「あけましておめでとう! はい、お年玉!」
お正月の親戚の集まりで、子供たちが一番楽しみにしている瞬間ですよね。子供のキラキラした笑顔を見ると、こちらまで嬉しい気持ちになります。
でも、もし子供に「ねえ、なんでお正月にはお金がもらえるの?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか?
「昔からの決まりだから」「お小遣いだよ」と答えるのも間違いではありませんが、実はお年玉には、もっと深くて温かい「神様との約束」が隠されているんです。
この記事では、意外と知らないお年玉の「本当の意味」を、わかりやすく解説します。
- なぜ「お年玉」という名前なの?(実は「玉」には深い意味が!)
- いつから「お餅」が「お金」に変わったの?
- 2026年最新版! 年齢別の相場と、恥をかかない大人のマナー
これを知れば、いつものお年玉が、ただのお金渡しではなく「心のこもった贈り物」に変わりますよ。
お年玉の本当の意味は「神様の魂(パワー)」のお裾分け
お年玉というと、今では「お小遣い」のイメージが強いですが、もともとは神様からいただく「新しい一年を生きるための力」のことでした。
どういうことなのか、少し時計の針を昔に戻してみましょう。
もともとは「お金」ではなく「お餅」でした
実は、昔のお年玉はお金ではありませんでした。何だったと思いますか? 正解は、お正月に飾る「鏡餅(かがみもち)」です。
日本では古くから、元旦になると各家庭に「年神様(としがみさま)」という神様がやってくると信じられてきました。年神様は、私たちに「新しい年の幸福」や「作物の実り」を運んできてくれる大切な神様です。
その年神様が家に来たとき、どこに宿る(座る)かというと、実は鏡餅の中なのです。
- お正月に鏡餅をお供えし、年神様をお迎えする。
- 鏡餅に、年神様の「魂(=生きる力)」が宿る。
- お正月が終わるとき、そのお餅を家長(お父さんやおじいちゃん)が砕いて、家族みんなに分け与える。
この「神様の力が宿ったお餅」を分け与えることが、お年玉の始まりなのです。家族みんなでそのお餅を食べることで、「今年も一年、病気をせず元気に過ごせますように」と体にパワーを取り込んでいたんですね。



お雑煮にお餅を入れるのも、実はこの名残なんです。「神様の魂を体に入れる」神聖な食事だったんですね。そう考えると、お正月のお餅がいつもより美味しく感じませんか?
名前の由来は「御歳魂(おとしだま)」
では、なぜ「お年玉」という名前になったのでしょうか? これにはいくつかの説がありますが、最も有力なのが「トシ(年神様)のタマ(魂)」説です。
- 年神様(としがみさま)の
- 魂(たましい)
これがくっついて、「御歳魂(おとしだま)」になったと言われています (※ほかにも、一年の「年」の「賜物(たまもの=いただきもの)」だから、という説もあります)。
つまりお年玉とは、「新しい一年分の生命力(魂)」そのもの。 子供たちにあげるお年玉には、「今年一年、この子が元気で生きられますように」という、大人たちの切実な祈りが込められているのです。
なぜお餅は「丸い」形なの?
鏡餅やお供え餅って、必ず丸い形をしていますよね。これにも理由があります。
昔の人は、人間の心臓(魂)は丸い形をしていると考えていました。だから、神様の魂が宿るお餅も、魂の形を模して丸く作られたのです。 また、「角が立たずに、一年が丸く収まりますように」という願いも込められています。
いつからお金になったの? お年玉の歴史変遷
「お餅だったのはわかったけど、じゃあ、いつからお金になったの?」 気になりますよね。実はお金に変わったのは、歴史の長さから見るとつい最近のことなんです。
江戸時代までは「モノ」を渡していました
江戸時代の庶民の間でもお年玉の習慣はありましたが、やはり中心はお餅でした。 ただ、お餅以外にも、新年の挨拶として色々なものを贈り合っていたようです。
- 扇子(せんす):末広がりの形が縁起が良いから。
- 手ぬぐい:日常で使う必需品として。
- お薬:一年の健康を願って。
この頃は、親から子供へというよりは、「家長から家族へ」「師匠から弟子へ」「本家から分家へ」といった、目上の人から目下の人へ贈るものというルールが確立されていきました。
昭和30年代(高度経済成長期)に「現金」が主流に
お年玉が現在のように「子供へあげるお小遣い(現金)」として定着したのは、昭和30年代後半〜40年代頃(高度経済成長期)だと言われています。
理由は大きく2つあります。
- 都会暮らしが増えた:都会で暮らすサラリーマン家庭が増え、家で餅つきをして鏡餅を作る習慣が減ってきました。その代わり、手軽に用意できる「お金」が選ばれるようになったのです。
- お店や商品の充実:世の中が豊かになり、子供たちが欲しいおもちゃやお菓子が増えました。「お餅をもらうより、好きに使えるお金のほうが嬉しい!」という子供心も、変化を後押ししたのかもしれませんね。
こうして、本来の「魂を分ける」という意味は薄れましたが、「子供の成長と幸福を願う」という温かい心だけは、形を変えて現代に受け継がれています。
「ポチ袋」の「ポチ」ってどういう意味?
お年玉を入れる小さな袋、「ポチ袋」。この可愛い名前の由来をご存知ですか?
実はこれ、関西弁の「これっぽっち」から来ているんです。
昔、舞妓さんや芸妓さんなどに心付け(チップ)を渡す際、現金をそのまま渡すのは失礼だとされていました。そこで小さな袋に入れて渡したのですが、その時に「これっぽっち(少しだけ)ですが……」と謙遜して渡したことから、「ポチ袋」と呼ばれるようになったそうです。
「少ないですが、私の感謝の気持ちです」 そんな日本人の奥ゆかしさが、この小さな袋の名前には隠されているんですね。



最近では、人気アニメのキャラクターや面白い仕掛け付きのポチ袋がたくさんありますよね。でも、名前の由来を知ると、金額の多さよりも「渡す心」が大切なんだと改めて感じます。
【2026年最新版】お年玉の金額相場(年齢・学年別リスト)
「いくら渡せばいいんだろう? 少なすぎてガッカリされたくないけど、あげすぎも良くないし……」 お正月が近づくと、この悩みで頭がいっぱいになりますよね。
ここでは、各種アンケート調査や一般的な傾向をまとめた2026年最新の相場目安をご紹介します。
【早見表】未就学児〜大学生の平均額
| 渡す相手の年齢(学年) | 金額の相場(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 未就学児(0〜6歳) | 500円 〜 1,000円 | おもちゃやお菓子が買える程度でOK。硬貨でも可。 |
| 小学校 低学年(1〜3年生) | 1,000円 〜 3,000円 | 3,000円が一般的になりつつあります。 |
| 小学校 高学年(4〜6年生) | 3,000円 〜 5,000円 | ゲームソフト等が視野に入る金額。 |
| 中学生 | 5,000円 | 5,000円札1枚で渡すのがスマートで主流です。 |
| 高校生 | 5,000円 〜 10,000円 | 10,000円派が増えますが、親戚間のルール次第。 |
| 大学生・専門学生 | 10,000円 〜 | バイトをしている場合は「渡さない」という選択肢も。 |
※最近は物価高の影響もあり、「キリ良く多めに」渡す傾向が少し見られますが、基本はこの範囲なら失礼にはなりません。
迷ったらこの計算式!「学年 × 〇〇円」の法則
いちいち表を見るのが面倒な方や、兄弟姉妹で差をつけるか迷う方におすすめなのが、昔からあるこの計算式です。
- 年齢 ÷ 2 × 1,000円(例:10歳なら5,000円)
- 学年 × 1,000円(例:小学3年生なら3,000円)
このルールを親戚一同で共有しておくと、「〇〇ちゃんちは多かったのに!」という子供同士のトラブルを未然に防げますよ。



「自分の子供にはいくら?」と迷う方もいますが、親から子へは「貯金用」として少し多めに渡すか、逆に「親戚からもらう分があるからナシ」とする家庭など様々です。各家庭の教育方針に合わせてOKです!
絶対におさえておきたい「大人のマナーとタブー」
お年玉は、渡せばいいというものではありません。特に、会社の上司やお世話になった方の子供に渡す場合、良かれと思った行動が失礼になってしまうことも……。 大人のたしなみとして、これだけは覚えておきましょう。
【要注意】目上の人の子供には「お年玉」を渡さない
これ、意外と知らない方が多いのですが、お年玉は本来「家長(神様の代理)から家族(目下の人)へ渡すもの」です。
そのため、上司や先輩のお子さんにお年玉(現金)を渡すのはマナー違反とされています。「君の家はお金がないだろうから恵んであげるよ」というニュアンスが含まれてしまう恐れがあるからです。
「じゃあ、どうすればいいの?」
現金の代わりに「図書カード」や「文具券」、あるいは「お菓子」を渡しましょう。 名目は「お年玉」ではなく、「御年賀(おんねんが)」や「文具料」とするとスマートです。
お札の折り方・入れ方の正解
ポチ袋にお札を入れる時、適当に折っていませんか? 「神様の魂」を包むものですから、丁寧な作法があります。
- 新札を用意する 「あなたのために前もって準備していましたよ」という心遣いの表れです。
- 肖像画(顔)が内側になるように三つ折りにする お札を表(顔がある方)に向け、左側 → 右側の順に折ります。
- ポチ袋には「天地」を合わせて入れる ポチ袋を表に向けた時、取り出したお札の上下が逆さまにならないように入れます。
※硬貨を入れる場合は、絵柄や漢数字がある方が「裏」、製造年がある方が「表」です。表(製造年)を前に向けて入れましょう。
4と9は避けるべき? 金額のマナー
結婚式のご祝儀と同じく、「死(4)」や「苦(9)」を連想させる金額は避けるのが無難です (例:4,000円、9,000円)。
どうしても4,000円になりそうな場合は、3,000円にするか、奮発して5,000円(またはお札1枚+図書カード)にするなど調整しましょう。
子供に聞かれたらこう答えよう! Q&Aトークスクリプト
最後に、子供にお年玉を渡す時、その意味を伝えるための「会話のヒント」をご用意しました。そのまま読み上げるだけで、素敵な食育ならぬ「魂育」ができますよ。
Q. 「なんでお金がもらえるの?」と聞かれたら
A. 「これはね、新しい一年を元気に過ごすための『神様からのパワー』なんだよ」
「昔はね、神様の力が宿った『お餅』を分けていたんだよ。それが今は、みんなが好きなものを使えるように『お金』に変身したんだ。だから、これを大切に使えば、今年も一年ニコニコ元気で過ごせるよ!」
こう伝えてあげると、お金のありがたみが違って見えてくるはずです。
Q. 「貯金しなきゃダメ?」と聞かれたら
A. 「パワーを使う練習だから、少しは好きなことに使ってみようか」
「お年玉は『生きる力』だから、全部しまっておくよりも、〇〇ちゃんが本当に楽しい!と思えることに使うのが一番だよ。でも、ずっと先のために少し残しておくのも、未来の自分へのプレゼントだね」
全額貯金させるよりも、一部はお金を使う経験(失敗も含めて)をさせることが、生きた金融教育になります。
まとめ:お年玉は「今年もよろしく」の心のバトン
お年玉の由来が「神様の魂(お餅)」だったなんて、少し驚きでしたよね。
お餅からお金に変わっても、そこに込められた「この子が一年、幸せでありますように」という祈りは、昔も今も変わりません。
今年のお正月は、ポチ袋を渡すときに一言、 「神様のパワーが入ってるから、大切に使ってね」 と添えてみてください。
その言葉はきっと、お金以上に温かいお守りとして、子供たちの心に残るはずです。
それでは、素晴らしい一年になりますように。
よくある質問(FAQ)
Q1. お年玉は何歳から何歳まで渡すべきですか?
A. 決まりはありませんが、「0歳〜大学生(22歳)」までが一般的です。0歳〜幼児にはおもちゃやお菓子、小学生からは現金を渡す家庭が多いです。就職したら卒業とするのが通例です。
Q2. 喪中の時、お年玉はどうすればいいですか?
A. 喪中の場合は「お年玉(=神様へのお祝い)」という名目は避けます。代わりに「お小遣い」や「書籍代」という名目で渡すか、無地のポチ袋を使用すれば問題ありません。
Q3. お年玉のお返しは必要ですか?
A. 基本的に子供へのお年玉にお返しは不要です。ただし、自分の子供がもらった場合は、相手の子供にも同額程度のお年玉を渡すのが暗黙のルールです。相手に子供がいない場合は、手土産を持参するなどして感謝を伝えましょう。
Q4. 現金ではなくキャッシュレス送金でもいいですか?
A. 賛否ありますが、現在は「情緒がない」と嫌がる年配の方も多いため、親戚間では現金が無難です。ただし、自分の子供や近い関係性であれば、PayPayなどの送金機能を使う家庭も増えています。
Q5. 親戚の集まりがない場合、郵送しても失礼ではないですか?
A. 失礼ではありません。現金書留専用の封筒(のし袋が入るサイズもあります)を使って送りましょう。その際、手紙やメッセージカードを添えると丁寧です。

