もうすぐクリスマスですね!街中がイルミネーションで輝きだすと、大人でもワクワクしてきませんか?
でも、ふとこんな疑問を持ったことはないでしょうか。
「サンタクロースって、そもそもどこの国の人なんだろう?」
「どうして赤い服を着ているの?」
実は、私たちが知っているサンタさんの姿になるまでには、1000年以上の長い歴史と、意外なドラマがあったんです。
この記事では、以下の3つのポイントを分かりやすく解説します。
- サンタクロースの本当のモデル(実は北欧生まれじゃない!)
- 「赤い服」にまつわる有名な誤解と真実
- 国によって全然違う!世界のユニークなサンタたち
これを知れば、今年のクリスマスがもっと楽しくなるはずですよ。
サンタクロースの正体とは?名前の意味と起源

「サンタさんは北極やフィンランドに住んでいる」というイメージが強いですが、歴史をたどると、なんと現在のトルコにたどり着きます。
モデルは3世紀の司教「聖ニコラウス」
サンタクロースのモデルになったのは、3世紀頃に実在したキリスト教の聖人、聖ニコラウス(ニコラス)です。彼は現在のトルコにあたる「ミラ」という街の司教で、とても優しく、人々から慕われていました。
彼にはこんな有名な伝説があります。
ある貧しい家で、3人の娘が身売りされそうになっていました。それを知ったニコラウスは、夜中にこっそりとその家の窓から金の入った袋を投げ入れたのです。
このとき投げ込まれた金貨が、暖炉に干してあった靴下に入ったことから、「クリスマスに靴下を下げておくとプレゼントがもらえる」という習慣が生まれたと言われています。
コトクマ聖ニコラウスの命日である12月6日は「聖ニコラウスの日」と呼ばれ、ヨーロッパでは古くからこの日に子どもへ贈り物をする習慣がありました。これがのちのクリスマスの原型なんです。


「サンタクロース」という名前の語源
では、なぜ「聖ニコラウス」が「サンタクロース」と呼ばれるようになったのでしょうか?
その鍵を握っているのは、オランダの人々です。
オランダでは聖ニコラウスのことを「シンタクラース(Sinterklaas)」と呼び、子どもの味方として大切にしていました。
17〜18世紀、多くのアメリカ・ニューヨーク(当時はニューアムステルダムと呼ばれていました)に移住したオランダ系の人々が、このシンタクラースの伝統を新大陸に持ち込んだのです。
オランダ語の「シンタクラース」という発音が、アメリカで英語訛(なま)りになり、「サンタクロース(Santa Claus)」という名前が生まれました。つまり、サンタクロースはアメリカ生まれの呼び名だったんですね。



「サンタクロース」という言葉自体が、オランダ語と英語のミックスで生まれた言葉だったなんて驚きですよね!言葉の歴史を感じます。
今の「サンタ像」はいつできた?アメリカでの歴史的変化


元々の聖ニコラウスは、厳格な司教の服を着た宗教的な人物でした。私たちがイメージする「太っちょで陽気なおじいさん」になったのは、19世紀のアメリカでのことです。
トナカイとソリの登場
1822年、クレメント・クラーク・ムーアという人が書いた詩『聖ニコラスの訪問』が大きな転機になりました。
この詩の中で、サンタクロースは初めて次のように描かれました。
- 8頭のトナカイが引くソリに乗っている
- 太鼓腹で、陽気な妖精のようなおじいさん
- 煙突から家に入ってくる
この詩が大ヒットし、「サンタさんはソリで空を飛んでくる」というイメージがアメリカ中の家庭に広まったのです。
ビジュアルの決定版(トーマス・ナストの功績)
さらに19世紀後半、画家のトーマス・ナストという人が、現在に通じるサンタクロースの姿を決定づけました。
彼はイラストの中で、サンタに以下の設定を加えました。
- 北極に住んでいる
- おもちゃ工場で妖精たちとプレゼントを作っている
- サンタの奥さん(ミセス・サンタ)がいる
こうして、宗教的な「聖人」から、夢のある「物語の主人公」へと進化していったのです。
【衝撃】「赤い服はコカ・コーラが作った」は誤解だった!


「サンタクロースの服が赤いのは、コカ・コーラの色だから」という話を聞いたことはありませんか?
実はこれ、よくある誤解なんです。
コカ・コーラ以前から赤かった証拠
たしかに、昔のサンタクロースは緑や青、茶色の服を着ていることもありました。しかし、コカ・コーラの広告が出るずっと前の19世紀中頃から、すでにサンタは赤い服で描かれることが多かったのです。
例えば、1881年に先ほどの画家トーマス・ナストが描いた有名なイラストでも、サンタは赤いコートを着ています。
コカ・コーラが果たした本当の役割
では、コカ・コーラ社は何もしなかったのでしょうか?いいえ、とても重要な役割を果たしました。
1930年代、コカ・コーラ社は広告に、赤と白の衣装を着てコーラを飲みながらくつろぐ、親しみやすいサンタクロースを登場させました。
この広告が世界中に広まったことで、「サンタの服=赤と白」というイメージが世界共通のものとして完全に定着したのです。
「赤を作った」のではなく、「赤を世界標準にした」というのが正解ですね。



私もずっと「コカ・コーラ説」を信じていました……。都市伝説って面白いですが、ちゃんと歴史を調べると違う事実が見えてきますね!
世界中で違う?各国のおもしろサンタ事情


世界には、アメリカ式のサンタクロースとはちょっと違う、「プレゼントを持ってきてくれる不思議な人たち」がいます。
| 国・地域 | 名前 | 特徴 |
| オランダ | シンタクラース | 白馬に乗ってやってきます。なんとスペインから船で来るそうです! |
| ドイツ | クリストキント | プロテスタントの地域では、「幼子イエス」がプレゼントを持ってくるとされています。 |
| イタリア | ラ・ベファーナ | なんと「魔女」のおばあさん!1月5日の夜に、ほうきに乗ってやってきてお菓子をくれます。 |
| ロシア | ジェド・マロース | 「霜(しも)のおじいさん」という意味。青いコートを着ていることが多いです。 |
| イギリス | ファーザー・クリスマス | 古くから伝わるクリスマスの精霊。今はサンタとほぼ同じ存在として親しまれています。 |
知っておきたいサンタクロースの豆知識(Q&A)


最後に、明日みんなに話したくなるトリビアをQ&A形式で紹介します。
Q1. 赤鼻のトナカイ「ルドルフ」はいつからいるの?
A. 実は1939年生まれの「新入り」です!
サンタのトナカイは元々8頭と言われていました。
「真っ赤なお鼻の〜♪」で有名なルドルフは、1939年にアメリカのデパート(モンゴメリー・ウォード社)が、クリスマスキャンペーンのために作ったキャラクターなんです。意外と最近の仲間なんですね。
Q2. 日本にはいつサンタが来たの?
A. 明治時代に伝わり、戦後に広まりました。
明治時代にはすでにサンタクロースの絵本が日本でも紹介されていました33。
その後、第二次世界大戦が終わったあとに、アメリカの文化と一緒にお祝いする習慣が一般の家庭にも一気に広まりました。
日本では、枕元にプレゼントを置くのが定番ですが、これは日本独自のスタイルが多いようです。
まとめ
サンタクロースは、ただの「赤い服のおじいさん」ではありませんでした。
- 慈愛に満ちた聖ニコラウスの伝説
- オランダからアメリカへ渡った移民たちの想い
- 詩人や画家、企業が作り上げた楽しいイメージ
これら全てが混ざり合って、今の「愛と夢のシンボル」であるサンタクロースが生まれたのですね。
今年のクリスマスは、そんな長い歴史と、世界中の人々の「子どもを喜ばせたい」という温かい気持ちに思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
きっと、いつもより少し素敵なクリスマスになるはずです。

