「何卒よろしくお願い申し上げます」の意味とは?ビジネスで使える例文・言い換え・返信マナーを徹底解説

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「何卒よろしくお願い申し上げます」の意味とは?ビジネスで使える例文・言い換え・返信マナーを徹底解説

仕事のメールや、目上の方への手紙の最後で、こんな風に悩んだことはありませんか?

「『よろしくお願いいたします』だけだと、なんだか軽い気がする……」 「もっと丁寧に、この『お願いしたい!』という気持ちを伝えたいけれど、良い言葉が見つからない」

そんな時に頼りになるのが、「何卒(なにとぞ)」という言葉です。 多くのビジネスパーソンが、なんとなく「定型文」としてコピペして使っていますが、実はこの言葉には、相手の心を動かす「強い熱意」が秘められているのをご存知でしょうか?

この記事では、言葉のプロである編集部が、以下のポイントをわかりやすく解説します。

  • 「何卒」に込められた本来の意味と、相手に与える印象
  • 【そのまま使える】シーン別のビジネスメール例文集
  • やってはいけないNGマナーと、大人の言い換え表現

この記事を読み終わる頃には、あなたはもう「なんとなく」言葉を使うのを卒業し、「ここぞ!」という場面で相手の信頼を勝ち取るメールが書けるようになっているはずです。 さあ、一緒に言葉の森を歩いていきましょう。

目次

そもそも「何卒(なにとぞ)」ってどういう意味?

ビジネスシーンで頻繁に見かける「何卒」ですが、普段の会話で「昨日は何卒ありがとうございました」なんて言うことはまずありませんよね。 まずは、この言葉が持つ本当の意味とパワーについて、中学生でもわかるように紐解いていきましょう。

「何卒」=「どうか」「なんとかして」という強い願い

辞書で「何卒」を引くと、次のような意味が出てきます。

  1. 相手に強く願う気持ち(どうぞ、どうか)
  2. 手段を尽くそうとする気持ち(なんとかして)

つまり、「何卒よろしくお願い申し上げます」というのは、単なる挨拶ではありません。 「私の力ではどうにもならないので、あなたの力でなんとかお願いします!」「どうしても叶えたいんです!」という、切実な願いが込められた言葉なのです。

日常会話で例えるなら、「一生のお願い!」に近いニュアンスが含まれているとイメージするとわかりやすいかもしれません。

コトクマ

言葉には「重さ」があります。「よろしく」よりも「よろしくお願いします」が重く、さらに「何卒よろしくお願い申し上げます」はもっと重い言葉です。 この「重さ」は、相手に対する「敬意」の重さでもあります。だからこそ、ここ一番の場面で使うと効果的なんですよ。

なぜ「何卒」と言うの?語源をサクッと解説

ちょっと不思議な響きの「なにとぞ」。実は、昔の言葉がくっついてできた言葉なんです。

  • 「なに」:代名詞(なに)
  • 「と」:格助詞(〜と)
  • 「ぞ」:強調の係助詞(〜だ!)

これらが合体して「なにとぞ」になりました。 もともとは「何としてでも」「何が何でも」という意味で使われていた言葉が、時代の変化とともに、相手にお願いする時の「どうぞ」の強調形として定着していったのです。

「何」という言葉が入っていることからも、「どんな手段を使っても(何をしてでも)」という必死さが伝わってきますよね。

「よろしくお願いいたします」との違いは「熱量」!

一番よくある疑問が、「普通の『よろしくお願いいたします』と何が違うの?」という点です。 結論から言うと、その違いは「熱量(丁寧さの度合い)」にあります。

わかりやすく表にまとめてみましょう。

スクロールできます
表現丁寧度使われるシーンニュアンス
よろしくお願いします社内のチャット、親しい先輩「頼んだよ〜」「よろしくね」に近い軽い挨拶
よろしくお願いいたします★★社外メール、上司への報告「お願いしますね」という標準的な丁寧語
何卒よろしくお願い申し上げます★★★重要な依頼、謝罪、初めての挨拶「心からお願いします」「どうか力を貸してください」

イメージとしては、

  • 「よろしくお願いいたします」は、頭を45度下げてお辞儀をしている状態。
  • 「何卒よろしくお願い申し上げます」は、90度の深いお辞儀、あるいは土下座をして頼み込んでいる状態。

それくらい、相手に対する「すがりたい気持ち」や「強い敬意」が上乗せされていると考えてください。

【シーン別】コピペOK!「何卒」のビジネス例文集

意味がわかったところで、実践編です! 「何卒」は強力な言葉ですが、使い所を間違えると「大げさだな」と思われてしまうことも。 ここでは、そのままコピペして使える自然な言い回しを、シチュエーション別にご紹介します。

【基本】メールの結び・挨拶(今後とも〜)

最も一般的で使いやすいのが、メールの最後の「結びの言葉」として使うパターンです。 特に、初めて連絡する相手や、目上の方(役員や社長クラス)重要なお客様へのメールでは、「何卒」を使うことで「私はあなたを大切に思っています」というメッセージを伝えることができます。

1. 新しい取引先への最初の挨拶

これからお世話になる相手には、最大の敬意を払いましょう。

本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。 今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます

2. 年末の挨拶や、プロジェクトの完了時

区切りのタイミングでもよく使われます。

本年中は多大なるご支援をいただき、誠にありがとうございました。 来年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます

3. しばらく連絡していなかった相手(ご無沙汰)

久しぶりの連絡は緊張するもの。「忘れられていないかな?」という不安を払拭する丁寧さを。

ご無沙汰しておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 改めまして、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます

コトクマ

毎日の社内メールや、頻繁にやり取りするチャットで「何卒〜」を毎回使うと、相手は「堅苦しいな」「コピペだな」と感じてしまいます。 「ここぞ!」という特別なメールの時だけ「何卒」に切り替えるのが、デキる大人のテクニックです!

【依頼】忙しい相手に動いてもらいたい時(ご検討、ご多忙の折〜)

ここが「何卒」の腕の見せどころです。 相手に何か手間のかかる作業をお願いしたり、検討してもらったりする時、「何卒」をつけることで「あなたの負担になることはわかっていますが、それでもお願いします」という配慮と必死さを伝えられます。

1. 資料を確認・検討してほしい時(ご査収・ご検討)

営業メールや、上司への提案などで鉄板の組み合わせです。

企画書を添付いたしました。 ご多忙の折恐縮ですが、ご査収(さしゅう)のほど、何卒よろしくお願い申し上げます

ぜひ前向きにご検討いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます

2. 教えてほしい時(ご教示)

質問をする際、相手の知識や時間を借りる敬意を表します。

不明点が多くお手数をおかけしますが、ご教示(きょうじ)賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます

3. 無理なお願いをする時

「厚かましいお願いですが…」という気持ちを込めます。

突然のお願いで大変恐縮ですが、お力添えをいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます

【お詫び】謝罪の気持ちを伝えたい時(ご容赦、ご寛恕〜)

ミスをしてしまった時、ただ「申し訳ありません」と言うだけでなく、最後に「何卒」を使って「どうか許してください」「二度としません」という反省の深さを表現します。

1. 納期が遅れる、ミスをした時(ご容赦)

「許してほしい」という言葉と一緒に使います。

多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。 どうかご容赦くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます

2. さらに重い謝罪(ご寛恕)

「ご寛恕(かんじょ)」は「広い心で許す」という意味の、非常に硬い言葉です。重大なクレーム対応などで使われます。

今後このような事態がないよう体制を強化いたします。 ご寛恕(かんじょ)賜りますよう、伏して何卒お願い申し上げます

【感謝】深い感謝を伝えたい時(厚く御礼〜)

お願いやお詫びだけでなく、溢れる感謝を伝える時にも「何卒」は使えます。

この度は多大なるご支援をいただき、心より感謝申し上げます。 末筆ながら、御礼申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます

ここだけは気をつけて!「何卒」のNGマナーと注意点

「何卒」は強力な武器ですが、使い方を間違えると逆効果になってしまうこともあります。 ここでは、意外とやりがちな失敗例を見ていきましょう。

コトクマ

「何卒」はスパイスと同じ。適量なら料理(メール)を美味しくしますが、入れすぎると全てが台無しになります!

1. 1通のメール内で連発しない(「くどい」印象に)

× 悪い例:

平素より何卒よろしくお願い申し上げます。 さて、本件につきましてご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

これでは、まるで機械が書いた文章のようで、心がこもっていないように感じられてしまいます。 「何卒」は1通のメールにつき1回まで(基本は最後の結びだけ)と決めておきましょう。

2. 「何卒よろしくお願いします」はちょっと惜しい?

間違いではありませんが、バランスの問題です。 「何卒」という重厚な言葉を使うなら、語尾も「します」より丁寧な「申し上げます」で揃えるのがベストです。

  • △ 何卒よろしくお願いします(頭が重くてお尻が軽い印象)
  • ◎ 何卒よろしくお願い申し上げます(全体的に格調高い)

3. 社内や親しい先輩に使うと「他人行儀」かも?

普段から顔を合わせている上司や、仲の良い先輩に「何卒」を使うと、「えっ、なんか怒ってる?」「距離を置かれている?」と勘違いされることがあります。 社内では「よろしくお願いいたします」で十分なケースがほとんどです。

ワンランク上の大人に。「何卒」の言い換え・類語バリエーション

いつも「何卒」ばかりでは芸がありません。 相手や状況に合わせて言葉を着せ替えられるようになると、コミュニケーションの達人です。

1. 柔らかく伝えたいなら「幸いです」「お願いいたします」

女性や、少し関係性が近い相手には、柔らかい表現が好まれます。

  • 「〜いただければ幸いです」
    • (例)ご確認いただければ幸いです。
  • 「〜お願いいたします」
    • (例)どうぞよろしくお願いいたします。

2. さらに丁重に伝えたいなら「伏して」「幾久しく」

「何卒」よりもさらにへりくだる、最上級の表現です。 謝罪の場面や、結婚式のスピーチ、式典の挨拶などで使われます。

  • 「伏(ふ)して」
    • 地面にひれ伏してお願いするイメージ。
    • (例)伏してお願い申し上げます。(=土下座レベルの懇願)
  • 「幾久(いくひさ)しく」
    • 「いつまでも変わらず」という意味。
    • (例)幾久しくご交誼(こうぎ)のほどお願い申し上げます。

3. 英語メールで「何卒」のニュアンスを出すには?

英語には直訳できる単語はありませんが、文脈で「熱意」を伝えます。

  • I would appreciate your cooperation.
    • (ご協力いただけますと幸いです=定番の丁寧な結び)
  • Thank you in advance for your help.
    • (あらかじめお礼を言います=何卒お願いしますね、という期待込み)
  • I kindly ask for your understanding.
    • (どうかご理解ください=謝罪や無理なお願いの時の「何卒」)

「何卒よろしくお願い申し上げます」と言われたら?正しい返信マナー

逆に、相手から「何卒」と言われた場合、どう返せばいいのでしょうか? 相手は「強い敬意」を示してくれているので、こちらも丁寧さで打ち返すのがマナーです。

1. 何かを依頼された場合の返信

「了解です」「わかりました」はNG。

  • ◎「承知いたしました」
  • ◎「かしこまりました」
  • ◎「拝承(はいしょう)いたしました」(かなり硬い表現)

2. 挨拶として言われた場合の返信

相手の「何卒」に対して、こちらも「何卒」で返すのは「オウム返し」のようで少し芸がありません。 「こちらこそ」という気持ちを丁寧に伝えましょう。

  • ◎「こちらこそ、よろしくお願い申し上げます」
  • ◎「こちらこそ、ご指導ご鞭撻(べんたつ)のほどよろしくお願いいたします」(目上の方へ)

よくある疑問を解決!Q&Aコーナー

Q. 電話や対面など、話し言葉で「なにとぞ」と言ってもいい?

A. 基本的には使いません。 「何卒」は主に書き言葉(手紙やメール)で使われる表現です。 口頭で言うと、時代劇のような大げさな響きになってしまいます。 話す時は「どうぞよろしくお願いいたします」「なにとぞ(→どうか)お力添えをお願いします」と言い換えるのが自然です。

Q. 「何卒」の漢字が読めない人もいる?ひらがなでもいい?

A. ビジネスでは「漢字」が基本です。 ひらがなで「なにとぞ」と書くと、柔らかすぎて頼りない印象や、幼稚な印象を与える可能性があります。 ただし、お詫び状などで「あえて柔らかく、情に訴えかけたい時」にテクニックとしてひらがなを使うケースは稀にあります。基本は漢字でOKです。

まとめ

最後に、今回のポイントをおさらいしましょう。

  1. 「何卒」は「どうか」「なんとかして」という強い願いを込めた言葉。
  2. 「よろしくお願いいたします」よりも熱量と敬意が重い。
  3. ここぞという依頼・謝罪・挨拶のシーンで使うのが効果的(乱用は厳禁!)。

「何卒よろしくお願い申し上げます」。 たった一言ですが、この言葉の裏には「あなたを信頼しています」「あなたとの関係を大切にしたいです」というメッセージが隠されています。

今日からは、ただの定型文としてではなく、あなたの「心」を乗せる言葉として、大切に使ってみてください。 その誠意は、きっと相手の心に届くはずです。

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