「久しぶりに手紙を書くんだけど、最後の結び言葉ってなんだっけ?」 「『拝啓』で始めたら、最後は『敬具』?それとも『草々』?」
手紙を書くとき、書き出しの言葉(頭語)と結びの言葉(結語)、どっちを使えばいいのか迷って手が止まってしまったことはありませんか? もし間違った組み合わせを使ってしまうと、相手に「あれ、マナーを知らないのかな?」と思われてしまうかもしれません。ちょっと心配ですよね。
でも、安心してください! 実は、この組み合わせにはとってもシンプルな「黄金ルール」があるんです。これさえ覚えてしまえば、もう二度と迷うことはありません。
この記事では、言葉のプロが以下のポイントをわかりやすく解説します。
- 一発で解決! 「拝啓」や「前略」に合わせる正しい結び言葉リスト
- 納得の理由! なぜ「草々」は目上の人に使いにくいのか?
- 女性必見! 魔法のように便利な言葉「かしこ」の使い方
これを読み終わる頃には、あなたも自信を持って、素敵なお手紙を締めくくれるようになっていますよ。
結論!「拝啓」なら「敬具」、「前略」なら「草々」が正解
まず最初に、一番大切な「答え」をお伝えします。 手紙の言葉は、「最初の挨拶(頭語)」と「最後の挨拶(結語)」がペアになっている必要があります。
あれこれ迷わずに、まずはこの基本のセットだけ覚えておきましょう!
これだけ覚えればOK!基本の組み合わせ早見表
| 手紙の書き出し(頭語) | 手紙の結び(結語) | 使う場面のイメージ |
|---|---|---|
| 拝啓(はいけい) | 敬具(けいぐ) | 【基本】 普通の手紙、目上の人、ビジネス |
| 前略(ぜんりゃく) | 草々(そうそう) | 【急ぎ】 親しい人、用件のみ伝えたい時 |
| 謹啓(きんけい) | 謹白(きんぱく) | 【最上級】 特にお世話になった方、超・正式な場面 |
もっともよく使うのは、一番上の「拝啓」と「敬具」のセットです。全体の9割くらいはこれでOKと言っても過言ではありません。



スマホでメッセージを送るとき、「こんにちは」と言わずにいきなり本題に入ることがありますよね? それが「前略」です。 逆に、きちんと「こんにちは」と挨拶してから話し始めるのが「拝啓」です。 「拝啓(こんにちは)」と言ったら「敬具(さようなら)」で終わる。 そう覚えると自然ですよね!
なぜセットなの?中学生でもわかる覚え方のコツ
「どうしてもどっちがどっちか忘れてしまう…」 そんな人は、運動会の「開会式」と「閉会式」をイメージしてみてください。
- 「拝啓(はいけい)」 = きちんとした開会式。「さあ、これから始まりますよ」という合図です。
- 「敬具(けいぐ)」 = きちんとした閉会式。「これにて終了します。ありがとうございました」という丁寧な締めくくりです。
もし、開会式(拝啓)をしたのに、閉会式(敬具)をせずにみんなが勝手に帰ってしまったら変ですよね? 逆に、いきなり競技から始めた(前略=挨拶を省略)なら、最後もサクッと終わる(草々)のが自然です。
「丁寧なスタートには丁寧なゴールを、急いだスタートには急いだゴールを」 これが、手紙のマナーの基本ルールなんです。
「敬具」と「草々」の決定的な違いとは?意味を知れば間違えない!
「ルールなのはわかったけど、そもそも『敬具』とか『草々』ってどういう意味なの?」 言葉の意味(語源)を知ると、さらに使い分けがはっきりと理解できるようになります。
実はこの二つ、相手に対する「敬意」の示し方がまったく違うのです。
「敬具」は「謹んで申し上げました」という最敬礼
「敬具」という漢字を見てみましょう。「敬(うやま)う」に、道具の「具」と書きますね。 これは昔の言葉で「謹(つつし)んで申し上げました」という意味を持っています。
イメージとしては、相手の目を見て、背筋を伸ばして深々とお辞儀をしている姿です。 「あなたを敬っていますよ」「失礼のないように丁寧に書きましたよ」という気持ちが込められているので、目上の人やビジネス、改まったお礼状などで使うのにぴったりなんです。
「草々」は「走り書きでごめんなさい」というお詫び
一方の「草々」。「草」という字が使われていますね。 この「草」は、植物の草ではなく、「草案(下書き)」や「草書(崩し字)」のように、「粗末な」「簡単な」「十分ではない」という意味で使われています。
つまり「草々」とは、 「本来ならもっと丁寧にお手紙を書くべきところですが、急用のため走り書きになってしまいごめんなさい(粗々で失礼します)」 というお詫びのニュアンスが含まれている言葉なのです。
- 「急いで用件だけ伝えたい!」
- 「親しい間柄だから、前置きはナシで!」
そんな時に「前略(前置きを省略します)」と書き出し、最後にお詫びとして「草々(走り書きでごめんなさい)」と結ぶわけです。



「草々」には「雑に書いた」という意味があるわけではありませんが、「略式(簡略化したもの)」であることは間違いありません。 ですから、就職活動のお礼状や、目上の方への謝罪文などで「草々」を使ってしまうと、「大切な手紙なのに省略するなんて失礼だ!」と思われてしまうリスクがあります。 迷ったら、とりあえず「拝啓・敬具」のセットを使っておくのが一番安全ですよ!
知らないと恥をかく?「草々」を使う時の3つの注意点
便利に見える「草々」ですが、実は使い方を間違えると相手に失礼になってしまうことがあります。 ここでは、特に気をつけてほしい3つのポイントをご紹介します。
【漢字注意】「早々」と書くのは間違い!
一番多い間違いがこれです。パソコンやスマホで変換すると、「早々」と出てくることがありますが、これは間違いです。
- × 早々 … 「早々に片付ける」など、時間的に早いこと。
- ○ 草々 … 「草かんむり」のついた草々。粗略ですみません、という意味。
手紙の最後に書くときは、必ず植物の「草」を使うようにしましょう。「草(くさ)」と打って変換すると間違えにくいですよ!
【相手注意】目上の人への「正式な手紙」では避けるのが無難
先ほどお伝えしたように、「草々」には「走り書きで失礼します」という意味が含まれています。
例えば、恩師へのお礼状や、上司への報告など、きちんと敬意を表したい場面で「走り書きでごめんね」と伝えたらどうでしょう? 少し軽く見られているような気がしますよね。
親しい先輩なら問題ありませんが、「絶対に失礼があってはいけない相手」には、「前略・草々」ではなく「拝啓・敬具」を使うのが大人のマナーです。
【場面注意】お詫び状や弔事(お悔やみ)では絶対NG
ここが一番の落とし穴です。 「謝罪文(お詫び状)」や「お悔やみの手紙」では、絶対に「草々」を使ってはいけません。
- 謝罪:「反省しています」と言いながら「走り書きですが(草々)」と結ぶのは不誠実です。
- お悔やみ:「悲しいです」と言いながら「前置きは省略して(前略)」と始めるのは心がこもっていないように見えます。
こうした特別な場面では、そもそも頭語・結語を使わないか、「対外的な挨拶は抜きにして、すぐに本題(お悔やみ)に入ります」という別のルールがあります。迷ったら周囲の大人に相談するか、形式ばらない言葉で気持ちを伝えましょう。
女性なら知っておきたい!魔法の言葉「かしこ」
もしあなたが女性なら、「敬具」の代わりに使える「かしこ」という素敵な言葉があることを知っておいてください。これが使えると、手紙の印象がグッと良くなりますよ。
「敬具」よりも柔らかく、上品な印象になる
「敬具」という言葉は、少し堅苦しい、四角いイメージがありませんか? そこで使えるのが「かしこ」です。
これは「恐れ多いことですが(かしこまりました)」という意味から来ていて、相手を敬いつつも、柔らかく奥ゆかしい雰囲気を出すことができます。 ひらがなで書くので、見た目も優しく、親しみやすい手紙になります。
どんな頭語とも合わせられる「万能選手」
「かしこ」のすごいところは、「拝啓」にも「前略」にも合わせられるという点です。 さらに言うと、頭語を何も書かずに、いきなり「春の風が〜」と書き始めて、最後に「かしこ」と結ぶだけでも様になります。
- 「拝啓」 …… (本文) …… 「かしこ」
- 「前略」 …… (本文) …… 「かしこ」
- (なし) …… (本文) …… 「かしこ」
どれも正解です。「敬具だと堅すぎるし、草々だとくだけすぎる…」と迷ったときは、魔法の言葉「かしこ」を使ってみてください。
現代の疑問!ビジネスメールで「敬具・草々」は必要?
最近は手紙よりもメールを使うことの方が多いですよね。「メールでも『拝啓』とか書くべき?」と悩む人もいるかもしれません。
基本的には不要!「署名」で終わるのが一般的
結論から言うと、普段のビジネスメールでは「拝啓・敬具」は不要です。 メールは「スピード」と「わかりやすさ」が命。「拝啓」と書くスペースがあるなら、すぐに用件に入った方が親切だと考えられています。
その代わり、文末には必ず「よろしくお願いいたします」と添えて、最後に自分の名前や連絡先(署名)を入れて締めくくります。これが現代の「敬具」の代わりです。
あえて使うなら?社外への「超・正式」なメール
ただし、例外もあります。 例えば、「正式な依頼状」や「お礼状」をPDFファイルにしてメールに添付する場合や、初めて連絡する重要人物へのメールなどです。
こうした場面であえて「拝啓……(本文)……敬具」という形式を使うと、「あなたを大切に思って、礼儀正しく接していますよ」という特別な丁寧さを演出することができます。ここぞという時のテクニックとして覚えておきましょう。
まとめ:相手を想う気持ちがあれば、形式は怖くない
手紙のルール、少し自信がつきましたか? 最後に、今回のポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 基本は「拝啓」と「敬具」のセット。 迷ったらこれを使えば間違いなし!
- 急ぎなら「前略」と「草々」のセット。 ただし目上の人やお詫びには使わない。
- 「草々」の漢字に注意。 「早々」と書かないように!
- 女性なら、柔らかい「かしこ」も便利。
形式やマナーは、相手を不快にさせないための「思いやり」の形です。 でも、一番大切なのは「相手に気持ちを伝えたい」というあなたの心そのものです。
多少間違えてしまっても、一生懸命書いた手紙なら、きっと相手は喜んでくれます。 恐れずに、ぜひペンを取って想いを綴ってみてくださいね。
よくある質問(FAQ)
Q. 横書きの手紙でも「敬具」を使っていいの? A. はい、使って大丈夫です! ただし、書く位置に注意しましょう。縦書きの場合は「行の下の方」に書きますが、横書きの場合は「行の右端」に寄せます。
Q. 「敬具」を書くときは改行するの? A. はい、本文が終わったら改行して、新しい行の一番下(下揃え)に書くのが基本です。本文の直後に続けて書くのは避けましょう。
Q. 友達へのLINEで使ったら変ですか? A. 仲の良い友達に「拝啓・敬具」を使うと、急に他人行儀になったり、あるいは「冗談かな?」と思われたりするでしょう。LINEならスタンプや「またね!」くらいがちょうど良い距離感です。

