「ねえ、どうして豆を投げるの?」 「鬼ってほんとうにいるの?」
2月が近づくと、子供たちからこんな素朴な疑問を投げかけられて、ドキッとした経験はありませんか?
なんとなく「悪いものを追い払うんだよ〜」と答えてはみたものの、詳しく聞かれるとしどろもどろになってしまったり、逆に詳しく説明しすぎて子供が飽きてしまったり……。伝統行事を子供に伝えるのって、意外と難しいですよね。
この記事では、保育士さんたちの知恵をお借りして、「子供の年齢や性格に合わせた、節分の楽しい伝え方」を徹底解説します。
この記事を読むと、こんなことができます!
- 2歳から小学生まで、子供の年齢にぴったりの「わかりやすい説明」ができるようになる
- 「鬼が怖い!」と泣いてしまう子への優しいフォローができるようになる
- 安全面にも配慮した、現代版の「新しい節分の楽しみ方」がわかる
難しい言葉は一切なし! 今年の節分は、親子の会話をもっと弾ませて、お子さんの心に残る温かい思い出にしませんか?
【30秒で復習】そもそも「節分」ってどんな行事?(大人向け基礎知識)
子供に教える前に、まずはパパ・ママが自信を持って答えられるよう、大人のための「アンチョコ(基礎知識)」を確認しておきましょう。
実は「節分」という言葉には、「季節を分ける」という意味があります。
昔の日本では、春・夏・秋・冬、それぞれの季節が始まる日の前日をすべて「節分」と呼んでいました。つまり、本来は1年に4回もあったのです。
- 立春(りっしゅん): 春の始まり
- 立夏(りっか): 夏の始まり
- 立秋(りっしゅう): 秋の始まり
- 立冬(りっとう): 冬の始まり
中でも、昔の人にとって「冬から春になる日(立春)」は、今でいう「お正月(新しい年の始まり)」と同じくらい大切で待ち遠しい日でした。 そこで、「これから新しい1年が始まる前に、悪いものを全部追い出してスッキリしよう!」という特別な意味が込められ、春の節分だけが今に残る一大イベントになったのです。



「2月3日」だと思われがちな節分ですが、実は日付が変わる年もあります。 節分は「立春の前日」と決まっていますが、地球が太陽の周りを回る時間には少しズレがあるため、立春の日付自体が動くことがあるからです。(最近では、2021年や2025年は「2月2日」が節分でしたね!) カレンダーを確認して「おや?」と思ったら、この話を思い出してくださいね。
【年齢別】そのまま読める!子供に伝わる「節分」の説明セリフ集
ここからは、子供の年齢や理解度に合わせた「伝え方のテンプレート」をご紹介します。 そのまま読み上げて使ってもよし、お子さんの反応を見ながらアレンジしてもよし。ぜひ活用してください。
① 2〜3歳向け(わかりやすさ最優先・怖がらせない)
この時期のお子さんには、難しい理屈は必要ありません。「鬼=怖い」というイメージを植え付けすぎず、「いいこと(ニコニコ)」と「悪いこと(イヤイヤ)」の区別として伝えるとスムーズです。
【キーワード】 お腹の中、バイバイ、ニコニコ
【そのまま使える説明セリフ】
「節分っていうのはね、『みんなが元気にニコニコ過ごせますように』ってお願いする日なんだよ。
もしも、お腹の中に『病気』や『イヤイヤ虫』がいたら大変だよね? だから、お豆のパワーで『悪いものさん、あっちいけー!』って追い出して、体の中をピカピカにするんだよ。
パパもママも、〇〇ちゃんと一緒にずーっと元気に遊びたいから、一緒に『鬼は外!』ってしようね」
【ポイント】 具体的な「鬼」の姿を見せると怖がって泣いてしまう子もいます。「悪いもの=バイキンマンのようなイメージ」で伝え、豆まきを「悪いものをやっつけるヒーローごっこ」のように演出してあげましょう。
② 4〜6歳向け(ヒーローごっこ・ストーリー性)
幼稚園や保育園で行事を経験し、「鬼」の存在を意識し始める時期です。少しストーリー性を持たせて、「豆の不思議な力」について話すと、子供のワクワク感が高まります。
【キーワード】 魔滅(まめ)パワー、苦手なもの、守る
【そのまま使える説明セリフ】
「どうして豆を投げるか知ってる? 実はね、このお豆には『すごいパワー』が隠れているんだよ。
鬼さんは強そうに見えるけど、実はこのお豆のパワーが大の苦手なんだ。『魔滅(まめ)』って言ってね、悪い魔法を消しちゃう力があるんだって!
だから、鬼さんがお家に入ってこないように、『このお家には強いお豆があるから大丈夫だよ!』って見せつけてあげるんだよ。 〇〇くんの元気な声でお豆を投げたら、鬼さんはびっくりして逃げていっちゃうかもね!」
【ポイント】 「魔滅(まめ)」という言葉遊びを少し混ぜつつ、「自分たちが強い武器(豆)を持っているから大丈夫」という安心感を与えてあげてください。頼もしいヒーロー気分で参加してくれます。
③ 小学生向け(知識欲を刺激・クイズ形式)
小学校に上がると、少し論理的な説明も理解できるようになります。「昔の人の考え方」や「季節」と絡めて話すと、知的好奇心が刺激されます。
【キーワード】 季節の変わり目、邪気(じゃき)、昔の知恵
【そのまま使える説明セリフ】
「節分って、もともとは『季節を分ける』っていう意味なんだよ。冬から春に変わる前の日だね。
季節が変わるときって、急に寒くなったり暖かくなったりして、風邪をひきやすいでしょ? 昔の人は、そういう病気や悪い出来事は、目に見えない『鬼(邪気)』が運んでくるって考えたんだ。
だから、『新しい春になったら、悪いことが起きずにみんな健康でいられますように』っていう願いを込めて、お米と同じくらい大事な『豆』をまいてお祓いをしたのが始まりなんだよ。 昔の人の知恵ってすごいよね!」
【ポイント】 「邪気(じゃき)」という言葉を使ってみたり、「なんでだと思う?」とクイズを出してみたりして、対話を楽しみましょう。「昔の人は冷蔵庫も薬も少なかったから、健康でいることが一番の願いだったんだよ」と付け加えると、より深みが増します。
④ 「鬼が怖い!」と泣いてしまう子へのフォロー術
感受性が豊かなお子さんの場合、園での豆まき行事がトラウマになってしまい、「節分なんて嫌だ!」と泣き出してしまうこともあります。そんなときは、無理に「鬼退治」をさせる必要はありません。
「福は内」に注目したポジティブ作戦を使いましょう。
👩 ママ: 「鬼さんが怖いなら、外に投げるのはやめておこうか。そのかわり、『福の神様』をお家に呼ぶお祭りにしよう!」
👦 子供: 「ふくのかみさま?」
👩 ママ: 「そう! ニコニコ優しい神様だよ。『福は〜内!』って言いながら、お部屋の中に幸せをたくさん集めるの。そうすれば、鬼さんも入ってこれないよ」
このように視点を変えることで、恐怖心を安心感に変えることができます。「鬼をやっつける」ことよりも、「家族で幸せを願う」ことが目的だと伝えてあげてくださいね。
子供の「なんで?」に答える!節分アイテムの意味深掘り
年齢別の説明で基本を押さえたら、次は子供たちの鋭い「なんで?」攻撃に備えましょう。 これを知っていると、節分がただの「豆投げ大会」から、知的な「発見の時間」に変わりますよ!
Q. なぜ「豆」をまくの?(ボールじゃダメ?)
これには2つの面白い理由があります。
- 言葉遊びの魔法 「豆(まめ)」という言葉は、「魔(ま=悪いもの)」を「滅(め=やっつける)」するという言葉に通じます。「まめ」を投げることで、悪い魔法を消してしまうんですね。
- 生命力の象徴 小さな種から芽が出て大きく育つ豆には、昔から「神様のパワー」が宿っていると信じられていました。ボールではなく豆である理由は、この「育つ力」を取り込むためなのです。
👧 子供への伝え方 「ボールだとただ痛いだけだけど、お豆には『元気になるパワー』が詰まっているから、鬼さんはそれが一番怖いんだって!」
Q. なぜ「鬼」が出てくるの?(パンツがトラ柄の秘密)
「鬼のパンツはいいパンツ〜♪」という歌でおなじみですが、なぜ鬼はいつも「トラ柄のパンツ」を履いて、「牛のようなツノ」が生えているのでしょうか?
実はこれ、「方角(方向)」に関係しています。 昔の人は、北東の方角(時計でいうと2時の方角)を「鬼門(きもん)」と呼び、そこから悪いものが入ってくると考えていました。
この方角を十二支(干支)で表すと「丑(うし)」と「寅(とら)」の間になります。 だから、鬼の姿は……
- 頭(ツノ): 牛(うし)
- パンツ(下半身): 虎(とら)
を合体させた姿になったと言われています。
👦 子供への伝え方 「悪い鬼さんは『うしさん』と『トラさん』の方角から来るから、牛のツノとトラのパンツを履いているんだよ。おしゃれで履いてるわけじゃないんだね(笑)」
Q. 魚の頭を飾るのはなぜ?(柊鰯:ひいらぎいわし)
玄関に飾る、トゲトゲの葉っぱと魚の頭。初めて見る子供は「くさーい!」と驚くかもしれません。 これは、家を守るための「最強のセキュリティシステム」です。
- 柊(ひいらぎ)のトゲ: 鬼の目を突いて追い払う「武器」
- 鰯(いわし)の臭い: 鬼が嫌がって近寄らなくなる「バリア」



最近は本物の魚を飾る家は少なくなりましたが、イラストを描いて玄関に貼っておくだけでも、行事の雰囲気を楽しめますよ。
Q. 恵方巻を無言で食べるのはなぜ?
「恵方(えほう)」とは、その年の「福の神様」がいる方角のこと。 おしゃべりをすると、せっかく口の中に入ってきた「運(福)」が逃げてしまうと考えられています。
👧 子供への伝え方 「お口の中に入った幸せが逃げないように、食べ終わるまではシーッだよ。お願いごとを心の中で唱えながら食べようね」
親子で成長!「心の中の鬼」退治ワークショップ
節分は、外から来る鬼だけでなく、自分の中にいる「弱さ」と向き合う絶好のチャンスです。 今年は豆まきの前に、こんな会話をしてみませんか?
外の鬼より「中の鬼」?
子供にこう問いかけてみてください。 「〇〇ちゃんのお腹の中には、どんな鬼さんが隠れてるかな?」
- 「朝起きられない『ねぼすけ鬼』かな?」
- 「お野菜キライな『好き嫌い鬼』かな?」
- 「すぐ怒っちゃう『プンプン鬼』かな?」
子供自身に考えさせることで、「自分のここを直したいな」という気持ちが自然に芽生えます。 豆をまくときに、「ねぼすけ鬼、外ー!」「お野菜食べるぞー!」と叫びながら投げれば、ただのイベントが「成長のための儀式」に変わります。
豆まき後の「振り返り」が大切
豆まきが終わったら、必ずお子さんを抱きしめて褒めてあげてください。
「お腹の中の鬼さん、いなくなったね!」 「これで明日からは、もっとニコニコで過ごせるね」
この「リセット完了!」という感覚が、子供の自己肯定感を高め、新しい春を気持ちよく迎えるスイッチになります。
【重要】安全第一!窒息事故を防ぐ「現代の豆まき」新ルール
最後に、編集部から親御さんへ、最も大切な「安全」についてのお願いです。 消費者庁からも注意喚起が出ていますが、昔ながらの豆まきには危険も潜んでいます。現代の事情に合わせた「新しいルール」で楽しみましょう。
🚨 5歳以下には「乾燥豆」を与えないで
消費者庁のデータによると、豆やナッツ類は、子供の誤嚥(ごえん)・窒息事故の原因になりやすい食品です。 特に、気管に入ると豆が水分を吸って膨らみ、除去が難しくなるため大変危険です。
- 食べるのはNG: 噛み砕く力が弱い5歳以下には食べさせないでください。
- 投げるのも注意: 拾って口に入れてしまう可能性があります。
マンションでも安心!「代用豆」アイデア
安全で、しかも散らからない(片付けが楽!)おすすめの代用アイテムをご紹介します。
1. 衛生的で安全!「個包装のまま」まく
スーパーで売っている「小袋入りの豆」や「個包装のチョコ・マシュマロ」をそのまま投げます。
- メリット: 拾って食べても衛生的。床が汚れない。
- 楽しさ: 「お菓子まき」のようで子供は大喜び!
2. 小さな子には「たまごボーロ」
口に入れるとすぐに溶ける「たまごボーロ」を豆の代わりにします(※アレルギーには注意)。
- メリット: 喉に詰まるリスクが低い。
- ポイント: 清潔なシートの上でまくか、小分け袋に入れてまきましょう。
3. 投げる専用!「新聞紙ボール」「カラーボール」
食べる用と投げる用を完全に分けます。
- 新聞紙を丸めてテープで止めたボール
- 100円ショップのカラーボール
- 殻付きの落花生(※アレルギー注意、食べる時は大人が剥く)
これなら、思いっきり鬼(パパ)にぶつけても痛くありませんし、誤飲の心配も激減します。
よくある質問(FAQ)
Q. 豆まきは「夜」やるのが正しい?
A. はい、基本的には「夜」がおすすめです。 昔から、鬼(悪いもの)は夜の暗闇に乗じてやってくると考えられています。家族みんなが揃う夕食後の時間帯に行うのがベストでしょう。 とはいえ、小さなお子さんがいて夜はバタバタするという場合は、昼間の明るい時間に楽しく行っても全く問題ありません!
Q. パパが鬼役をやるときのコツは?
A. 「強すぎず、弱すぎず、最後は派手に負ける」のが鉄則です! あまりにリアルで怖いと、子供がパニックになり豆まきどころではなくなります。
- 最初は「うおー!」と少し強気に登場
- 豆を投げられたら「うわっ、やられた〜!」と大げさに痛がる
- 最後は「まいりました〜、逃げろ〜!」と慌てて外へ逃げていく この「子供たちが力を合わせて勝った!」という成功体験を演出してあげてください。
Q. 余った豆の美味しい使い道は?
A. 炊き込みご飯が簡単でおすすめです。 お米と一緒に、炒った大豆、塩少々、お酒を入れて炊飯器で炊くだけ。「福豆ごはん」として翌日の朝食に出せば、無駄なく美味しくいただけますよ。
まとめ:節分は「家族の愛」を伝える日
節分について、由来から安全な楽しみ方までご紹介しました。
「鬼は外、福は内」
この短い言葉の中には、「子供たちに、病気や災いがなく、ずっと笑顔でいてほしい」という、親から子への深い愛情が詰まっています。
難しいしきたりにこだわりすぎる必要はありません。 「パパ、鬼さんやって!」「ママ、お豆おいしいね」 そんな温かい会話が生まれることこそが、一番の「福」なのかもしれません。
今年の節分が、ご家族にとって笑顔あふれる素敵な一日になりますように。 準備はいいですか? せーの、 「鬼は〜外! 福は〜内!」

