「ご苦労様です」はなぜ失礼?上司に使うと危険な理由と、絶対失敗しない「お疲れ様」の使い分けマナー

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「ご苦労様です」はなぜ失礼?上司に使うと危険な理由と、絶対失敗しない「お疲れ様」の使い分けマナー

会社の廊下ですれ違いざまに、上司へ挨拶。「ご苦労様です!」と元気よく言ったあとで、(あれ、今のはマナー違反だったかな……?)と背筋がヒヤッとしたことはありませんか?

とっさの挨拶は、普段の習慣がつい出てしまうもの。「ご苦労様です」と「お疲れ様です」は、どちらも相手を労(ねぎら)う素敵な言葉ですが、実は使いどころを間違えると「上から目線」と思われてしまう危険性があります。

そこでこの記事では、言葉のプロであるコトバノモリ編集部が、以下のポイントを中学生でもわかるように解説します。

  • 一発でわかる! 「ご苦労様」と「お疲れ様」の使い分け早見表
  • なぜダメなの? 上司に「ご苦労様」と言ってはいけない決定的な理由
  • もう迷わない! どんな相手にも使える「無難で正しい」挨拶テクニック

この2つの言葉の境界線をしっかり理解して、明日からは自信を持って堂々と挨拶できるようになりましょう!

目次

結論:「ご苦労様です」は目上にはNG!「お疲れ様です」が無難な正解

最初に結論からお伝えします。ビジネスシーンにおける挨拶の正解は、以下の通りです。

  • 目上の人(上司・先輩)には、「お疲れ様です」を使う。
  • 目下の人(部下・後輩)には、「ご苦労様です」を使う。

とてもシンプルですが、これが鉄則です。 まずは、誰に対してどちらを使うべきか、一目でわかる早見表で整理してみましょう。

一目でわかる! 使い分け早見表

相手の立場ご苦労様ですお疲れ様です備考
社長・役員× NG◎ OKより丁寧に「お疲れ様でした/お疲れ様でございました」も可
上司・先輩× NG◎ OK基本はこれでOK
同僚・同期◎ OK「お疲れー!」などフランクな場合も
部下・後輩◎ OK◎ OKどちらを使っても問題なし
社外の人× NG△ 原則避ける基本は「お世話になっております」

この表を見るとわかるように、「お疲れ様です」は社内の誰に対しても使える万能選手です。 一方で、「ご苦労様です」は使える相手が非常に限られています。迷ったら「お疲れ様です」を選んでおけば、まず間違いありません。

コトクマ

実は、最近のビジネス現場では、上司が部下に対しても「ご苦労様」ではなく「お疲れ様」を使うケースが増えています。「ご苦労様」には少し偉そうな響きがあるため、フラットな関係を好む職場では、全員が「お疲れ様です」で統一されていることも多いですよ。

「ご苦労様です」が目上に失礼とされる決定的な理由

では、なぜ目上の人に「ご苦労様です」と言ってはいけないのでしょうか? 「ただの言葉の違いでしょ?」と思うかもしれませんが、これには言葉が持つ「方向性」が深く関わっています。

実は、「ご苦労様」という言葉は、現代のビジネスマナーにおいて、「目上の人が目下の人をねぎらう表現」として強く認識されています。

  • 仕事を命じた人(上) → 命令を実行した人(下)へかける言葉

というイメージが根強いため、部下が上司に向かって「ご苦労様です」と言うと、相手によっては「なぜ君にねぎらわれなきゃいけないんだ?」と、上から目線で評価されたような違和感を持たれてしまうことがあります。

悪気はなくても、相手をモヤっとさせてしまう最大の原因は、この言葉に含まれる「立場」のニュアンスにあるのです。

実はマナー違反?「お疲れ様です」を目上に使う時の注意点

「じゃあ、『お疲れ様です』なら100%安全なんですね!」 ……と言いたいところですが、実はここにも少しだけ落とし穴があります。言葉のマナーは奥が深いものです。

「お疲れ様です」も本来は目下への言葉? マナーの真実

日本語の研究やマナーの世界では、「本来、『お疲れ様』も目上の人に使うべき言葉ではない」という説が存在します。 「労う(ねぎらう)」という行為自体が、目下にするものだという考え方があるからです。

そのため、非常に厳格なマナー講師の方や、年配の方の中には、「目下から労われること自体が失礼だ! 『お疲れ様』も使うな!」と考える人がごく稀にいらっしゃいます。

しかし、安心してください。 現代のビジネス社会(2020年代)においては、「お疲れ様です」は目上の人に使ってもOKな挨拶として完全に定着しています。

これには公的な裏付けもあります。文化庁の「敬語の指針(文化審議会答申)」に基づく解説では、以下のように整理されています。

  • 「ご苦労様」:自分側のために仕事をしてくれた人へのねぎらい(上から下へ向く性質がある)。
  • 「お疲れ様」:ねぎらいの意味に加えて、一緒に仕事をした後に互いに掛け合う「挨拶」としての機能がある。

つまり、「お疲れ様」は単なる評価ではなく、「お互いに頑張りましたね」という挨拶でもあるため、上司に対して「お疲れ様でした/お疲れ様でございました」を使うことは問題ないとされているのです。

「失礼かな?」と心配しすぎて無言になってしまうより、笑顔で「お疲れ様です!」と伝える方が、ずっと好印象ですよ。

より丁寧な「お疲れ様でございます」は使うべき?

さらに丁寧にしようとして、「お疲れ様でございます」と言う人もいます。 これは間違いではありませんが、相手やシーンによっては「丁寧すぎて他人行儀」「慇懃無礼(いんぎんぶれい=丁寧すぎて逆に失礼)」と感じられることもあります。

  • 社長や役員など、雲の上の存在とすれ違った時: 「お疲れ様でございます」が綺麗に響きます。
  • 直属の課長や、毎日顔を合わせる先輩: 「お疲れ様です」の方が、親しみがあって自然です。

言葉は相手との距離感を図るメジャーのようなもの。 ガチガチに固くなりすぎず、相手との関係性に合わせて「でございます」をつけるか判断できると、あなたはもうマナーの上級者です。

コトクマ

ちなみに、芸能界や一部の業界では「おはようございます」が24時間使われる万能挨拶だったりします。もしあなたが特殊な業界にいる場合は、その業界ごとの「ローカルルール」を先輩に確認するのが一番の近道ですよ!

【シーン別】もう迷わない! 正しい挨拶のシチュエーション

「理屈はわかったけど、実際にこういう場面ではなんて言えばいいの?」 そんな疑問にズバリお答えします。よくある4つのシーンで、最も適切な「正解のセリフ」を見ていきましょう。

1. 社内の廊下やエレベーターですれ違うとき

  • 基本: 「お疲れ様です」
  • 朝: 「おはようございます」

すれ違いざまの挨拶は、相手の顔を見て笑顔で言うのがポイントです。 特に午前中は、「おはようございます」の方が爽やかで好印象なことが多いです。

ただし、社内では時間を問わず「お疲れ様です」を使うルールになっている職場もあります。その場合は職場の慣行(周りの先輩の真似)に合わせるのが一番安全です。

2. 上司が先に帰るとき・自分が先に帰るとき

帰る時の挨拶は、誰が帰るかによって言葉が変わります。ここを混同しやすいので注意しましょう。

  • 上司や先輩が先に帰る時: ×「ご苦労様でした」 ◎「お疲れ様でした」 (仕事が終わったので、過去形の「でした」にするのが自然です)
  • 自分が先に帰る時:「お先に失礼します」 これが基本です。「まだ仕事中のところ、申し訳ありません」という謙虚な気持ちが伝わります。職場の雰囲気によっては、「お疲れ様でした。お先に失礼します」とセットで言っても自然です。「お疲れ様でした」だけだと「自分への労い?」と誤解されることがあるので、必ず「お先に失礼します」をメインに添えましょう。

3. 社外の人(取引先・お客様)へのメールや挨拶

ここが一番の落とし穴です! 社内の人には万能な「お疲れ様です」ですが、社外の人(お客様・取引先)に対して使うのはNGです。

  • 社外の人への挨拶: ×「お疲れ様です」 ◎「お世話になっております」

「お疲れ様」は、あくまで「同じ組織の仲間(身内)」を労う言葉です。社外の人に対して使うと、「私たちは仲間ですよね?」という馴れ馴れしいニュアンスや、逆に「身内ノリ」のような失礼さを感じさせてしまうことがあります。

メールの書き出しは、「お世話になっております」が無難で安心です。 ただし、初めての相手なら「初めてご連絡いたします」、会議の後なら「本日はありがとうございました」など、場面に合わせて使い分けると、より自然で丁寧な印象になります。

4. 宅配業者さんや警備員さんへの「ありがとう」

オフィスに荷物を届けてくれる宅配業者さんや、入り口の警備員さん。外部の方ですが、「お世話になっております」だと少し堅苦しいですよね。 つい「ご苦労様です」と言いたくなりますが、ここでも「評価する目線」が含まれてしまうリスクがあります。

  • 業者さんへの挨拶: △「ご苦労様です」 ◎「ありがとうございます」「お願いします」

「暑い中ありがとうございます」「いつもありがとうございます」と感謝を伝えるのが、最も温かみがあり、かつ対等で失礼のない表現です。

うっかり「ご苦労様です」と言ってしまったら? リカバリー術

人間ですから、言い間違いは誰にでもあります。 もし上司に「ご苦労様です!」と言ってしまったら、どうすればいいのでしょうか?

その場ですぐ気づいた場合

焦らなくて大丈夫です。すぐに言い直せば問題ありません。

あなた: 「あ、部長、ご苦労様です!」 あなた: (ハッ! 間違えた!) あなた: 「失礼しました、お疲れ様です!」(テヘッと笑顔で)

これだけで十分です。変に取り繕うよりも、素直に訂正する姿勢は逆に好感を持たれます。

後から気づいてモヤモヤしている場合

家に帰ってから(あちゃー、あの時ご苦労様って言っちゃった……)と落ち込むこともありますよね。 でも、わざわざ翌日「昨日はすみませんでした」と謝りに行く必要はありません。 上司もそこまで細かく覚えていないことがほとんどです。

一番のリカバリー方法は、次の挨拶で、誰よりも元気よく「お疲れ様です!」と言うことです。 「この子は挨拶が気持ちいいな」というポジティブな印象で、失敗の記憶を上書きしてしまいましょう。

コトクマ

言葉のマナーも大切ですが、それ以上に「オドオドする態度」の方が相手に不安を与えます。「労いたい」というあなたの優しい気持ち自体は間違いではありません。堂々としていれば大丈夫ですよ!

レベルアップ! 「お疲れ様」以外の気の利いた言い換え表現

「お疲れ様です」は便利ですが、そればかりだと「ロボットみたいだな」と思われるかもしれません。 ここぞという時に使える、ワンランク上の言葉をポケットに入れておきましょう。

感謝を伝える「ありがとうございます」の魔法

上司から資料を受け取った時や、アドバイスをもらった時。 「お疲れ様です」と言う人が多いですが、「ありがとうございます」の方が100倍心に響きます。 「労い」よりも「感謝」を伝えられて嬉しくない人はいません。

体調を気遣う「ご自愛ください」「無理なさらないでください」

繁忙期や、上司が風邪気味のとき。 帰り際に「お疲れ様でした」に加えて、「急に寒くなったので、ご自愛くださいね」「あまり無理なさらないでくださいね」と一言添えてみましょう。 「おっ、気の利く部下だな」と一目置かれること間違いなしです。

【上級編】具体的な行動を労う

定型文ではなく、相手の行動にフォーカスした言葉は最強です。

  • 「長時間の会議、大変でしたね」
  • 「雨の中、訪問ありがとうございました」
  • 「〇〇さんのプレゼン、勉強になりました」

これらは「あなたのことを見ていましたよ」というメッセージになります。相手の承認欲求を満たす、最高のコミュニケーションです。

よくある疑問を解決(FAQ)

最後に、読者の皆さんからよく寄せられる疑問にお答えします。

Q. 上司から「ご苦労様」と言われたら、どう返すのが正解?

A. 「お疲れ様です」と返しましょう。 上司が部下に「ご苦労様」と言うのはマナーとして正しいので、問題ありません。 だからといって「ご苦労様です」とオウム返しするのはNG(目上に使うことになるため)。 笑顔で「お疲れ様です!」や「ありがとうございます!」と返せば完璧です。

Q. 部活の先輩にはどっち?

A. 部活のルール(伝統)に従いましょう。 体育会系の部活などでは、伝統的に「後輩は『ご苦労様です』を使う」という独自のルールが存在することがあります。その場合は、郷に入っては郷に従えで、部内のルールを優先してOKです。 ただし、引退して社会に出たらそのルールは通用しないことだけ覚えておいてくださいね。

Q. 家族(親)には使ってもいい?

A. 基本的にはOKですが、関係性によります。 家族は身内なので厳密なマナーは不要です。お父さんに「お仕事ご苦労様!」と言っても、喜ばれることの方が多いでしょう。 ただ、親しき仲にも礼儀あり。「お疲れ様」の方がフラットで柔らかい響きになるので、迷ったらそちらがおすすめです。

まとめ:言葉は「心」を伝えるツール

いかがでしたか? 最後に、この記事のポイントをまとめます。

  1. 目上には「お疲れ様です」、目下には「ご苦労様です」。
  2. 迷ったら万能な「お疲れ様です」を使っておけば安全。
  3. 社外の人には「お世話になっております」を徹底する。
  4. もし間違えても、笑顔で「失礼しました!」と言い直せばOK。

言葉のルールは細かくて面倒に感じるかもしれません。 でも、マナーの根底にあるのは「相手を不快にさせたくない」「敬意を表したい」という、あなたの温かい心です。

形にとらわれすぎてガチガチになる必要はありません。 相手の顔を見て、心を込めて挨拶をすれば、多少の言葉の違いなんて吹き飛んでしまうものです。

明日、会社で上司に会ったら、ぜひ自信を持って「おはようございます!」「お疲れ様です!」と声をかけてみてください。 きっと、素敵な一日が始まるはずですよ。

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