「そろそろ年賀状の準備をしなきゃ……でも、正直ちょっと億劫だなあ」
「郵便料金も上がったし、もっと手軽にLINEで済ませたいけれど、失礼にならないかな?」
年末が近づくと、こんなふうに悩みますよね。
最近は「デジタル年賀(スマート年賀)」を選ぶ人が急増しています。エコで手軽、しかも動画などが送れる楽しさがある一方で、「手抜きだと思われないか」という不安もつきものです。
この記事では、言葉とマナーのプロが、相手に喜ばれる「デジタル年賀」のコツをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 上司や目上の人に送る際のマナーと「送っていい相手」の境界線
- LINEやメールでそのまま送れる!好感度アップのメッセージ文例
- 無料でおしゃれな年賀状が作れるおすすめアプリ・サービス
デジタル年賀(スマート年賀)とは?いま選ばれている理由
「デジタル年賀」とは、紙のハガキではなく、LINEやメール、SNSのDMなどを通じて送る新年の挨拶のことです。「スマート年賀」や「e年賀」とも呼ばれます。
かつては「年賀状=ハガキ」が当たり前でしたが、2024年秋の郵便料金値上げ(通常ハガキ85円)や、SDGs(紙資源の節約)、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する流れから、一気に主流になりつつあります。
デジタル年賀のメリット・デメリット
移行を迷っている方は、まず特徴を整理してみましょう。
| 項目 | デジタル年賀(LINE・メール) | 紙の年賀状 |
| コスト | 基本無料(有料デザインもあり) | ハガキ代+印刷費がかかる |
| 準備の手間 | スマホで完結。住所がわからなくても送れる | 宛名書きや投函の手間がある |
| 表現の幅 | 動画、GIF、リンクなどを送れる | 写真と文字のみだが、手書きの温かみがある |
| 相手への印象 | カジュアル、手軽、エコ | 丁寧、礼儀正しい、形として残る |
| 懸念点 | 元旦0時は通信が混雑して届かないことも | 準備が遅れると元旦に届かない |
コトクマ形が変わっても、大切なのは「今年もよろしく」という相手を想う気持ちです。デジタルだからこそできる「動画メッセージ」や「ギフトを添える」といった工夫で、紙以上に気持ちが伝わることもありますよ。
「デジタル年賀は失礼?」送っていい相手・ダメな相手のマナー
一番気になるのが「誰に送ってよくて、誰にはNGなのか」というマナーの境界線ですよね。
基本的には、相手との関係性で判断します。
送ってもOKな相手・避けるべき相手
- ◎(推奨):友人、同僚、普段からSNSでやり取りがある人普段LINEで連絡を取り合っている間柄なら、全く失礼にはなりません。「あけおめスタンプ」だけでなく、一言メッセージや画像を添えると丁寧です。
- △(注意):親戚、直属の上司関係性によります。「虚礼廃止」を掲げている会社の上司や、スマホを使いこなしている親戚ならOKな場合も。迷ったら、最初は「紙の年賀状」を送るか、事前に確認するのが無難です。
- ×(避けるべき):形式を重んじる取引先、社長、恩師、ご高齢の方ビジネス上の格式高い相手や、デジタル機器に不慣れな方には、やはり紙の年賀状がマナーとして安心です。「手抜き」と受け取られてしまうリスクがあります。
送信前に確認!デジタル年賀マナーチェックリスト
送るボタンを押す前に、以下の5項目をチェックしましょう。
- [ ] 一斉送信(グループLINEやCC)になっていませんか?→ 必ず「1対1」の個人宛で送りましょう。
- [ ] 画像だけをポンと送りつけていませんか?→ 画像+テキストメッセージをセットにするのが鉄則です。
- [ ] 深夜・早朝など非常識な時間ではありませんか?→ 親しい友人以外は、元日の日中(午前中〜夕方)に送るのがベターです。
- [ ] 相手の環境で見られる形式ですか?→ 特殊なファイル形式は避け、一般的な画像(JPG/PNG)を使いましょう。
- [ ] 「来年もよろしく」の言葉は入っていますか?→ スタンプだけで済ませず、自分の言葉を一言添えましょう。
LINE・メール・SNS…媒体別デジタル年賀の送り方と手順
相手によってツールを使い分けるのが、デキる大人のポイントです。
1. LINEで送る(最も一般的)
友人や同僚にはLINEが一番手軽です。
「あけおめスタンプ」は手軽ですが、それだけだと味気ないもの。「年賀状デザインの画像」を作成して、写真として送信する方法がおすすめです。
また、LINEギフトで「お年玉代わりのコーヒーチケット」などを添えると、サプライズ感があって喜ばれます。
2. メールで送る(ビジネス・目上の人)
仕事関係の方や、LINEを知らない目上の方にはメールを使います。
HTMLメール(装飾メール)は環境によって崩れる恐れがあるため、テキストメールに画像を添付する形が最も安全です。
件名のポイント:
件名で用件と差出人がわかるようにしましょう。
- 良い例:【新年のご挨拶】新春のお慶びを申し上げます(氏名)
- 悪い例:あけましておめでとうございます(誰かわかりにくい、迷惑メールと間違われやすい)
3. SNS(Instagram / X)で送る
フォロワー全体に向けた投稿で挨拶をする場合は、個人情報を載せすぎないように注意しましょう(子供の写真や住所など)。
特定の相手に挨拶したい場合は、コメント欄ではなくDM(ダイレクトメッセージ)を使うのがマナーです。
【相手別】そのまま使える!デジタル年賀のメッセージ文例集
デジタル年賀で最も重要なのは、画像よりも「添えるメッセージ(テキスト)」です。
相手別に、コトバノモリ編集部おすすめの文例をご紹介します。コピーしてアレンジして使ってくださいね。
友達・親しい同僚へ
親しみを込めつつ、具体的なお誘いを入れると関係が深まります。
🎍あけましておめでとう!🎍
昨年はいろいろとお世話になりました。
〇〇さんと一緒にランチ開拓できたのが楽しかったよ!
今年も美味しいものをたくさん食べに行こうね。
お互いにとって素敵な一年になりますように✨
上司・先輩・お世話になった方へ
スタンプ等は使わず、丁寧な言葉遣いを心がけます。「旧年の感謝」と「新年の指導願い」をセットにするのがポイントです。
件名:【新年のご挨拶】謹んで新春のお慶びを申し上げます(氏名)
〇〇部長
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
旧年中は、プロジェクトの件で多大なるご指導をいただき、誠にありがとうございました。
本年は少しでも部長の右腕となれるよう、より一層業務に励む所存です。
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
寒さが厳しい折、どうぞご自愛ください。
(自分の署名)
ご無沙汰している知人へ
久しぶりの連絡でも、デジタルなら気軽に送れます。近況報告を一言添えましょう。
あけましておめでとうございます!
ご無沙汰していますが、お変わりありませんか?
私は最近〇〇を始めて、毎日ドタバタしています(笑)
落ち着いたら久しぶりに会ってお話ししたいですね。
本年もよろしくお願いいたします。
【重要】「来年からはデジタルにします」の伝え方
これまで紙でやり取りしていた相手に、「来年からはLINEにします」と伝える場合の文例です。今回の年賀状(または寒中見舞い)で伝えておくとスムーズです。
(挨拶文のあとに)
さて 勝手ながら 時代に合わせて
どなた様とも来年からは年賀状でのご挨拶を控えさせていただき
今後はLINEやメールにて新年のご挨拶をさせていただければと存じます
今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます
無料あり!おしゃれなデジタル年賀状が作れるおすすめアプリ
「デザインセンスに自信がない……」という方でも大丈夫。スマホひとつでプロ並みの画像が作れるサービスがあります。
- Canva(キャンバ):世界中で人気のデザインアプリ。「年賀状」で検索すると、無料でおしゃれなテンプレートが大量に出てきます。写真の入れ替えも簡単で、動画形式での保存も可能です。
- つむぐ年賀:「基本はデジタルだけど、数枚だけ印刷したい」という人におすすめ。作成したデータを自宅やコンビニで印刷することも、画像として保存してLINEで送ることもできる柔軟さが魅力です。



アプリを選ぶときは、「背景透過(人物だけ切り抜き)」や「スタンプ機能」があるものを選ぶと、オリジナリティが出しやすいですよ。
よくある質問(FAQ)
デジタル年賀に関する素朴な疑問にお答えします。
Q1. 元旦の何時に送るのがベストですか?
A. 友人なら日付変更直後でもOKですが、基本は元日の午前中〜夕方がおすすめです。
通信回線が混雑して届かないトラブルを避けるためや、通知音で相手を起こさないための配慮として、朝8時〜10時頃、またはお昼休みの時間帯などに送るとスマートです。
Q2. 喪中の相手にデジタル年賀を送ってもいいですか?
A. 「おめでとう」という言葉は避け、寒中見舞いとして送りましょう。
松の内(1月7日頃)が明けてから、季節の挨拶としてLINEやメールを送るのは問題ありません。その際は派手なスタンプや装飾は控え、落ち着いたトーンを心がけましょう。
Q3. 紙の年賀状をくれた相手に、デジタルで返信するのは失礼ですか?
A. 基本的には、頂いた形式(紙)に合わせて返すのが最も丁寧です。
ただ、どうしても準備が間に合わない場合は、まずLINEやメールで「年賀状ありがとう!嬉しかったです」と即日お礼を伝え、その上で「デジタルで失礼します」と一言添えて返信すれば、失礼にはなりません。
Q4. グループLINEでの新年の挨拶はマナー違反ですか?
A. 仲の良い友人グループならOKですが、通知の嵐になるので配慮が必要です。
「あけおめ」が数十件続くと迷惑になることも。グループの空気を読みつつ、深夜・早朝は避ける、スタンプ1つに留めるなどの気遣いをしましょう。
まとめ
デジタル年賀は、単なる「手抜き」ではありません。
環境への配慮や、すぐに気持ちを届けられるスピード感など、現代のライフスタイルに合った賢い選択肢です。
デジタル年賀のポイント
- 相手を選ぶ: 目上の人やビジネス関係は慎重に。
- 言葉を添える: 画像だけでなく、自分らしいメッセージを必ずセットで。
- マナーを守る: 個別送信を基本とし、深夜の送信は控える。
「形式」にとらわれすぎず、あなたらしい言葉で新年のご挨拶を届けてみてくださいね。
次は、実際に送る相手を「紙で送る人」「デジタルで送る人」に分けるリスト作りから始めてみませんか?

