「納会の案内が来たけれど、忘年会と何が違うの?」と迷うことがありますよね。
納会は、一年や年度の活動を締めくくる会です。
職場では、仕事の区切りに感謝や労い(ねぎらい)の気持ちを交わす場として行われます。
開催日や会場、飲食の有無は会社によって異なります。案内の日時・場所と自分の役割を確認すると、当日の準備を決めやすくなります。
ここでは意味と忘年会との違いを整理し、参加前の確認、進行の一例、開会・乾杯・閉会の短い言葉を紹介します。
納会の意味は、一年や年度の活動を締めくくる会
小学館『デジタル大辞泉』(コトバンク)は、納会にその年や年度を締めくくる会という意味があると説明しています。職場以外でも使われ、辞書には野球部の納会という用例もあります。
職場における納会は、「その年(または年度)の仕事を納め、区切りをつけるための節目」と捉えると分かりやすいでしょう。
忘年会との違いは「締めくくりの節目」か「慰労の宴会」か
| 集まり | 主な意味や焦点 |
|---|---|
| 納会 | 一年や年度の活動の区切り・締めくくりと振り返り |
| 忘年会 | 年末に一年の苦労をねぎらい忘れるための宴会・親睦 |
小学館『デジタル大辞泉』(コトバンク)では、忘年会を「その年の苦労を忘れるために年末に催す宴会」と説明しています。つまり、忘年会は「一年の苦労を忘れて楽しむ親睦の宴会」であるのに対し、納会は「一年の活動に区切りをつけ、締めくくる節目」に焦点が当てられています。
開催日や場所も会社によってそれぞれ異なる
例えば、ゲーム開発などを行う株式会社ラクジンの「2025年 仕事納め」の公式ブログでは、同じ企業であっても、大阪本社は仕事納めの当日(12月26日)に納会を行い、東京オフィスはその前の週(12月19日)に実施したことが紹介されています。同じ企業でも、仕事納めと納会が同日とは限りません。
また、不動産・住宅テックを手がけるhomie株式会社の「2025年homie年末納会レポート」では、2025年の年末納会を全社でホテル会場を貸し切って開催した様子が記録されています。
今の役割から、先に確認することを選ぶ
参加する人、進行を整える人、挨拶をする人では、先に確認したいことが変わります。
ご自身の今の立場に合わせて、まずはどこを確認すればよいかを選んでみてください。
| 今の立場・役割 | 先に確認すること | 詳しい案内 |
|---|---|---|
| 一般の参加者として出席する | 日時・会場・服装の指定・途中で抜ける場合の連絡先 | 参加前の確認項目へ |
| 幹事や進行役を任された | 飲食の有無・挨拶の担当者・終わりの予定時刻 | 当日の流れの組み立てへ |
| 短い挨拶や乾杯を頼まれた | 任された場面・持ち時間・今年実際に取り組んだこと | 短い挨拶例文へ |
参加前に、日時・場所・服装と自分の担当を確認する
一般の参加者として納会に出席する場合、事前に手元の案内を見直して、次の5つのポイントを確認しておきましょう。
- 開始と終了の予定時刻:何時から始まり、何時頃にお開きとなるのか。仕事納めの日の場合、業務終了後に行うのか、勤務時間内に行うのかも案内で確認します。
- 開催される場所:自社の執務室や会議室なのか、社外の飲食店や貸し会議室、ホテルの宴会場なのか。移動が必要かどうかも見ておきます。
- 服装の指定:案内に指定があるか確認します。普段の仕事着でよいか迷うときは、幹事へ聞いておきましょう。
- 会費や支払いの有無:会社が費用を負担する集まりなのか、会費制なのか。会費制の場合は事前に集金するのか、当日支払うのかを確認しておくと安心です。
- 自分の担当や役割:乾杯や片付け、買い出しなどの手伝いを頼まれていないかを確認します。
服装は「会場」と「社内の案内」に合わせて判断する
会場を移る場合は、その会場に合わせた服装の案内も確認します。「今日の納会は普段どおりの服装で大丈夫ですか?」と幹事に一声かけておくと、準備しやすいですよ。
途中で抜ける必要があるときの伝え方
途中で退出する必要があると分かった時点で、幹事や上司に予定を相談しましょう。担当の有無や当日の連絡方法も、一緒に確かめておきます。
【事前に伝える一言の例】 「当日は都合により【〇〇時】頃に失礼する予定です。事前に確認しておくことや、当日の連絡先を教えていただけますか」
飲み物は各自のペースで、無理のない参加を
株式会社ラクジンの事例では、ビールまたはウーロン茶で乾杯しています。乾杯には、お茶など各自に合う飲み物で参加しましょう。
差し入れを頼まれているかどうかも、案内で確認できます。参加のために何か買わなければ、と気負う必要はありません。
短い納会の流れは、挨拶と歓談の有無から組み立てる
進行は、飲食を伴うのか、挨拶を中心にするのかに合わせて組み立てます。次は、挨拶・乾杯・食事・締めの言葉があったラクジンの実施例も参考にした、一つの進行案です。
| 進行の目安 | 主な内容 | 担当や配慮の一例 |
|---|---|---|
| 1. 開会 | 司会が開会を告げ、趣旨と全体の流れを伝える | 司会(幹事)が簡潔に開始を告げる |
| 2. 振り返りの挨拶 | 部署の責任者や代表が一年の感謝と労いを述べる | 部長や支店長などから一言 |
| 3. 乾杯 | 飲食を伴う場合、担当者が音頭をとる | 先輩社員や指名された担当者が発声 |
| 4. 歓談 | 飲み物や軽食を交えながら一年の労をねぎらう | 長引きすぎないよう時間を配慮する |
| 5. 閉会 | 司会や代表が終了を告げ、連絡事項を伝える | 来年への挨拶、片付けの案内 |
飲食を伴わない場合は、挨拶と連絡事項を中心に
もし「お酒や食事は出さず、仕事納めの区切りとして挨拶だけを行う」というスタイルの納会であれば、乾杯や歓談を省いて短縮することができます。
その場合は、次のようなシンプルな流れになります。
- 司会による開会の言葉
- 代表者からの振り返りと一年の労いの挨拶
- 年末年始の業務連絡や連絡事項の伝達
- 閉会の言葉(良いお年をお迎えください、という結び)
全体の終了予定と、各担当者の持ち時間を先に決めておきましょう。
手締めを行う場合の注意点
手締めを取り入れる場合は、行うかどうか、音頭を取る人、使う型や呼び名を事前に相談しておきましょう。詳しい種類と使い分けは、後述の忘年会の挨拶記事で確認できます。
進行役が事前に確認しておきたい一言
幹事や司会を担当する方は、事前に挨拶をお願いする上司や担当者へ、次のように確認しておくと当日の進行がぐっとスムーズになります。
【事前の確認例】 「〇〇さん、当日の振り返りの挨拶をお願いできますでしょうか。時間は【〇分程度】を予定しております。また、閉会までに全員へ伝えておきたい連絡事項などがございましたら、事前に教えていただけますと幸いです」
開会・乾杯・閉会で使える、短い挨拶例文
挨拶の内容を組み立てる際は、文化庁「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)」で示されているように、「相手や目的に応じて情報を絞り、最初に主題を述べ、長くなりすぎないように組み立てる」という視点がとても役に立ちます。
ここでは、開会・乾杯・閉会のそれぞれの場面で使える短い例文を用意しました。【 】で囲まれた部分は、ご自身の職場や実際の出来事に合わせて差し替えて使ってみてくださいね。
開会の挨拶例文
司会から振られた直後や、納会の始まりを告げる短い挨拶です。集まってくれたことへの感謝と、一年間の労をねぎらう趣旨を簡潔に伝えます。
皆さん、お疲れさまです。ただいまより、【部署名やチーム名】の納会を始めさせていただきます。
今年一年、日々の業務はもちろんのこと、【新システムの導入/繁忙期の対応など、実際にあった出来事】など、本当にお疲れさまでした。
今日は一年の締めくくりとして、お互いの労をねぎらい合いながら、少し肩の力を抜いて振り返る時間にできればと思います。短い時間ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
乾杯の挨拶例文
飲食がある納会で乾杯の音頭を頼まれたときの例文です。一年の労いとお礼を述べ、最後にお手元のグラスを促して乾杯へとつなげます。
乾杯の音頭をご指名いただきました、【お名前】です。一言ご挨拶を申し上げます。
皆さん、今年一年間、本当にお疲れさまでした。
今年は【大きなプロジェクトの達成/日々の丁寧な業務の積み重ね】など、皆さんのご協力と支えがあったからこそ、今日の納会を迎えることができました。心より感謝申し上げます。
来年もまた、チーム一丸となって前進していきましょう。
それでは、お手元にお好きなお飲み物をご用意ください。
【部署名やチーム名】の皆さんの健康と、来年のさらなる飛躍を祈念いたしまして、乾杯!
急に指名されたときの短い乾杯
もし当日に突然「乾杯の一言をお願い!」と振られた場合は、長い前置きを話そうとせず、感謝と健康を願う言葉だけに絞って元気に発声しましょう。
「突然のご指名ですので手短に失礼いたします。皆さん、今年一年間、本当にお疲れさまでした!皆さんのご健康と来年のご活躍を祈念いたしまして、乾杯!」
閉会の挨拶例文
納会の終わりを告げ、解散へと導く挨拶です。参加へのお礼と年末の挨拶で締めくくります。
皆さん、本日はお集まりいただき、ありがとうございました。
楽しかった時間もあっという間で、名残惜しいところではございますが、そろそろお時間となりましたので、これにて今年の納会をお開きとさせていただきます。
【ゴミの分別や会場の片付けに関する連絡事項があればここに一言挟む】
今年一年間、本当にありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。お疲れさまでした!
挨拶をするときのポイント
挨拶を担当する際は、次の2つのポイントを意識してみてください。
- 事前に声に出して時間を確かめておく:頭の中で読むのと、実際に声に出して話すのとでは、かかる時間が異なります。依頼された持ち時間に合わせて、事前に一度声に出して読んでみると、落ち着いて本番に臨めます。
- 架空の実績や大げさな言葉を使わない:「大成功を収めた」「全員が完璧だった」などと無理に誇張する必要はありません。「みんなで協力して乗り越えた」「丁寧に取り組んでもらえた」など、実際に感じた感謝を一言添えるだけで、温かみのある挨拶になります。
なお、忘年会での挨拶のマナーや、来賓を迎える場合の乾杯・中締め、手締めのより詳しい使い分けについては、忘年会の挨拶(乾杯・中締め・締め)の例文とマナーでも詳しく解説していますので、必要に応じて参考にしてみてください。
当日までに、担当と締めくくりの一言を揃える
- 案内の日時と場所を確認したか:開始・終了の時刻や、社内・社外の移動経路を把握しておく。
- 服装と途中退室の連絡を確認したか:職場の慣例に合わせ、途中で抜ける予定がある場合は事前に幹事へ伝えておく。
- 自分の担当がある場合は持ち時間を確認したか:開会・乾杯・閉会などの挨拶を頼まれている場合、依頼された持ち時間を聞いておく。
- 挨拶例文の【】を差し替え、声に出して練習したか:実際の職場の出来事や感謝したいことに差し替え、一度声に出して読んでおく。
なお、年が明けてからの仕事始めの朝礼やスピーチを準備される方は、仕事始めの挨拶・スピーチ例文もあわせてご覧いただくと、年始の準備もスムーズに進められます。

