「次から、キミに議事録をお願いするね」
上司や先輩からそう言われて、「どうしよう……」と不安になっていませんか? 新入社員や若手ビジネスパーソンにとって、最初の大きな壁となるのがこの「議事録作成」ですよね。
「会議の内容に全然ついていけない」 「タイピングが遅くて、発言をメモしきれない」 「一生懸命書いたのに、上司から『わかりにくい』とダメ出しされてしまった……」
そんな悩みを持つ方も多いはず。でも、安心してくださいね。 議事録は、最初から上手に書ける人なんていません。いくつかコツを知るだけで、劇的にわかりやすくなるんです。
この記事では、「そもそも議事録には何を書けばいいの?」という基本から、会議中にタイピングが追いつかない時の対処法、そしてそのまま使えるテンプレートまで、中学生でもわかるように丁寧に解説します!
この記事でわかること
- 議事録の本当の目的(一言一句メモしなくてOK!)
- 会議前・会議中にやるべき「準備とメモのコツ」
- 劇的に読みやすくなる!Before/Afterの実例とテンプレート
この記事を最後まで読めば、「議事録、もう怖くないかも!」と思えるはずですよ。一緒に学んでいきましょう!
議事録の本当の目的とは?(なぜ書くの?)
書き方のテクニックをお伝えする前に、まずは「なぜ議事録を書くのか」を明確にしましょう。ここを理解しているかどうかで、書くべき内容が大きく変わってきます。
「一言一句」を記録することではない!
議事録係に選ばれた人が陥りがちな一番の罠、それは「会議中の発言を一言一句、すべて漏らさずに書き残さなければ!」と思い込んでしまうことです。
これは大きな間違いです! 議事録は「発言録(テープ起こし)」ではありません。必要な情報だけを整理して伝える「まとめ」なのです。
たとえば、会議中に「昨日食べたラーメン美味しかったよね」「そういえばあの件はどうなった?」といった雑談が挟まることもありますよね。そうした本筋に関係のない発言まで一生懸命メモする必要はありません。
議事録の3つの重要な役割
では、議事録にはどんな役割があるのでしょうか。大きく分けて次の3つです。
- 決定事項の共有(何が決まったのか?) 会議に参加した人も、参加できなかった人も、「結論」がパッと見てわかるようにするためです。
- 次のアクションの明確化(誰が、いつまでに、何をするのか?) これをビジネス用語で「ToDo(やること)」や「ネクストアクション」と呼びます。ここがあやふやだと、会議をした意味がなくなってしまいます。
- 「言った・言わない」のトラブル防止 「あの時、確かに〇〇という条件で合意しましたよね?」という証拠(備忘録)として残すためです。
💡コトバノモリ編集部のワンポイントアドバイス 議事録を書く時は、「この会議に参加していない人が読んでも、パッと見て結論とこれからの動きがわかるか?」を意識してみてください。この視点を持つだけで、まとめるのがグッと上手になりますよ!
【事前準備】議事録は「会議の前」に8割終わっている
「タイピングが遅くて……」と悩んでいる方の多くは、会議が始まってから真っ白な画面に向かって文字を打ち始めています。 実は、議事録作成の勝負は「会議の前」に始まっているのです!
会議の「ゴール」を事前に確認する
会議には必ず「目的(ゴール)」があります。今日集まって、最終的にどうなれば「良い会議」だったと言えるのか。これを事前に把握しておきましょう。
- 例1:アイデア出しの会議(ブレスト)
- ゴール:新しい企画のアイデアをたくさん出すこと。
- 書くべきこと:出たアイデアの数々、その中から絞り込まれた有望な案。
- 例2:承認をもらうための会議
- ゴール:提案したA案またはB案について、上司から「GOサイン」をもらうこと。
- 書くべきこと:A案・B案のそれぞれのメリット・デメリット、最終的にどちらがなぜ選ばれたか(決定理由)。
事前に「今日は〇〇を決める会議だな」とわかっていれば、会議中も「あ、いま重要なことを話しているな」とポイントを掴みやすくなります。
テンプレートを開き、事前に項目を埋めておく
会議が始まる前に、必ず議事録の「テンプレート(ひな形)」を開いておきましょう。(テンプレートは記事の後半でプレゼントしますね!)
そして、事前にわかっている情報は、会議が始まる前にすべて書き込んでおくのが鉄則です。
- 事前に書いておくべき項目
- 会議の名称
- 日時、場所
- 参加者(役職順、社外の人がいる場合は分けて書く)
- アジェンダ(今日の議題・進行予定)
これらを事前に書いておくだけで、会議中は「話し合いの内容」だけに集中できるようになり、焦りがグッと減りますよ。
【会議中】タイピングが「追いつかない」を防ぐメモのコツ
「事前準備はバッチリ!でも、いざ会議が始まるとみんなの会話のスピードに指がついていかない……」 そんな時のための、とっておきのメモ術をご紹介します。
「誰が・いつまでに・何をするか(ToDo)」と「決まったこと」だけ拾う
先ほど「一言一句書かなくていい」とお伝えしましたね。 タイピングが追いつかない時は、最悪の場合、次の2点だけは絶対に逃さないようにメモしてください。
- 決まったこと(決定事項)
- 誰が・いつまでに・何をするか(ToDo)
極端な話、この2つさえ間違っていなければ、議事録としての最低限の役割は果たせます。
たとえば、次のような会話があったとします。
【会話の例】 「A案はコストがかかりすぎる気がするな。B案のほうが安全だし、スケジュールも間に合いそうだ。よし、今回はB案で進めよう。鈴木くん、来週の金曜日までにB案の詳細なスケジュール表を作ってくれるかな?」
【メモすべき内容】
- 決定事項:今回はB案で進める
- ToDo:鈴木さんが、来週金曜日(〇月〇日)までに、詳細スケジュールを作成する
この時、「A案はコストがかかるから〜」という理由は後から思い出して付け足せることも多いので、まずは結論とToDoを優先してメモしましょう。
事実と意見を切り分ける(記号の活用術)
会議中は、様々な意見が飛び交います。議事録を書く上で重要なのは、「事実」と「個人の意見」を分けて書くことです。 この時、キーボードの「記号」を上手く使うと、入力スピードが格段に上がります。
【便利な記号の例】
- 「・」または「-」 :箇条書きの基本
- 「→」 :決定事項や、次にとるべき行動
- 「Q」と「A」 :質問と回答のセット
- 「※」 :注意書きや保留になった事項
【メモの例】
- 現状:今月の売上が目標から10%未達
- 佐藤意見:〇〇のキャンペーンが弱かったのでは
- →【決定】来週火曜までに、代替案を3つ出す(担当:田中)
- Q:代替案の予算は?(鈴木) A:既存の〇〇の予算を回す予定(佐藤)
このように記号をルール化しておくと、単語を並べるだけで内容がスッキリ整理されます。
迷ったらその場で質問してOK!
「今の発言、どういう意味だろう……?」「結論がうやむやになって、次の話題にいっちゃった……」 会議中、こんな風に取り残されること、ありますよね。
そんな時、「後で録音を聞き直そう」「先輩にあとでこっそり聞こう」と思ってやり過ごすのは危険です!
勇気がいるかもしれませんが、わからなかった時は、その場で遮って質問してしまいましょう。
【質問のフレーズ例】
- 「恐れ入ります、議事録の確認なのですが、今の件は〇〇ということで決定してよろしいでしょうか?」
- 「すみません、私の理解が追いついておらず……〇〇さんの担当ということで合意してよろしいですか?」
議事録係がこのように確認を入れることで、参加者全員の認識が揃うというメリットもあります。「あいつ、しっかり仕事してるな」と逆に評価が上がるポイントですよ!
【会議後】わかりやすい議事録に仕上げる書き方の基本
会議が無事に終わったら、自分がとったメモを「誰が読んでもわかる議事録」に清書していきます。ここでのコツは、「読む人の負担を減らす」ことです。
だらだら書かない!結論から書く(PREP法)
ビジネス文書の基本中の基本ですが、議事録も必ず「結論」から書きましょう。 「PREP(プレップ)法」という型を意識すると、驚くほどわかりやすい文章になります。
- P = Point(結論): 何が決まったのか?
- R = Reason(理由): なぜその決定になったのか?
- E = Example(具体例・詳細): 具体的な内容や意見のやり取りは?
- P = Point(結論): (まとめとして)だからどうするのか?
会議の話し合いは、たいてい「理由」や「具体例」から始まって、最後に「結論」が出ますよね。でも、議事録に書くときはその順番をひっくり返して、「結論」を一番上に持ってくるのが最大のポイントです。
主語と述語を明確にし、文末を統一する
メモの段階では「〇〇の件、来週に延期」などと省略して書いていた部分も、清書する時は「誰が」「何を」するのかを補って書きましょう。
また、文章の語尾(文末)は統一するのがマナーです。 一般的には「〜だ・〜である(常体)」が好まれますが、社内の雰囲気によっては「〜です・〜ます(敬体)」を使うこともあります。どちらかに統一して、スマートな印象に仕上げましょう。
注意したい表現の例
- ×「〜と思います」 → 会議の決定事項なのか、個人の感想なのかわかりません。
- ×「なる早で」 → いつまでなのか明確ではありません。「〇月〇日(金)までに」と具体的に書きましょう。
【Before / After】ありがちな「ダメな議事録」の改善例
では、実際に新入社員がやりがちな「ダメな書き方」を、「良い書き方」に直してみましょう。どこが変わったか、見比べてみてくださいね。
パターン1:会話をそのまま書いてしまっている
- 【Before】 田中部長「新商品のパッケージ、青と赤どっちがいいかな?」 鈴木さん「赤のほうが目立って良いと思います」 佐藤さん「いや、若者向けなら青がおしゃれじゃないですか?」 田中部長「うーん、じゃあ今回は若者がターゲットだから青にしようか」
- 【After】 決定事項:新商品のパッケージカラーは「青」とする。 (理由)ターゲット層である若者向けのスタイリッシュさを優先したため。
パターン2:主語がなく、誰がやるのかわからない
- 【Before】 来月のイベントに向けて、チラシを300枚印刷することになった。来週中にはデザインを完成させて入稿する予定。
- 【After】 【ToDo】 ・チラシのデザイン完成・入稿(担当:鈴木 / 期限:〇月〇日) ・チラシ300枚の印刷手配(担当:佐藤 / 期限:〇月〇日)
このように、「結論を目立たせる」「箇条書きを使う」「担当者と期限を明記する」だけで、見違えるようにプロっぽい議事録になりますよ!
💡コトバノモリ編集部のワンポイントアドバイス 議事録の清書は、会議が終わったらすぐ(記憶が新しいうちに)取りかかるのが最大のコツです。時間が経てば経つほど、「これ、どういう意味でメモしたんだっけ?」と思い出せなくなり、何倍も時間がかかってしまいます。
コピペで使える!議事録の基本フォーマット(テンプレート)
「一から書くのはやっぱり不安……」という方のために、そのままコピー&ペーストして使えるテンプレートをご用意しました。 会社の指定フォーマットがない場合は、ぜひこちらをメモ帳やWordなどに貼り付けて使ってみてください。
汎用型テンプレート(社内会議・定例ミーティング向け)
一般的なミーティングで一番使いやすい、スタンダードな形式です。
【会議名】〇〇プロジェクト 定例進捗会議
【日 時】202X年〇月〇日(金) 10:00〜11:00
【場 所】第2会議室(またはオンラインURL)
【参加者】(役職順に記載)田中部長、佐藤課長、鈴木、高橋(議事録)
【アジェンダ(議題)】
1. 前回のToDo進捗確認
2. 今月のプロモーション施策について
3. その他連絡事項
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【決定事項まとめ】
・今月のプロモーション施策は「A案」で進行する。
・次回会議は〇月〇日(水)14:00から実施する。
【ToDo(次回までの宿題)】
・A案の詳細スケジュールの作成(担当:鈴木 / 期限:〇月〇日)
・提携先への企画書送付(担当:佐藤 / 期限:〇月〇日)
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【議事詳細】
■1. 前回のToDo進捗確認
・〇〇の件について、手配完了済み。(鈴木)
・△△の件は、先方からの返答待ちのため来週に持ち越し。(高橋)
■2. 今月のプロモーション施策について
(結論)A案で進行する。
(意見・経緯)
・A案:コストはかかるが、ターゲット層へのリーチが期待できる。(佐藤)
・B案:コストは抑えられるが、準備期間が足りない。(鈴木)
→ 予算内で収まる見込みが立ったため、効果の高いA案を採用。(田中)
■3. その他連絡事項
・〇月〇日の社内サーバーメンテナンスについて、各自データのバックアップをお願いします。(高橋)
以上
決定事項・ToDo特化型テンプレート(プロジェクト会議向け)
「とにかくパッと見て次にやることがわかるようにしたい!」という、スピーディなプロジェクト会議向けのシンプルな形式です。
【議事録】〇〇打ち合わせ(202X/〇/〇)
日時:202X年〇月〇日(金) 13:00〜14:00
参加者:〇〇、〇〇、〇〇(記)
■結論・決定事項
・
・
■次回までのToDo(誰が・いつまでに・何を)
・〇〇さん:〇月〇日までに、〇〇の資料を作成
・〇〇さん:〇月〇日までに、〇〇へ連絡し見積もりを取得
■議論のポイント・経緯
・(ここに重要な意見や、結論に至った理由を簡潔に記載)
・
・
■次回会議
202X年〇月〇日(〇) 〇:〇〜
提出前の最終確認!上司から一発OKをもらうチェックリスト
議事録が書き上がったら、「よし、できた!」とすぐに送信ボタンを押してはいけません。 提出前に、必ず以下のポイントを自分自身でチェックしましょう。これを確認するだけで、上司からの「差し戻し」を劇的に減らすことができます。
- 決定事項とToDoがひと目でわかるか?(埋もれていないか)
- 「誰が・いつまでに・何をするか」が明確に書かれているか?
- 参加者の名前、役職名、社名に間違いはないか?(漢字の間違いは大変失礼にあたります!)
- 日付や時間、金額などの数字に間違いはないか?
- 誤字脱字、変換ミスはないか?
- 専門用語の使い方は間違っていないか?
- 適度に改行や空白(余白)があり、スマホやパソコンの画面で読みやすいか?
すべての項目をクリアできたら、自信を持って提出しましょう!
議事録作成をさらにラクにする便利なツール
ここまで「自力で書く」コツをお伝えしてきましたが、今は便利なツールがたくさんあります。これらを賢く使うのも、仕事ができる人のテクニックです。
録音アプリ・ICレコーダーの活用
スマホのボイスメモやICレコーダーで、会議の音声を録音しておくのは非常におすすめです。 「聞き逃しても、後で確認できる」という安心感があるだけで、会議中の焦りがなくなり、ポイントを絞ったメモに集中できるようになります(※録音する際は、事前に「議事録作成のため、録音させていただいてもよろしいでしょうか」と参加者に一言断りを入れるのがマナーです)。
AI文字起こしツールの導入
最近は、音声を自動でテキスト化してくれる「AI文字起こしツール」がとても優秀になっています。 ZoomやTeamsなどのWeb会議ツールに内蔵されている機能もありますし、外部のアプリを使うこともできます。 ただし、AIも完璧ではありません。専門用語や社内独自の言葉、同じような声の人の聞き分けなどは間違えることも多いので、「文字起こしされたテキストを、人間が要約して整える」という最終確認のステップは必須です。
議事録に関するよくある質問(FAQ)
最後に、議事録作成についてよく聞かれる疑問にお答えします!
Q1: 専門用語が多くて、会話の内容が理解できません。 A1: わからない言葉が出てきたら、カタカナやひらがなで「音」のままメモしておきましょう。会議が終わった後に、先輩に「ここで出てきた〇〇という言葉はどういう意味でしょうか?」と質問するか、インターネットで検索して正しい言葉に直せば大丈夫です。
Q2: 雑談や余談はどこまで書くべきですか? A2: 基本的には「一切書かなくてOK」です。ただし、その雑談から新しいアイデアが生まれたり、今後のヒントになるような重要な発言があった場合は、「参考意見」として残しておくと喜ばれることがあります。
Q3: 議事録はいつまでに提出すべきですか? A3: 「会議が終わってから24時間以内(翌営業日まで)」が鉄則です! 人間の記憶はすぐに薄れてしまいます。また、ToDo(次の行動)に取りかかるためにも、早く共有されればされるほど良いとされています。「鉄は熱いうちに打て」ですね。
Q4: 上司とお客様で「敬称」はどう使い分けますか? A4: 社内向けの議事録であれば「田中部長」のように役職をつけるか、「田中さん」で統一するのが一般的です。社外の人(お客様)が含まれる場合は「〇〇株式会社 田中様」とし、自社の人間は呼び捨て(「弊社 佐藤」など)にするのがビジネスマナーです。
まとめ
いかがでしたか? 議事録の書き方について、少しでもハードルが下がったでしょうか。
今回お伝えした重要なポイントを振り返りましょう。
- 一言一句メモする必要はなし!「決定事項」と「ToDo」を逃さない。
- 議事録の勝負は「会議前」に決まる。テンプレートを事前に埋めておく。
- 清書する時は「結論ファースト」で、誰がいつまでに何をするかを明確に。
最初は時間がかかったり、うまくまとめられなかったりして当たり前です。ベテランの先輩たちも、みんな最初はそうやって苦労しながらコツを掴んできました。
議事録は、「会議の内容を俯瞰して整理する力」が鍛えられる、最高のビジネススキルトレーニングです。 この記事のテンプレートやコツを活用して、ぜひ自信を持って議事録係にチャレンジしてみてくださいね。応援しています!

