「終わったことは変えられないから、おいしいご飯食べて寝よう!」「明日の教科で挽回できるよ」と前を向かせる。
家に帰ったら、消化に良い好きな夕食を用意し、早めにお風呂に入れて就寝させましょう。「日常」に戻してあげることが、最強のメンタルケアです。
【緊急事態】パニックにならないためのトラブル対応マニュアル
最後に、もしもの時のトラブル対応をまとめました。これさえ知っていれば、何が起きても「想定内」です。
Q1. 電車が止まった!遅刻しそう!
A. まずは学校へ電話連絡を。 焦らずに、募集要項にある「緊急連絡先」へ電話しましょう。公共交通機関の遅延であれば、試験時間の繰り下げなどの救済措置がとられることがほとんどです。駅で「遅延証明書」をもらうのを忘れずに(改札付近で配布、またはWEB発行)。
Q2. 受験票を忘れた!
A. 絶対に取りに帰らないで! 取りに帰って遅刻する方がリスクです。ほとんどの会場には「試験本部」や「受付」があり、そこで申し出れば仮受験票を発行してもらえます。そのまま会場へ向かいましょう。
Q3. 子供が急に体調不良を訴えたら
A. 保健室受験が可能か相談を。 無理をさせず、会場の係員に相談してください。別室(保健室など)での受験が認められる場合があります。常備薬を持参し、服用させる場合は試験監督に一言伝えておくと安心です。
まとめ:親の笑顔が、最強のお守り
受験当日は、予期せぬことが起こるものです。 でも、どんな時でも親御さんが「大丈夫、なんとかなる!」とドシッと構えていれば、お子さんは安心します。
ここまで頑張ってきたお子さんを、一番近くで見てきたのはあなたです。 結果がどうあれ、今日という日がかけがえのない成長の1ページになることは間違いありません。
どうか、最高の笑顔で送り出してあげてくださいね。 「いってらっしゃい!」
よくある質問(FAQ)
Q. 下の子(小さい兄弟)を連れて行ってもいいですか? A. 原則、避けた方が無難です。 静寂が求められる会場や控室で、小さなお子さんが騒いでしまうと、受験生や他の保護者の迷惑になりかねません。可能であれば親戚や一時保育に預けるか、送迎のみにして待機は自宅でするなどの対策をおすすめします。
Q. 子供に携帯電話を持たせてもいいですか? A. 持たせてOKですが、電源オフの徹底を。 緊急連絡用に持たせるのは一般的です。ただし、試験中にアラームや着信音が鳴ると即失格になる厳しい学校もあります。「会場に入ったら電源を切る(マナーモードではなくオフ)」ことを、家を出る前と会場入り口でしつこいくらい確認しましょう。
Q. 親の服装は、ジーンズでも大丈夫ですか? A. 送迎のみならOKですが、面接ありならNGです。 お子さんを送ってすぐ帰るだけであれば、ジーンズ等のラフな格好でも問題ありません。ただ、校内に入る・控室で待機する場合は、ジーンズだと少し浮いてしまう可能性があります。チノパンや落ち着いた色のパンツスタイルなど、「きれいめカジュアル」が無難で安心です。

