迎春・賀正は失礼?年賀状の賀詞マナーと目上の人への正しい言葉

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迎春・賀正は失礼?年賀状の賀詞マナーと目上の人への正しい言葉

「年賀状のデザイン、どれにしようかな?」 郵便局や文具店に並ぶ色とりどりの年賀状。見ているだけでワクワクしますよね。

でも、ちょっと待ってください。 デザインだけで選んで、「迎春」や「賀正」と大きく書かれたハガキを、会社の上司や恩師用に買っていませんか?

実は、年賀状に書かれているその言葉(賀詞:がし)、相手によって「使うと失礼になるもの」があるんです。 もし知らずに送ってしまうと、「マナーを知らない人だな」とがっかりされてしまうかも……。

でも、安心してください! この記事では、言葉のプロである「コトバノモリ」が、年賀状の言葉のマナーをどこよりもわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 上司に送ってOKな言葉、NGな言葉が一目でわかります。
  • なぜ「迎春」を目上の人に使ってはいけないのか、理由まで納得できます。
  • 「しまった、もう買っちゃった!」という時の対処法も見つかります。

今年からは、自信を持って「心のこもった年賀状」を送りましょう!

目次

【結論】一目でわかる! 賀詞(がし)の使い分け早見表

コトクマ

まずは結論からお伝えします。「誰に送るか」で、選ぶべき言葉はガラッと変わります。この表さえ覚えておけば、もう迷いませんよ!

年賀状の最初に書くお祝いの言葉のことを「賀詞(がし)」と言います。 この賀詞には、「文字数」によって明確なルールがあるんです。

スクロールできます
相手文字数おすすめの賀詞(例)理由・ニュアンス
目上の人(上司・恩師・先輩)4文字謹賀新年・恭賀新年相手への「敬意」が含まれる丁寧な言葉。
目下・友人(部下・後輩・親友)2文字1文字迎春・賀正寿・福お祝いの言葉を短くした形。親しい間柄向け。
誰でもOK文章あけましておめでとうございます相手を選ばない、最も万能な挨拶。

上司・先生・目上の人には「4文字」が鉄則

目上の方、つまり自分より立場が上の方や、敬意を表すべき相手には、必ず「4文字の賀詞」を使いましょう。

代表的なのはこの2つです。

  • 謹賀新年(きんがしんねん): 謹(つつシ)んで、新年の喜びを申し上げます。
  • 恭賀新年(きょうがしんねん): 恭(うやうや)しく、新年をお祝いいたします。

ポイントは、「謹」や「恭」という漢字が入っていること。これらは「相手を敬う(うやまう)」「へりくだる」という意味を持っています。 「あなたを尊敬していますよ」「礼儀正しくお祝いしますよ」という気持ちが、この4文字の中にギュッと詰まっているのです。

友人・後輩・目下の人には「2文字・1文字」でカジュアルに

逆に、仲の良い友人や、職場の後輩などには、「2文字」や「1文字」の賀詞を使ってもOKです。

  • 迎春(げいしゅん): 新しい春(新年)を迎えました。
  • 賀正(がしょう): 正月を祝います。
  • 寿(ことぶき): おめでたい!

これらはデザイン的にもカッコよくておしゃれなものが多いですが、あくまで「親しい間柄」で使うカジュアルな表現だと覚えておきましょう。

迷ったらコレ! 誰にでも使える「万能な挨拶」

「相手によってハガキを使い分けるのは大変……」 「この人は目上? それとも友達感覚でいいの?」

そんなふうに迷ってしまったら、無理に漢字の賀詞を使わず、文章での挨拶を選びましょう。

  • 「あけましておめでとうございます」
  • 「謹んで新春のお慶びを申し上げます」

このスタイルなら、相手が社長であっても、親友であっても、小学生の甥っ子であっても失礼になることはありません。最も安全で、誰にでも伝わる魔法の言葉です。

なぜダメなの? 「賀正」「迎春」が目上の人に失礼な理由

コトクマ

「マナーだからダメ!」と丸暗記するのは大変ですよね。でも、「なぜ?」という理由を知ると、「なるほど、それは使えないわ!」と納得できるはずです。

漢字の意味を分解してみよう(「祝う」だけ vs 「謹んで祝う」)

どうして2文字の賀詞を目上の人に使ってはいけないのでしょうか? それは、「敬語が含まれていないから」です。

それぞれの言葉の意味を分解してみましょう。

  • 賀正(がしょう) = 「正月を祝う」
  • 迎春(げいしゅん) = 「春(新年)を迎える」

見ての通り、ここには「事実」や「動作」しか書かれていません。「謹んで」とか「申し上げます」といった、相手を敬う要素がゼロなんです。

一方、4文字の「謹賀新年」はどうでしょうか。

  • 謹賀新年 = 「謹んで(相手を敬って)、新年をお祝いします

ここには明確に敬語が含まれていますよね。

言葉の温度感を知る(「よっ!正月!」になっていませんか?)

もっとわかりやすく、日常会話の「温度感」でイメージしてみましょう。

2文字の「賀正」や「迎春」を現代の話し言葉に翻訳すると、こんな感じです。

  • 賀正「正月だね! おめでと!」
  • 迎春「春が来たよ! やったね!」

どうでしょう? かなりフランクで元気な感じがしませんか? 友達同士なら「正月だね! 今年もよろしく!」で全く問題ありませんし、むしろ親しみが湧きます。

でも、会社の社長や、お世話になった恩師に向かって、「社長! 正月だね! おめでと!」とは言いませんよね? 2文字の賀詞を目上の人に送るというのは、これと同じことをしてしまっているのと同じなんです。

  • 目上の人には: 「謹んでお祝い申し上げます」(謹賀新年)
  • 友達には: 「正月だね! おめでとう!」(賀正)

こう考えると、「なるほど、上司に『賀正』はヤバイかも……」と直感的に理解できるのではないでしょうか。

これだけは避けたい! 年賀状の3大NGマナー

コトクマ

意外と多くの人がやってしまっているのが、言葉の「重複(使いすぎ)」です。意味を知ると「確かに変だ!」と気づけるはずですよ。

せっかく丁寧に書いたつもりでも、マナー違反になってしまったらもったいないですよね。 ここでは、特に間違えやすい3つのNGポイントをご紹介します。

1. 「新年あけましておめでとう」は意味が被っている!?

一番よく見かける間違いがこれです。 「新年あけましておめでとうございます」

一見、とても丁寧に見えますが、実はこれ、言葉の意味が重複しているんです。

  • 新年 = 新しい年
  • あけまして = (年が)明けて新しい年になって

つまり、「新しい年、新しい年になっておめでとう」と言っているようなもの。 まるで「頭痛が痛い」「馬から落馬する」と言っているのと同じ状態なんです。

【正解はこれ!】

  • 「あけましておめでとうございます」
  • 「新年おめでとうございます」

どちらか一つにするのが、スマートな大人のマナーです。

2. 「賀正」と「あけましておめでとう」のダブル使い

これも非常に多いミスです。 ハガキのデザインに「賀正」や「謹賀新年」と大きく印刷されているのに、添え書きの最初に「あけましておめでとうございます」と書いていませんか?

  • 賀正 = 新年おめでとう
  • あけましておめでとう = 新年おめでとう

これでは、「タイトル:おめでとう! 本文:おめでとう!」と、同じ挨拶を2回繰り返していることになります(二重賀詞といいます)。

【こうすればOK!】 デザインとしてすでに賀詞が入っている場合は、文章の書き出しを「挨拶」以外から始めましょう。

  • × 賀正。あけましておめでとうございます。昨年はお世話になりました。
  • 賀正。旧年中は大変お世話になりました。

これなら、重複せずにスッキリと気持ちが伝わります。

3. 「去年」は使っちゃダメ! 忌み言葉(いみことば)の罠

「去年はお世話になりました」 つい書いてしまいそうですが、年賀状で「去」という漢字を使うのはタブー(禁止)です。

「去る」には、「別れる」「離れる」「死ぬ」といった悲しい意味が含まれているため、おめでたい新年にはふさわしくないとされているからです(これを「忌み言葉」と言います)。

【言い換えリスト】

  • × 去年(きょねん) → 〇 昨年(さくねん)・旧年(きゅうねん)
  • × 病気が絶えない → 〇 健康に気をつけて

うっかり「去年」と書いてしまわないように、ペンを持つ前に一度深呼吸して確認しましょう!

【ケース別】こんな時はどうする? 困ったときのQ&A

コトクマ

「マナーはわかったけど、もうハガキ買っちゃったよ!」という方、諦めないでください。ピンチを救うリカバリー術を伝授します。

Q1. 「迎春」と印刷されたハガキを買ってしまいました。上司に出してはダメ?

A. そのまま出すのはNGですが、手書きメッセージで挽回しましょう!

本来は、目上の方には使わないのがマナーです。でも、せっかく素敵なデザインのハガキを買ったのなら、無駄にはしたくないですよね。

そんな時は、「丁寧な手書きメッセージ」を添えることで敬意を補いましょう。 印刷された文字だけで済ませるのではなく、以下のような一言を添えれば、相手への感謝は十分に伝わります。

「旧年中は温かいご指導をいただき、本当にありがとうございました。 本年も〇〇部長のもとで、さらに成長できるよう精進いたします。」

大切なのは「形式」よりも「心」です。手書きの文字には、印刷の「迎春」の失礼さを打ち消すパワーがありますよ。

Q2. 英語でおしゃれに書きたい! “Happy New Year” に “A” はつくの?

A. 挨拶として書くなら “A” は不要です!

歌の歌詞などで “A Happy New Year” と見かけることがありますが、年賀状の挨拶として書く場合の正解は、“A” なしの “Happy New Year” です。

  • Happy New Year = (良いお年を!)
  • A Happy New Year = (幸せな新年)※名詞のかたまり

“Good Morning” に “A” をつけないのと同じ感覚ですね。 ただし、文章の中に組み込む場合(例:I wish you a happy new year / 幸せな一年になりますように)は、文法として “a” が必要になります。

Q3. 句読点(、。)は打ってもいいの?

A. お祝い事には「区切り」をつけないのが粋なマナーです。

昔からの慣習で、お祝い事には「区切り(終わり)」をつけないという意味で、句読点(、。)は使わないのが正式なマナーとされています。

  • × 本年もよろしくお願い申し上げます。
  • 本年もよろしくお願い申し上げます

文章が長くて読みづらい場合は、「改行」や「スペース(空白)」を使って読みやすく工夫しましょう。

相手に想いが伝わる! そのまま使える「手書きの一言」文例集

最後に、相手別にそのまま使える一言メッセージを集めました。 「賀詞」を選んだら、空いているスペースにぜひ一筆添えてみてください。グッと温かみが増しますよ。

上司・先輩へ(感謝と抱負)

仕事でお世話になっている方には、「感謝」と「これからのやる気」を伝えましょう。

  • 旧年中は公私にわたり温かいご指導をいただき、深く感謝申し上げます。
  • 未熟者ではございますが、本年はご期待に添えるよう精一杯努めます。
  • 〇〇さんのような頼れる先輩になれるよう、今年は資格取得に挑戦します!

親戚・恩師へ(近況報告)

久しぶりの相手には、自分の家族の様子を伝えたり、相手の健康を気遣う言葉が喜ばれます。

  • ご無沙汰しておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
  • おかげさまで、長男もこの春から中学生になります。
  • 寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ。またお会いできる日を楽しみにしています。

友人へ(親しみを込めて)

仲の良い友人なら、堅苦しい言葉は不要! 素直なメッセージが一番です。

  • 昨年は一緒に旅行に行けて楽しかったよ! 今年も美味しいものをたくさん食べに行こうね。
  • 結婚おめでとう! 今度ゆっくり新居に遊びに行かせてね。
  • お互い仕事もプライベートも充実した一年にしよう!

まとめ:言葉の意味を知れば、年賀状はもっと楽しくなる!

「難しそうだな」と思っていた年賀状のマナーも、理由がわかれば案外シンプルですよね。

今回のポイントをおさらい

  1. 目上には4文字(謹賀新年)、目下には2文字(迎春)が基本。
  2. 「新年あけましておめでとう」や「去年」は使わない。
  3. 失敗しても、手書きのメッセージで心は伝わる。

マナーを守ることは大切ですが、一番大切なのは「あなたに元気でいてほしい」「今年も仲良くしたい」という相手を想う気持ちです。

正しい言葉選びと、あなたの温かい一言があれば、きっと受け取った相手は笑顔になってくれるはず。 今年はぜひ、自信を持って素敵な年賀状を送ってくださいね!

3. よくある質問(FAQ)

Q. 目上の人に「迎春」や「賀正」を使ってはいけないのはなぜですか? A. 「迎春(春を迎える)」「賀正(正月を祝う)」などの2文字の賀詞には、相手への敬意を表す言葉が含まれていないからです。目上の人には「謹んで(相手を敬って)」という意味を含む「謹賀新年」などの4文字の賀詞を使うのがマナーです。

Q. 友人や後輩に「謹賀新年」を使ってもいいですか? A. はい、問題ありません。「謹賀新年」は最も丁寧な挨拶なので、相手を選ばず使えます。ただし、親しい友人に対しては少し堅苦しい印象を与えることもあるため、手書きメッセージで親しさを出すのがおすすめです。

Q. 「明けましておめでとうございます」は目上の人に使えますか? A. はい、使えます。「明けましておめでとうございます」などの文章形式の挨拶は、相手の立場に関係なく使える万能な表現です。迷った場合は文章の挨拶を選ぶのが最も無難で確実です。

Q. 年賀状の投函はいつまでにするべきですか? A. 元日(1月1日)に届けるためには、一般的に12月25日までの投函が推奨されています。遅くとも松の内(関東では1月7日、関西では1月15日頃)までには届くように出し、それ以降になる場合は「寒中見舞い」として出しましょう。

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